2017年12月30日土曜日

重大インシデント

運行する鉄道会社が非難の的となった新幹線の台車断裂事故。事の重大性を考えると異音・異臭が報告されながら運行を続けた鉄道会社は責められて然るべきだろうが、耐用年数内なのに断裂した台車を製造したメーカーの責任が一切問われないことに大いに違和感を覚えた。同社製の台車を使った車両が危険となるとパニックが起きかねず、また、そうした車両を使わないと営業上支障が出るため、製造者側の問題には一切触れないようにしているものと想像するが、「重大インシデント」とまで呼んでいる監督官庁が断裂の原因を究明し、公表すべきは公表した上で、なぜ同社製の他の車両は安全と見なし、運行を続けさせているのかを明らかにするのが筋だろう。

2017年12月24日日曜日

保守王国

ちょうど広島高裁が愛媛県の伊方原発3号機の運転差し止めの判決を下した日に松山に滞在していた。いうまでもなくNHKのローカルニュースで大きく取り上げられたが、県議会で加計学園の獣医学部新設の判断の過程を明らかにするよう求める決議案が否決されたとのニュースも一瞬流れた。判断の過程を明らかにするというのは極めて妥当な要求で、それを否定するのは隠し事があるといっているに等しいと思うが、どの政党が反対して否決されたのかをあえていわない公共放送の「忖度」ぶりにいちばん驚いた。最近我が国がチェック&バランスが機能しない後進国体質になりつつあると感じるが、地方の「保守王国」といわれるところでは、チェックする側のマスコミまで地元の権力構造に取り込まれているのだろうかと思った。

2017年12月16日土曜日

エルサレム

トランプ政権がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことは、アメリカで少数派のユダヤ人がその豊富な資金力を背景に世界一の大国である同国の政治を動かしている現実を再認識させる出来事だった。アラブ人が住む土地を武力で奪っても国際社会の制裁を受けずに済んだのは、ひとえにユダヤ人ロビーが動かすアメリカ政府がイスラエルに肩入れしてきたからだが、イスラエルが一方的に引き起こした問題でどれだけの人々が犠牲になっているかを考えれば、どちらに理があるかは明らかだ。ところが情けないことに我が国は「中立」を決め込んでしまった。「中立」などというくらいなら何もコメントしない方がまだましで、そんな理不尽な政権が他の国際問題で平和主義だの国際協調だのいっても何の説得力もない。

2017年12月10日日曜日

異次元の金融緩和

「国債が値下がりしたら地銀(地方銀行)は皆アウトですよ。」ゴルフ帰りにメガバンクのOBがいった。日銀の金融緩和策で貸すあてのない資金を国債の購入につぎ込む羽目となった地銀は、保有する国債の価値が目減りすると自己資本比率が基準を割り込む事態になりかねない。これにゼロ金利政策による利ざや(本業の儲け)の喪失が追い打ちをかける。いわれてみれば、付き合いのあった地銀の行員が最近相次いで転職したり事業を立ち上げたりしている。いずれも将来を嘱望され、M&A等のエリート部署に配属されていたような人たちばかりだ。地元に残りたいから地銀に就職しているはずなのに、東京の会社に転職する人さえいるので、よほど銀行の先行きに不安を感じていたのかもしれない。国債が何かのきっかけで暴落でもしたら、多くの地銀が一挙に破たんする可能性もあり、地方の経済は大混乱、事態収拾のために必要な大量の資金は国民が負担することになる。「異次元の金融緩和」などとはしゃいでいる日銀総裁や、人口の自然減による雇用状況の改善すら何ちゃらノミクスの成果と主張する首相はいったいどう責任を取るのだろうか。もっとも彼らのことなので、そのような事態に至るのは自らの任期を終わった後という読みがあるか、あるいは「コントロール外の要因」のせいにするつもりかもしれない。オリンピック後に予見される我が国の緩やかな衰退が、彼らの金融政策の失敗で急激な「落ちぶれ」に変わらないことを祈るばかりだ。

2017年12月3日日曜日

モノ作り日本?

「次に買うのは韓国車。」昨年トヨタ車を買ったばかりのカナダからの来客の言葉に、かつてアメリカの知人がいった言葉を思い出した。その知人は何10年にもわたって日本メーカーの大型テレビを買っていたが、「次に買うのはサムスン。」といったのだ。あれから10数年、テレビのみならず家電の世界での日本のプレゼンスは衰退の一途をたどった。思えば半導体もかつては日本メーカーが席巻していたのが、今は一部の分野を除いて見る影もない。韓国メーカーが急速に台頭できたのは日本の技術を盗んだからという向きがあるが、技術を売りに行ったのは日本のエンジニアであり、彼らにそのような行動をとらせた一因は、世の中の変化のスピードについて行かれず業績不振を招き、社員の忠誠心を失わせるくらいにリストラを行った日本企業の経営陣にある。また、自動車や家電製品といった一般消費者向けの製品についていえば、日本製は総じてデザインがダサい。カナダの来客が韓国車を選ぶといったのは、レンタカーで借りた韓国車の乗り心地がよく、使い慣れているトヨタ車に比べても電子機器の操作がわかりやすく、しかもデザインが洗練されているというのが理由だった。一方、トヨタ車の方は本来自動的に消えるはずの車内のランプが消えず、操作方法を調べてようやく消したという。日本のメディアはしきりに「モノ作り日本」などと世間知らずなことをいい続けているが、売れる製品作りに必要なのは技術オタクではなく、ユーザーにアピールするデザインや機能(ソフト)の部分であり、例えば自分が得意としていないことは外国のデザイナーを雇ってでも売れるモノ作りに徹する外国メーカーの柔軟さに学ぶところは大きいのではないかと思う。

2017年11月26日日曜日

育毛

「ずいぶん髪の毛が濃くなったね。」まさかこの歳になって甥っ子にいわれるとは思わなかった。シャンプーが抜け毛のもとと聞いてやめてから3年余り経つが、目に見えて毛が濃くなってきたのはここ1年くらいだろうか。この間にやってきたことといえばシャワーを浴びる際の頭皮マッサージと(市販の精製品ではない)オリーブオイルを使った整髪。古代からのオリーブ生産国であるエジプトでは乾燥した気候もあってオリーブオイルを体に塗る人がいて、スエズ運河沿いの町イスマイリアでは毎日頭皮に塗っているというレストラン経営者に会った。彼は髪の毛が黒々としていたが、オリーブオイルを使っていない兄弟全員髪の毛が無いとのことだった。また、友人の知り合いはストレスが原因の円形脱毛症になり、毎日すりつぶしたニンニクを混ぜたオリーブオイルを頭皮にすりこんで治したそうだ。抜け毛の原因となるシャンプーで洗い流せないので、しばらく仕事は休んだそうだが。エジプトのオリーブ生産農家からもオリーブオイルの育毛効果について聞いていたが、私が整髪料代わりに使い始めたのはズボラな性格なので顔と頭の両方にいっぺんに塗るのが習慣になっただけ。それが効果をあげたのであれば、まさにタナボタだ。

2017年11月19日日曜日

修学旅行

先月ラスベガスで起きた銃乱射事件のニュースで、当地に修学旅行に行っていた日本の高校生たちがいることを知った。こうした機会でもないと海外に行く機会もない子が多いものと想像するが、グアムだのラスベガスだのといわれると「修学」とは程遠く、学校の行事としてやる意味が見いだせない。アメリカに行くのであればせめて独立戦争の舞台となったボストンとか日本人移民の上陸地だったタコマ、あるいは戦時中に日系人が強制収容されたアリゾナ州などの砂漠地帯にでもしないと学ぶことは何もないだろう。そうでないにしても姉妹都市を訪ねて現地の高校生と交流するのならまだわかる。ちなみに日系人の強制収容のきっかけをつくったルーズベルト大統領は大の親中・反日派だったといわれるが、そうではないはずの今のアメリカ大統領も、一生懸命ゴルフ接待をする我が国の首相がバンカーに打ち込み、追いつこうと慌ててコケても振り返りもせず先を行ってしまった一方で、中国の国家主席と会ったとたん、それまで「子どもの口げんか」を繰り返していた彼の国の独裁者と友だちになりたいなどといい出すくらいなので、どちらが重要視され、影響力をもっているかは明らか。韓国とも足並みがそろわない我が国は、いずれ梯子を外されてしまうかもしれない。グアムやラスベガスへの修学旅行では、我が国が置かれたこうした世界の現実を知るきっかけとなることもないだろう。

2017年11月11日土曜日

情報鎖国

世界中の冷ややかな視線が注がれた我が国首相の米国大統領父娘に対する捨て身?の接待。ロシア大統領の温泉接待で待ちぼうけを食わされた上に領土問題で国益を損ねたことを思い起こさせる。日本が最初の訪問国になったとか(地理的に見れば当たり前)、食事のメニューがどうのとか、日本のメディアのあまりに脳天気な報道ぶりにも呆れる。お蔭で日本語のニュースだけ読んだり聞いたりしていては、米国の現大統領がいかに世界中で問題視されているかが十分に伝わってこないし、そんな人物とその娘に国のトップが必死に媚を売ることがどれだけ恥ずかしいことなのかも伝わらない。大統領の娘が「アベノミクスはウーマノミクス」と誰もが首をかしげる講演をした国際会議も、世界中のメディアが空席だらけだったことを報じているのに、日本のテレビは空席が映らないように工夫して撮影しているのだから、真実を伝えるべきマスコミのあるべき姿とは正反対だ。(どうせ媚を売るなら彼女に恥をかかせないようにサクラを仕込んでおくべきで、何ともお粗末。)一方で、日本の首相がどれだけ恥ずかしいことをやってもアメリカではさほど注目されないという面もある。というのも日本の相対的重要度が下がっていることに加えて、今回のアジア歴訪の目玉は30人のアメリカの大手企業のトップが同行した中国だからだ。貿易不均衡を問題視されていることを百も承知の彼の国は大国の風格をもって迎え、2500億ドルを超える契約という手土産を持たせて帰した。ゴルフだのハンバーガーだのピコ太郎だので機嫌を取ろうとする国がアホに見えてしまう。何年か前に中東を旅したときに、湾岸戦争でただひたすらアメリカに追従したことで親日だった当地の人々の心が離れてしまったことを感じた。東南アジアに行けば中国や韓国の陰に隠れて日本のプレゼンスがますます小さくなっていることを感じる。日本のマスコミはもっと真実をしっかりと伝えて我が国の世界的地位が低下の一途をたどっていることや、ジャイアン、もといアメリカに付き従うだけの「スネ夫外交」がもたらす負の影響も国民に知らしめるべきだろう。

2017年11月4日土曜日

阿漕

年に一度のワインパーティーが唯一の活動の任意団体。減るはずのない銀行口座の残高が減っているので何事かと思い通帳に記帳したところ、モバイルバンキングの利用手数料が引き落とされていた。ほとんど記帳もしないので、何か月も引き落とされていたのに気づかなかったのだ。通帳を管理していた元同僚に聞いたところ、何年か前にモバイルバンキングに申し込んだとのこと。しかし手数料の引き落としが始まったのは最近のこと。口座のある青いメガバンクに尋ねたところ、申し込んだときは無料だったのがその後有料になり引き落としが始まったとの説明。途中から勝手に有料されても困るというと、有料になる旨を伝えるDMが戻ってきていないので手元に届いて了承されたものと見なしたという。どれほどの人がDMに目を通すかと考えればまったく説得力がない。個人口座でも同じことをやっているのかと聞くとやっていないというから、一般の個人客に同じことをやったら抗議が殺到することをわかった上で任意団体のみを標的にしたわけで、そこもまた狡賢い。以前、緑のメガバンクのOBに「昔は手数料を上げようとすると社会党の“おばちゃん”議員が文句をいってきたので上げづらかったが、今は誰も文句をいわないのでやりたい放題」といっていたのを思い出した…。

2017年10月28日土曜日

慢心

先の総選挙の結果は日本人の国民性を理解していることの大切さをよく表していたと思う。「今なら勝てるから」という本音が見え見えで、任期満了までまだ1年以上あるのに「国難突破」などどわけのわからない理由をつけて国会の冒頭に解散してもそのまま許されてしまい、一方で「排除」だの「さらさらない」など、多くの日本人が「あなたいったい何様?」と思う言葉を使った側が案の定大敗した。世論が移ろいやすいこともわかっていなかったのだろう。島国日本の国民は概して「国際派」が好きではないのでやたら横文字を使うのもプラスには働かない。日本人が大好きなのは「安心」「安全」といった言葉で、ありもしない(あるいは現実にはどうすることもできない)危機をことさら煽って票を稼ぐのはあるべき手法ではないが、しっかりと効果をあげてしまう。また、インフレ目標の未達など、都合の悪いことは説明を避け、いいことは自分の手柄、悪いことは野党のせいといった手法も本来日本人の美意識に反するものだが、「言った者勝ち」で躊躇せずやる側が得をしてしまう。財政的な裏付けもなく子育て支援を唱えるポピュリストぶりも無責任なことではあるが、自分の子どもの世代にかかる負担まで考えずに賛同する母親が多いことも計算済みのことだろう。圧勝といいながら全体の3割しか得票していない与党がさっそく「(民意を表す得票率ではなく)議席数に応じた質問時間の配分」などといい出しており、行政への監視もますます弱まりそうだ。自らの野心のために野党を大敗させた都知事の責任は果てしなく重い。

2017年10月21日土曜日

東京湾「領土問題」

東京湾の中央防波堤内側埋立地の帰属をめぐる江東区と大田区との「領土問題」は傍観者的には実に面白い。当初は港区、中央区と品川区も帰属を主張していたそうだが、今は「埋め立ての為に渋滞や騒音に耐えてきた」とする江東区と、「地元の漁業組合が養殖の漁業権を持っていたのを放棄した」と主張する大田区にしぼられたそうだ。しかし徒歩ではアクセスできず、倉庫と公園になるだけの土地をなぜそれほどほしがるのか。両区が「タダでもらえる」からそのような主張をしているのだとしたら、埋め立てにかかった費用を負担させてはどうかと思う。そうすれば両区とも主張を撤回するかもしれない。いずれにしても目の前の海が埋め立てられることで「領土」が広がるというのは内陸区にはない話で、うらやましい気もする。

2017年10月14日土曜日

選挙報道

地上波しか契約していない私にとっては衆議院選挙のニュースでテレビの放送時間をとられるのは実に迷惑。低投票率で与党が勝利することが確実なのに事前にあれこれ論じたり、開票日に多大な時間を割いて開票速報をやる意味などあるのだろうか。せめて通常の番組の枠を奪わないでほしい。大多数の国民は現政権になってから財政赤字が160兆円増えていることも知らず、単純に景気が浮揚していると思っている。(そつツケを払うことになる若い世代の支持率が高いというからしかたがないか。)また、北朝鮮問題では韓国の大統領が嘲笑気味に語るほど日本国民の危機感を煽るのにも成功している。さらに鳴り物入りで出て来た新党は、このままだと日本が衰退の道を辿ってしまうという問題意識は正しいが、特に地方では「しがらみ」で食べている人が多く、そうした人たちこそ投票に行くので、真っ当な訴えも響かない。さらに多くの候補者の印象が悪く(私見)、結局野党を分裂させて与党を利しているだけ。つまり与党が負ける要素は見当たらないのだ。一方、現政権が役人のみならず、検察・警察までも意のままに操るようになった結果、あからさまな証拠隠滅が行われた政治資金規正法違反事件で元経済産業相が不起訴処分になった上、何事もなかったかのように要職に復帰し、いわゆる学園問題では国有地の大幅値引きという問題の本質とは異なる補助金の不正受給で起訴が行われた。さらに、国会で後で虚偽とわかる証言を行った財務省の官僚が国税庁の長官に昇進し、物的証拠も証言もそろっていてレイプ事件で逮捕寸前だった首相の御用記者と呼ばれる民放出身の人物が官房長官の子飼いといわれる警視庁の刑事部長の介入で不起訴処分になってしまうのだから、もはやまともな法治国家、民主国家とはいえない。日本がここまで成り下がってしまったことを嘆かわしく思う私としては、結果がわかっている選挙の報道で我が国の将来を憂うよりは、お笑い番組でも見て気を紛らした方がよほど精神衛生上いいのだ。

2017年10月7日土曜日

誇大広告

最近テレビで世界中の200社以上のホテル予約サイトから宿泊施設の料金を比較できるとしきりに宣伝している検索サイト。いつも利用しているホテル予約サイトと比較してみたが、出ていないホテルが多いだけでなく、最安値と表示される料金が高かったりする。こうした誇大(というより虚偽)広告はあってはならないが、ウェブの情報は常に更新され、素人には証拠を残すのが難しい。それをわかった上での「確信犯」だろうか。私が複数のホテル予約サイトの料金を比べたいときに使っているのはトリップアドバイザーで、そこで表示される最安値をいつも利用しているサイトやその宿泊施設の公式サイトを比較し、大差がなければ後者で予約を入れるようにしている。というのも最近トリップアドバイザーである特定の宿泊予約サイトばかりが最安値で表示されるようになったのだが、実際には競合の宿泊予約サイトやそのホテルの公式サイトで同等の値段が出ていることが多い。その会社と何らかの協定を結んだのか、はたまたその会社がトリップアドバイザーのシステムを把握して自社の料金が最安値で表示されるように工夫しているのか。ホテルの予約にあまり時間をかけたくない一方で、あえて高い料金は払いたくない。その結果たどり着いた手法だ。

2017年10月1日日曜日

栄枯盛衰

少し前にイギリスのケンブリッジ大学が中国当局からの要求に従ってウェブサイトに掲載されている天安門事件など中国関連の論文について、中国からの接続を遮断したというニュースを目にした。中国の監督当局からの要求に従わなければ、中国での業務全般に悪影響が出ると警告されたとか。同大は中国での子ども向け英語教材の販売が好調だというから純粋にビジネス上の判断なのだろうが、中国の言論統制が海外にまで及んできたことを象徴する出来事だった。ここまでは大学とはいえ、民間の一営利企業の話ともいえるが、中国ナンバー2の訪英でも女王が出迎え、人権問題の「じ」の字もいわなくなったイギリス政府の中国に対するすり寄り方も露骨なものがあり、この数十年の間に完全に立場が逆転したことを表している。とはいえ、イギリスは同じ島国でも日本に比べてよほど世界情勢に明るい人たちが政治を司っている計算高い国。我が国は彼らが取っている行動の背景を理解し、その上で自国の戦略を考えるべきだろう。

2017年9月23日土曜日

ベスト・エフォート

「電話料金が安くなる」というセールスの電話が一時期よくオフィスにかかってきた。切り替えるデメリットは一切ないと主張するが、書類を取り寄せてみると説明になかったデメリットが書かれていたりして、その後はすべて断るようにした。今年になって再び同様のセールスの電話がかかってきたが、今回は背後にいる電話会社が前回のS社ではなく、既にサービスを利用しているN社だった安心感も手伝い、最終的に切り替えることにした。ところが切り替えた後の電話料金が低くなるどころか、これまでなかったくらい高くなったのでコールセンターにどうなっているのか尋ねたところ、頼んでもいないオプションサービスに入れられていて、こちらからそれを解除する電話を入れない限り毎月料金をチャージされるとの説明だった。N社と資本関係がない代理店がやっていることとはいえ、同社がこうした実態を把握していないとは思えないので抗議した。代理店の側にも頼んでもいないオプションサービスの料金を返還するよう要求したが、その応対や手続きが非常に慣れていて、こうした苦情がくることを想定しながらやっている「確信犯」であることが窺えた。なぜこのようなことをやっているかと想像するに、頼んでいないチャージが発生していることに気づかずに料金を払い続ける契約者が相当数いて、その一部がN社からその業者に手数料として支払われているものと想像した。S社といわれれば疑いの目をもちつつ、N社といわれて一定の安心感を覚えた自分に甘さがあったが、こうした行為が取り締まられることなく放置されているのはいかがなものかと思った。

2017年9月16日土曜日

不倫報道

「政治家に高度な道徳観を求めるべきなのか。」自分のことを棚に上げて不倫を報じられた女性野党議員を執拗にバッシングする人気キャスターにコメンテイターが発した言葉だ。能力があって品行方正であればそれに越したことはないが、どちらかが欠ける場合、どちらが重要かということであり、コメンテーターがいうことはもっともだ。もともと首相応援隊のようなところがあるキャスターと思ってはいたが、「女性票が確実に逃げる」だの「子育て支援を主張する議員がこうしたことをやっていては云々」といい続ける姿に、与党議員だったらここまで叩いていただろうかと思わずにはいられなかった。国有地が不当に低い価格で払い下げられたり、規制緩和の名のもとに首相の友人が経営する学校法人に便宜が供与されることの方がよほど国民にとっては問題であり、「報道番組」を名乗るのであればもう少しまともな話題選びをしてもらいたいものだと思う。

2017年9月9日土曜日

離党ドミノ

党の元幹部まで泥船脱出を図る最大野党。ほかにすがることができる新興勢力が出てきたとたん、ほいほいと党を捨てて出て行く輩など信頼できないと思うが、そうした新党人気への「便乗」が効果をあげることを先の都議選が証明してしまった。同党の人気のなさがこうした行動を招く原因で、政権公約を果たせなかったことの総括もせずに党の再生もあったものではないが、羽田空港の国際化等、利権まみれの現与党ではできないこともやっているので、「風」に流されやすい我が国の国民性によってあまりに過小評価されている気もする。ここまで追い詰められてしまったのであれば、党の国会議員に大臣ポストを割り振るような発想は捨て、アベノミクスなるものがなぜワークせず、どうすれば中間層の所得を増やして景気を浮揚させられるのかを論じきれる識者を影の内閣の経済閣僚に据えて選挙を戦ってはどうかと思う。

2017年9月6日水曜日

愚の国

「断じて容認できず」「強く抗議」「最も強い表現で断固と非難」…何度聞いたセリフだろうか。そして「圧力強化で一致」。自らの生殺与奪を握っているのがアメリカであることを重々わかっている彼の国の独裁者はそもそも日本など眼中にない。それを正義漢ぶって要らぬ刺激をするのは国民を危険に晒すだけだろう。「国際社会」といえばもっともらしいが、影響力をもつ大国の利害が一致せず一枚岩でないのにいったい何を指していっているのか。無責任に危険を煽るマスコミに影響されることなく、自らの人気取りのために国益を損ねる行為はしっかりと見透かしたい。思えば任期中に「北方領土」や「拉致」の問題を決着させると豪語しつつ、前者は経済協力だけさせられて二島返還すら遠のかせ、後者も何ら進展はない。いずれも相手は解決しようなどと思っていない(そうすべき理由は見当たらない)のが明らかなのに、温泉に接待するなどしてどれだけの国費を無駄に使ったのだろう。こんなことをやっていてこの国は本当に大丈夫なのかと思う。

2017年9月1日金曜日

異常気象

異常気象続きで「50年に一度の大雨」といった表現をよく耳にするが、その根拠は不明だ。気象庁の前身の組織ができたのが明治時代だとすれば何百年も気象データが蓄積されているわけではなく、何十年に一度などというのには統計学的に明らかにデータ不足だろう。(しかもなぜ40年でも60年でもなく50年なのか。)危機感を喚起する為にこのような表現を使っているものと想像するが、そもそもこうした言葉を我々が耳にするのは「事後」のことで何ら対策に結びつくわけではないし、被災した人が今年起きたから向こう50年は安全などと解釈しては逆によくない結果を生むのではないかと思う。

2017年8月26日土曜日

戦争責任

終戦の日の頃に放映された池上彰氏の番組は実に興味深かった。それまで昭和天皇の戦争責任について議論として耳にすることもなかったが、番組では1945年の初めには敗戦が不可避ということも、特攻隊のことも知らされていたにも拘わらず、「相手にもっと打撃を与えてから講和した方が有利」といって戦争を続けたというから意思決定権者であったことは確かなようだ。また、これは原爆投下はもとより東京大空襲の前のことだったので、もっと早く戦争を終わらせていればどれだけの人の命が助かっただろうかと考えずにはいられなかった。番組では元特攻隊員が当時のことを語っていたが、本当に志願した人などほとんどいなかったことも初めて知った。こうしたことをきちんと学校で教育していれば、安易にタカ派的な発言をして人気を得ようとする戦争を知らない世代の政治家も生まれなかったのではないかと思う。

2017年8月20日日曜日

レイシスト

米バージニア州で白人至上主義者が引き起こした騒動。トランプ大統領が差別主義者の側を明確に非難しなかったことで批判を受けたが、アメリカに顧客をもつカナダの企業経営者が共和党支持者は皆隠れレイシスト(人種差別主義者)といっていたことを思い出した。誰も差別主義者とは思われたくなく、特に異人種がいるところではそれを表に出すことはないので、こればかりは白人どうしでないとわからないことなのだろう。KKKなど過去のものと思っていたが、差別主義者がいなくなっているわけではなく(日本にもしっかり存在していることは我々もわかっていること)、それがトランプ大統領支持層とだぶるためにここぞとばかりに表に出てきているものと思われる。振り返って、そうした資質の大統領にあからさまにスリスリするスネ夫的首相というのもいかがなものかと思う。

2017年8月15日火曜日

ミサイル騒動

北朝鮮のミサイルが上空を通過する県の知事がこぞって官邸を訪れ、首相に住民の安全確保を要請したのは実に滑稽だった。万一発射されてそれらの県の上空を通過したとしても飛行機のような高度を飛ぶわけでもないのだから、破片が落ちるなどの被害が発生する確率など、飛行機事故に巻き込まれるよりよほど低いだろう。自民党しか当選しない島根の知事がほかの知事を従えている様は、「ミサイルを発射しないように圧力をかける」と応じる首相と相まって、必要以上に危機を煽って他の問題から目をそらし、政府の求心力を高めようとする思惑にさえ見えた。それにしても人もあまり住んでいないのに一人張り切る島根の知事とは対照的な、ほかの知事のテンションの低さは印象的で、高知の知事など「こんなアホなことに付き合わされて迷惑千万」とも見える顔をしていたのが面白かった。

2017年8月13日日曜日

企業文化

10年余り前に完成した、元いた電機メーカーの新本社ビル。それ以前の借りビルの本社に比べて見るからに立派な建物だが、メーカーの倹約カルチャーは変わらないらしく、夏場の室内の温度設定は28度だという。どんなに立派で近代的なビルで働いていても28度の高温の中で仕事をさせられては生産性もあがらないだろう。本社ビルの中で涼しいのは役員フロアだけという話を聞き、そうしたカルチャーも相変わらずと思った。私が高輪のオフィスにいたときに、役員は火事の際にはしご車が届かない11階より上の階にはおかないと聞き、「将来ある若手社員が火事の犠牲になっても先の長くない役員は守りたいんだ」と失望した記憶がある。最近ゴルフをご一緒した某大手石油会社の元監査役は国際線のファーストクラスで隣り合わせた同電機メーカーの社長のところにエコノミークラスに座っていた部下がやってきて跪いて指示をメモするのを見て「ずいぶんひどい会社」と思ったそうだ。元同僚たちとそのような話をしながら、好きな温度設定で仕事ができる今の幸せを感じた。

2017年8月5日土曜日

高値掴み

ベトナムの企業買収案件を紹介した関西の食品流通大手。紹介したベトナム企業は同国トップクラスでこの上ない組み合わせなのだが、既に昨年同国で同業を買収したのでしばらくは見送りたいと告げられた。同社の有価証券報告書によると、このベトナムの会社を買うのに30億円を超える金額を払ったようだが、当該企業はうちが紹介した会社より規模も質も劣り、10億円でも払い過ぎと思われた。さらにネットで調べるとこのベトナムの会社には私もホーチミンで面談したことがある同国の首相の娘が始めた会社がアドバイザーについていたことがわかった。このベトナムの会社の情報を開示してもらうのにお金まで払わされたというから、海外での企業買収に無知であることにつけ込まれてやりたい放題やられたことが想像される。3千億円でブラジルの会社を買って1千億円減損処理したキリンビール、6千億円でオーストラリアの会社を買って4千億円減損処理した日本郵政、6千億でアメリカの原発会社を買って7千億減損した東芝は論外としても、日本企業の高値掴みは相変わらずのようだ。買い手側である日本企業にもアドバイザーはついていたはずだが、買い手側のアドバイザーも買収価格が高くなればなるほど報酬が増えるので、適正価格で買わせようという動機づけは働きづらい。また、アメリカであれば経営陣は責任追及を免れないが、日本は官民ともにアカウンタビリティが欠如しているので緊張感も反省もなく同じことが繰り返されるのだろう。

2017年7月30日日曜日

経済観念

国会の閉会中審査に出て来た愛媛県の前知事が「今治に獣医学部を作ってくれるなら黒い猫でも白い猫でも構わなかった」と発言するなりふり構わなさぶりを見て、こんな経済観念の人が行政の長だったら国も地方も大変なことになると思った。獣医学部を誘致した今治市は学園側に時価36億円を超える市有地を無償で譲渡し、さらに192億円の総事業費の補助として県と市で合わせて96億円支出するそうだ。今治市民一世帯当り14万円の負担とか、投資回収に320年かかるとかいわれているが、経済合理性の説明はまったく聞かれない。これが国全体に利益をもたらすならthank youということになるが、獣医学部の教員が不足し、獣医師の働き口が足りないのであればマイナスの影響しか考えられない。「岩盤規制」について語り、首相が友人に便宜を図ったか否かという問題の本質から目をそらすために国会に引っ張り出されてきたものと思うが、規制緩和は経済の活性化が目的であって、特定の個人への便宜の供与や財政をますます逼迫させる公費の無駄遣いにつながるようではやらない方がましだろう。

2017年7月29日土曜日

無風議員

参考人招致や閉会中審査を拒んで疑惑隠しに必死になり、自らがタバコを吸いたいからと、WHOの勧告に基づいた喫煙規制に反対した与党の国対委員長、暴言・暴行問題を引き起こした議員を擁護する与党総務会長、そして問題が絶えなかった前防衛大臣。こうしたイタい人たちが国会議員になり、そうした地位に上りつめられたのは自民党の候補であれば誰でも当選する選挙区を地盤としていることと無縁ではないだろう。当選回数を重ねればそれなりの地位に就き、発言力をもつことができる。しかし資質に疑問のある人物が政府あるいは与党の重要なポストに就くのは国としてはマイナスにほかならない。彼の国対委員長と総務会長を選出している山陰の人に聞いてみると、「あんなの自民党でなければ誰も投票しない」といっていたので、本音のところでは恥ずかしいと思っているようだ。それにしても競争がないとクオリティが落ちるというのは政治の世界も同じなようだ。

2017年7月23日日曜日

ヒアリ

日本人が得意な過剰反応。今度は「ヒアリ」騒動で蟻の殺虫剤が爆発的に売れているという。2009年の豚インフルエンザのときと同じく、公共放送をはじめとするメディアが「かまれたら死に至る可能性がある」などと騒ぎ立てているのが原因と思われるが、実に反省のない人たちだ。日本の在来種の蟻はヒアリに負けるほどやわではないという。ヒアリが発見もされていない場所で在来種の蟻を殺虫剤で殺してしまったら、それこそヒアリがますます勢力を広げるだけだろう。殺虫剤メーカーはここぞとばかりに増産態勢を敷いているとのことだが、生態系を崩さないための啓蒙よりも金儲けを優先させる姿勢は頂けない。

2017年7月22日土曜日

一蘭

台湾で6000台湾ドル(約2万2000円)の商品を購入すれば、2人まで優先的に席に案内されるというサービスを行おうとして批判に晒された博多のラーメンチェーン。日本で実施している同様のサービスの2倍の価格設定という。このラーメン屋は博多の本店に行ったことがあるが、1階はお土産コーナーになっていて、ふつうにラーメンを食べようと思うと2階に上がって食券を買い、麺の硬さなどの好みを紙に書き込んで店員に渡さなければならない。また、グループ客の長居を防ぐためか、各席が仕切りで区切られ、客が店員に話しかけられないようにするためか、席の前面が壁になっていて、紙を渡すときとできたラーメンを受け取るときにだけ前の小窓が開く。つまり客は店員の顔が見えず、壁に向かってラーメンを食べることになる。また、大阪や東京の店は家賃を節約する為か、たいがい地下にあったりする。ここまで「金儲け主義」臭がするのは日本人の美意識に合わない気もするが、それでも人気なのだから何の文句があるのかといわれてしまうかもしれない。

2017年7月15日土曜日

過剰サービス?

人手不足と長時間労働が問題になっているという宅配業界。会社で利用している業者の配達員から運賃の値上げをしたいといわれた。一方的な通告ではなく、値上げ幅についても交渉の余地を与えるのが関西系らしい。商用でこの会社を訪問した際にネット通販は単価が安いのでやらないと聞き、客単価を引き上げなければ人の工面も難しいことが想像された。ネット通販では一定金額以上買うと送料が無料になることが多いが、それがそれほど大きな額でなかったりするので、宅配業者に相当な価格圧力が加えられていることが想像される。安い単価で再配達などさせられたらたまったものではないだろう。倉庫が火事を起こした文具のネット販売業者は午前中に頼むと午後に届く。しかも送料が無料になる購入額がやたらと低い。便利といえば便利だが、こうして利用者を甘やかすことが運送会社に過大な負担をかけているような気もする。

2017年7月9日日曜日

モンテッソーリ

甥が幼稚園に入る頃から耳にしだした「モンテッソーリ」なるもの。幼馴染からも奥さんが息子をモンテッソーリの幼稚園に入れると言い張っていると聞いたが、所詮一時的な流行りくらいに思っていた。自分が通っていた幼稚園でどのような教育を受けたかも思い出せないし、それがその後の人生に影響を与えたとも思えなかった。また、優秀な子はどのような幼稚園に通おうとも(あるいは幼稚園に通わずとも)いずれ頭角を現すように思えた。ところが将棋の藤井総太四段がモンテッソーリ教育を受けていたと聞き、少し見方を改めた。好きな遊びを好きなだけやらせて達成感を感じさせるのが教育方針というが、それが彼を将棋に没頭させ、集中力を高めたのかもしれない。ただ、好きなことにのめり込んでそれを生業にできるレベルに達するにはもって生まれた能力というか才能もあるだろうから、ふつうのサラリーマンになる人はあまり関係ないかもしれない。

2017年7月1日土曜日

LCC

新幹線嫌いな私は出張で飛行機を利用することが多い。大手航空会社2社の寡占だからか新幹線との競合がない都市との便は全体として料金が高く、特に変更がきく正規の料金はやたらと高い。高松での面談が終わり、空港に向かう途中で携帯から「株主割引」でフライトの予約を行った後、ふと思い立って格安航空会社(LCC)のサイトを覗いたところ、羽田ではなく成田行きではあるが、大手の株主割引のさらに半額で帰れることがわかった。時間に余裕もあったので一度試してみようと大手の方をキャンセルをして、LCCの便を予約し直した。実際乗ってみると座席のピッチが多少狭いように感じたが、所詮1時間余りのフライトだし、足が長い方でもないので快適に目的地に戻ることができた。ただ、成田に着いてオフィスのある日本橋まで電車で向かおうとしたら、駅までやたらと長い距離を歩かされた。ほとんど嫌がらせと思えるくらい遠いところにLCC専用ターミナルを作ったようで、重い荷物をもっての移動はきつい。同ターミナルにはバスが乗り入れているので、東京に住んでいる者が利用する場合は時間に余裕をもってバスで移動するのがいいようだ。出張に使うのであれば、余分にかかる時間と価格との兼ね合いで判断することになるだろう。

2017年6月23日金曜日

人相

秘書への暴行と暴言で所属する与党から「スピード尻尾切り」に遭った女性議員。ネットで顔写真を見て「やりそう」と思ったのは私だけだろうか。ゴルフ仲間に連れられて行った銀座のクラブで広島出身という若い美人のホステスが母親からいわれたという言葉を思い出す。「若いうちはきれいだなんだといわれても、その後の自分の顔は自分がやってきたことが作る」と。客商売の私はよく相手の顔を見て信頼のおける人かを推し量ろうと努める。必ずしも成功しているとはいえないかもしれないが、よほどタチが悪い人はそれが顔に現れて何となくわかる気がする。国のトップでいえばトランプ大統領と本邦の首相は、フランス、ドイツやカナダの首脳とは明らかに別カテゴリの人相に属するように見える。そしてその首相に魂を売ってしまったかのようにスキャンダル隠しに必死になっている取り巻きたちの人相もどんどん悪くなっているように見える。

2017年6月17日土曜日

一強

世論調査で高い支持率を維持しているといわれる現政権だが、支持する理由の断トツは「他の内閣より良さそうだから」。片や不支持の理由の断トツが「人柄が信頼できないから」というから、積極的に支持している人はさほど多くなく、トップが人間的に信頼されていないことが窺える。にもかかわらず国民の絶対的な支持を得ているかのごとくふるまい、傲慢な政権運営を続けている状況がいつまで続くのか。懸念されるのは露骨なスキャンダル隠しのために国会を否定する禁じ手を使ってまで通した共謀罪法案の真意。国連の人権理事会で懸念が示される状況にある日本の報道の自由もどうなってしまうのか。ただでさえ大人しい日本国民がますます真実から遠ざけられ、判断力を失ってしまうのではないかと心配になる。国会の場で恥知らずな答弁を続ける首相の取り巻きたちを見ていると、電機メーカー時代に目にした「独裁経営下の北朝鮮状態」を彷彿とさせる。取り巻きが独裁的な経営者の言いなりになって、そこから会社の凋落が始まった。しかし一企業が北朝鮮化して自滅するのと国政を担う人たちが首相の意に沿うようにデタラメをゴリ押ししてしまうのとでは国民に対する影響度が違い過ぎる。彼らは自己保身のためにやっているのだろうが、それがどのように国民の目に映り、彼ら自身の品性を疑わせているかを自覚すべきだろう。

2017年6月10日土曜日

裏目

英保守党は昨年のEU離脱の国民投票に続く大誤算。議会で単独過半数を占めていたのに、さらに基盤を強固にしようと解散に打って出たのが完全に裏目に出た。支持率で労働党を大きくリードしていたことで自信を得ていたのかもしれないが、世論は移ろいやすい。方や「獣医師会の意見に配慮して獣医学部が存在しない地域に新設を認めた」と国会の場で堂々と嘘の答弁をしても責任を問われない我が国の首相。世論を甘く見てしっぺ返しをくらった彼の国の首相が見たら実に羨ましい立場かもしれない。

2017年6月3日土曜日

シェービングフォーム

ゴルフクラブの浴室で髭を剃ろうと久しぶりにシェービングフォームを使った。が、ふだん使っている石鹸の方がしっくりくる。シェービングフォームはつくづく不要のものと思った。もともとリンスの残留感が苦手だったが、シャンプーに含まれる界面活性剤が抜け毛のもとと知り、髪の毛を洗うときには石鹸を使うかぬるま湯で洗い流すだけにし始めてから排水溝にたまる抜け毛の量が飛躍的に減った(ように思う)。最近は食用に使っているオリーブオイル(果汁)を整髪料にしているため、自宅の浴室・洗面台には石鹸、歯ブラシ、髭剃りくらいしかなくなってしまった。このように不要と思われるものを排除していくと、本当は世の中になくても困らないものが多いことに気づく。

2017年5月27日土曜日

学園問題

相次ぐ「学園」問題。今回は農水省が需要がないと結論付けた獣医学部の設立を特定の法人の為に特区まで作って認めているのだからあからさまなお手盛りの可能性が高く、森友がグレーならこちらは完全にブラックだろう。与党政治家が徹底調査をしないことで事実関係を明らかにしないことに必死なのがそのことをよく表しているが、文科省の元事務次官の人格を否定することで追及をかわそうとする官房長官の品のなさや、当事者が存在するといっている文書の存在が確認できなかった(しかもさらに調査をするつもりはない)と説得力のない答弁を繰り返す文科大臣、さらに理屈に合わないコメントをする元不良が売りの文科副大臣を見て、ずいぶん恥知らずな政治家がいるものだと思った。政府が人事権をちらつかせて役人をコントロールするのは理屈に合わない話ではないが、それを利用して経済活性化が大義の規制緩和を特定の知人(友人)の利益のために利用するなどまともな国ではありえない。大統領でも不正が認定されれば職を失う隣国の自浄能力とはエラい違いだが、そこまでその人物に力を与えてしまっているのは国民が選んだ国会議員なので致し方のないことか。

2017年5月20日土曜日

ラーメン

関西を訪れたシンガポールからの来客に何が食べたいかと聞くと「ラーメン」と即答。三ノ宮駅前にあった豚骨ラーメンの店に連れて行ったら意外に?美味しく、来客も喜んでいた。お礼に夜に心斎橋で神戸牛のコースをご馳走になり、どちらがホストだかわからなかった。ラーメンが世界中でブームというのが日本のメディアにありがちな大げさな報道だとしても、海外でラーメンの知名度が高まり、日本に来る外国人にラーメン好きが増えているのは確かなようだ。しかしラーメンは「中華そば」といわれるように中国が起源なはず。好きな日本食はと聞いてラーメンと答えられると少々複雑な気はする。

2017年5月13日土曜日

都民ファースト

黒幕退治まではよかったが、五輪に関する都知事の言動は理屈に合わず、政治家としての資質に疑問をもたせる。頼まれて会場を貸すプライベートゴルフクラブの会則にいちゃもんをつけたと思ったら、今度は同じく頼まれて競技会場を提供することになった周辺自治体に費用負担まで求めたというから(ド)厚かましい。東京都はお金に困っている自治体ではないし、良識ある都民が周辺自治体に理屈に合わない負担を求めてほしいなどとは思っていないだろう。ここまで来ると「都民ファースト」というのが彼の国の「〇〇○○ファースト」並みに利己主義的に聞こえてしまう。

2017年5月6日土曜日

日本郵政

早朝、はがきを買うために24時間開いているはずの日本橋郵便局に行ったら閉まっていた。後で出直すと、24時間のサービスはやめたという。はがきの料金の値上げに加えてサービスの後退。オーストラリアの物流会社を約6200億円で買収して4000億円の特別損失を計上した穴埋めを一般消費者にさせようというのだから虫のいい話だ。特にはがきは独占事業であり、これを値上げすることで国民に負担を転嫁しようなどというのはとんでもない話だが、よく大株主である政府がこれだけの損失を出した経営陣に責任をとらせることもせず、このようなことを許すものだと思う。独占事業を行い、政府が株の8割をもっている会社は民間企業とは名ばかりであり、ふつうの民間企業以上に経営規律が働く仕組みを作らなければならないはず。それができないのであればそもそも民営化などすべきでない。

2017年4月29日土曜日

復興大臣

記者に対する暴言の後、「東北でよかった」発言で辞任した復興大臣。どこの選挙区の人かと思ったら九州だった。発言(表現)自体もさることながら、記者に対して居丈高に接する一方で、総理から苦言を呈されると速攻で謝罪する態度の違いに本人の人間性が垣間見える。サラリーマン時代に「強きを助け弱気をくじく」と評される上司がいたが、上に対しては卑屈なまでにぺこぺこする人ほど部下に対してつらく当たるという相関関係があることに気付いた。上に卑屈になる分、下に当ることで精神的なバランスをとろうとしているものと想像したが、上にも下にももっとふつうに接していれば周囲に嫌われずにすんでいただろう。ただ、当時勤めていた会社にはあからさまなご機嫌取りに弱い経営幹部がいたし、360度の人事評価など存在しなかったので、彼らのそうした行動もどんなに下に嫌われても自らの処遇に影響力をもつ上に気に入られるための処世術だったと見ることができる。当時の経営判断の誤りの多くもこうした社内の体質から来ていたように感じる。

2017年4月21日金曜日

中国

大学のOBの集まりで講演を行った石平先生の話は中国の人たちの考え方を知る上で興味深かった。彼の国に行くとあらゆる物のスケールの大きさに驚くが、人々が考える時間のスパンも我々日本人よりはるかに長く、戦前・戦中などごく最近のことのようだ。アヘン戦争以降の100年間を「屈辱の歴史」とし、それを清算して民族の復興(「華夷秩序」の回復)を果たし、再びアジアの頂点に立つのが目標で、何世紀にも亘って進んだ文化を教えてあげたのに西欧列強に追随してひどいことをした日本人は許せないのだという。戦時中大陸にいた祖父が日本兵の隊列を見て「東洋鬼」(トンヤンクイ)といった子供の口を親が慌ててふさいだという話を思い出した。さらに明治以降の日本はかつて進貢国だった琉球(沖縄県)を取り込み、韓国を併合して中国の影響から切り離したので余計面白くないらしい。南シナ海を軍事支配さえすればアジア各国は中国の軍門に下るしかなくなるため、アジアの頂点に立つためには今後も島の軍事拠点化は続けるとのこと。日本人は「国際協調」といった言葉を好むが、国際政治は力の論理というのが中国の理屈で、それを中国に教えたのはほかでもない西欧列強や日本だといわれると反論しづらい。また、中国の庇護のもとに暮らすのがアジア諸国民の幸せという考え方は韓国を併合した時代の日本の考え方に共通するところもあり、日本が「いい子」ぶりづらいところだ。中国によるアジア支配の最大の障害がアメリカの存在と影響力、そして日米同盟とのこと。米軍基地がある沖縄で“色々と”工作を行っているだけでなく、北京で琉球独立を主張する学者を集めた会議までやっているというから驚く。一方、アメリカにとっても太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争と、世界中でもっとも多くの血を流してきたアジアの重要性は変わらず、世界の他の地域から手を引いてもアジアから引くことはないため、今後は世界のどこよりもアジアで紛争が起きる確率が高いというのが先生の見立てだった。

2017年4月15日土曜日

ロゴ

イトーヨーカ堂が店舗の看板に使っているセブン&アイ・ホールディングスの共通マークをやめて昔懐かしい「ハトのマーク」を復活させるという。1972年から使い、買い物客になじみのあったマークに戻してブランド力の強化を図るそうだが、そもそもなぜセブン&アイのセンスのないマークに変えたのかがよくわからない。同じグループ企業とはいえ、スーパーとコンビニは競合こそすれ、ブランディングの面でシナジーはなかろう。そもそもセブンイレブンの見慣れたロゴをiの文字が入ったへんちくりんなロゴに変えた時点でそのセンスを疑っていた。日本航空も大々的なセレモニーまでやってなくした鶴丸のロゴを復活させた。これもきわめてまともな経営判断だったと思う。おそらくはCI(コーポレート・アイデンティティ)などというバズワードを使うコンサル会社か広告代理店にそそのかされて変えてしまったのだろうが、消費者が慣れ親しんでポジティブなイメージを抱いているロゴはB-to-C企業にとって無形の資産であり、それをなくしてしまうのは損失でしかない。ロゴを変えるのは加ト吉(現テーブルマーク)のように不祥事を起こしてイメージを変えたいときにだけにした方がいいだろう。

2017年4月8日土曜日

東芝

証券会社時代同社を担当していた私は企業体質を知らなかったわけではない。ではなぜ退社した後にN証券の人に勧められるままに同社の株を買ってしまったのか。(N証券の体質を知らないわけでもなかった。)ただ、ウェスティングハウスの買収は株を買った後に起き、不正会計問題など予見できなかった。3000億円で買ったブラジルのビール会社を770億円でハイネケンに売却したキリンビールといい、シェールガスで同じく数千億円単位の減損損失を出した日本の大手商社といい、日本企業の高値掴みのババ引きは相変わらずのようだ。そもそもそれほど魅力的な投資対象がアメリカやブラジルにあれば、日本企業より動きが速い欧米の企業がとっくに手をつけているだろう。それをやらなかったのは投資額に見合うリターンが見込めなかったからだ(エネルギー業界の関係者によると欧米の企業は原油価格の下落をとっくの昔に予想していたそうだ)。売れ残りを高く買い、それを適正価格で欧米の企業に売り渡すはめになるおめでたい日本企業だが、気の毒なのはそこで働いている社員たちだ。特にメーカーは一生懸命開発した商品を厳しい競争の中で売ってコツコツと稼ぐわけだが、愚かな経営判断で全社員の何年分もの稼ぎが一夜にして失われたら、どれだけやる気を失うことだろう。

2017年4月1日土曜日

老け役

「あさが来た」が終わってから毎朝NHKの朝ドラを見ることもなくなったが、今週終わったドラマは人気があったようだ。ただ、ストーリーをフォローしていない私がたまに目にすると、若い俳優たちの「老け役」に違和感を感じてしまうばかりだった。髪の毛を白髪にしても肌つやの若さは隠せず、嘘っぽくなるのはしかたないにしても、年寄りっぽい動きや歩き方がどうしてもわざとらしく見えてしまうのだ。NHKの大河ドラマで40過ぎの元トレンディ女優が娘役を演じたときは驚いたが、少なくともベテラン女優は娘時代を経験しているので、昔を思い出してそれらしい演技はできるかもしれない。方や若い俳優は歳をとった経験がないので、想像で演じるしかない。とはいえ年齢によって別の俳優が演じると、それはそれで嘘っぽくなるので、人の人生を扱うドラマは難しい。

2017年3月25日土曜日

忖度

森友問題の異常さに、この国は大丈夫だろうかと心配になる。幼い子供たちが集団で意味もわからず教育勅語を暗唱させられている北朝鮮的光景を見てすばらしいと述べる国会議員の感覚。問題の発覚後、手のひらを返すようにそれまでほめていた相手を批判し始める節操のなさ。そして一国の首相が国会の場で自らの妻が深く関わった一私人を攻撃する異常さ。シロを主張しながら真相の究明を徹底的に妨害し、野党の追及に緊張感のないヤジで応える与党。そしてもっとも国民が憂慮すべきは国有地の大幅値引きに至る経緯を知らないはずがない近畿財務局が学園との交渉記録を破棄するというあからさまな証拠隠滅をし、理財局長が国会の場でシラを切り通して逃げ切れてしまうことだろう。(実際には破棄していない可能性もあり、都合が悪い内容でなければ早々に開示して疑惑を晴らしているだろう。)とても「先進国」と呼べる国のありようではない。それにしても財務省の官僚といえば我が国ではエリート中のエリートだ。国会の場で説得力のない強弁を繰り返す理財局長を見て、トップエリートがこんなことをやっている国に明るい未来はあるのだろうか、と思った。

2017年3月19日日曜日

空港名

機内アナウンスで「出雲縁結び空港」と聞き、独身女性の集客のために空港名(俗称)に「縁結び」をつけたものと想像したのは何年前のことだっただろうか。今では機内誌で国内線の路線図を見ると「たんちょう釧路」、「岩国錦帯橋」、「徳島阿波おどり」、「富士山静岡」など、その土地の観光資源を空港名に入れているところが多いことに気づく。「鳥取砂丘コナン」に至っては欲張って?二つも入れている。「オホーツク紋別」、「宮崎ブーゲンビリア」や「南ぬ島(ぱいぬしま)石垣」はイメージ的にしっくりくるが、中には「のと里山」や「五島つばさ」のように狙っている効果が不明のものや、「富山きときと」のように訪れてほしいであろう他の地域の人には意味がわからないものまである。「対馬やまねこ」などは動物の呼び名そのものだ。また、「おいしい庄内」といわれると何が美味しいのかが知りたくなる。以前、佐賀銀行から佐賀空港に出向した人に、福岡県の有明湾沿岸から集客するために有明をつけて佐賀有明空港としたという話を聞いたが、LCCの国際線が就航した途端、早々に有明を切り捨てて「九州佐賀国際空港」を名乗り始めた現金さ?が面白い。

2017年3月11日土曜日

DNA検査

昨年、留学中にお世話になったアメリカ人の養子に久しぶりに会ってびっくりした。グアテマラ人を母親にもち、赤ん坊の頃は先住民っぽい顔つきをしていたのが、成長してすっかり中東人の顔に変わっていたからだ。DNA検査をしたところ、エジプト人の血が半分入っていることがわかったと聞き、納得した。DNAを調べることでルーツがわかるという話はテレビ番組で聞いてはいたが、それほど手軽に検査ができるようになっているとは知らなかった。私の父は台湾人、妹はシンガポール人と間違われ、私はタイに行くと100%現地の華人と間違われるくらい潮州人の顔つきをしているらしいが、父方は江戸と岡山、母方は北関東と、辿れる範囲では大陸の血は入っていない。DNA検査を受ければ意外な事実がわかるかもしれない。

2017年3月4日土曜日

電力会社

今週ビッグサイトで開催されていた再生可能エネルギー関連のイベントで、スマートメーターの会社の社長と立ち話をした。この社長によると太陽光と風力で家庭で使われる電力はまかないきれるので、蓄電技術が発達し、ご近所で電力を融通し合う仕組みができれば電力会社は必要なくなるという。そうなると電力会社が供給する先は企業のみになり、発電所の数も今よりずっと少なくて済むだろう。しかし既得権益が幅をきかせ、電力会社が全国各地の経済団体の長を務めているような我が国が他国に先だってこうした取り組みを進めるとは思えない。先月は電線の地中化を達成したシンガポールを見て、東京23区内でさえそれができていない日本は果たして先進国と呼べるのだろうかと思ったが、発送電の分野でも他国の後塵を拝することが想像される…。

2017年2月25日土曜日

情報鎖国

シンガポールでイギリスBBCのテレビ番組を見ていると、日本の首相のアメリカ大統領に対する過度な「すりすりぶり」について補佐官が一生懸命釈明している様子が流れた。アメリカ大統領の問題ある言動にモノ申すこともなく、ただ追従する姿勢を示すのは世界的にみればみっともない行為だが、日本では首相の訪米を評価する論調が多いことに驚く。多くの日本人は尖閣の防衛で成果があったと思っているかもしれないが、そもそも当事国から助けを求められているわけでもないのに南シナ海の問題に口出ししたことで尖閣沖の領海侵犯を煽り、それに対応する術もないことを露呈するとともに余計にアメリカに庇護を求めなければならなくなったというのが正しい見方ではないだろうか。成果どころかその見返りに要求される内容によっては国益を損なう恐れがあるだろう。日本のマスメディアから外国情報が消え、ある種の「情報鎖国化」が進んでいるといわれるが、日本人が気づかないところで他国の人々と感覚のずれが生じて国が変な方向に進んでいってしまうのは避けてもらいたい。

2017年2月19日日曜日

食い逃げ

昨年の6月、それまで9年間にわたってパートタイムでやっていた北アイルランドの経済開発機関との契約が終了した。契約関係が終了したのを受け、セミナーの開催等、契約外の業務で発生した超過労働分の精算を求めたところ、発生時に請求がなかったので支払えないとの回答が来た。それまで「現在の契約では支払えないので次の契約で予算を増やすまで待ってほしい」と先延ばしし、さらにその契約を他の業者に与えながら、請求遅れを理由に精算を拒むという悪質さで、仮にもイギリスという先進国(北アイルランドがその中でいかに後進地域であろうとも)のジェトロに当たる機関が公然と『食い逃げ』行為をすることに少なからずショックを受けた。ところが10年以上前にフルタイムでこの組織の仕事をしていた人物によると、彼の在任中も日本人の女性職員を契約に定められた補償金を支払わずに解雇し、この女性が弁護士に依頼して督促状を出してようやく決着したというから完全な「前科者」だ。今回は金額が小さくなく、こちらが裁判にかかるコストを嫌って値引き交渉に応じると思ったらしく、今後この件について誰にも口外しないことを条件に和解交渉することを提案してきた。つまり自分たちが世間に知られては困ることをやっている自覚はあるようだ。こちらはそのような不合理な要求を受け入れる気はなく、値引きする理由もないので、お金は残らなくても裁判で決着をつけて彼らにしっかり恥をかいてもらうつもりだが、たいていの人は多少でもお金を回収できればとこうした不合理な要求でも受け入れてしまうものと想像する。司法は悪を懲らしめるためにあると思いたいが、救いを求めるためのハードルは意外に高いことを知る一件となった。

2017年2月11日土曜日

日本人価格

往復夜行便、現地一泊の弾丸シンガポール出張。夜は現地の企業オーナーの招きで美味しい海鮮料理を食べた後、同国でいちばん高級といわれるカラオケ店のVIPルームに入った。大理石の床に大きなコの字型のソファー、大型スクリーンのカラオケ機にプールテーブルまでついている広い部屋でサイコロ遊びに興じ、罰ゲームでずいぶんとブランデーを飲まされ、いい気分になってホテルに戻ったのは深夜。翌日、現地の日系企業の人にその話をすると、「あそこは一人1000ドル以上とられるので、日本人はとても行かれない」といわれた。いやいや招いてくれた企業経営者は一人350ドルとか400ドルといっていたので、さすがに1000ドルを超えるというのはないはず。シンガポールは高い経済成長で日本などあっという間に追い越し、今や東京以上に物価が高いところになったが、こうした価格があってないような世界で日本人客に対する「特別価格」が残っているのは過去の栄光の名残だろうか。

2017年2月3日金曜日

とばっちり

相変わらずトラブル続きの東京五輪。今度は我がゴルフクラブが女性の正会員を認めていないという理由で突然批判の矢面に立たされた。頼まれて会場を貸すことになったと聞いているので、わけのわからない評論家のおばあちゃんがしゃしゃり出て批判を展開する様に大いに違和感を感じる。女性の正会員を認めるか否かについて強い意見はないが、なぜ1年間もコースを閉鎖して会員に不便をかけ、改造の費用まで負担させておきながら、以前からわかっていたことを今になって問題にするのか。暑くて遠いことだって最初からわかっていたはずだ。この事態を受けて会員の間で女性正会員を認めるべきか否かについてメールが行き交っているが、個人的には頼まれて会場を貸すことになった経緯を明確にするためにも、批判ははねつけてもらいたいと思う。女性の正会員を認めるべきか否かについてはあくまで会員の自発的な議論で決めてもらいたい。

2017年1月29日日曜日

寡占企業

競争のない環境で好き放題やっているように見える大手航空会社。独占路線で高い料金をとって羽田のゲートはいちばん端っこというのは両社ともやっていることだが、伊丹便で遅れることが少ないのに、競争が少ない関空便となると平気で遅れるところにA社の企業体質が垣間見える。さらに羽田の有人カウンターを大幅に減らし、機械でチェックインできない客は長い距離歩かされた上、長時間列に並んで待たされる。競争がない世界ではこうしたことができてしまうのだが、顧客の利便性を損なうコスト削減をここまで露骨にやるのはいかにも品がない。

2017年1月28日土曜日

島国メディア

19年ぶりの「日本出身」横綱の誕生。できればもう少し危なげない相撲で勝ち進んでほしかったが、横綱昇進伝達式でよくわからない四文字熟語を使わずに素直に気持ちを表現したことに好感をもった。それにしても「日本出身」を繰り返す日本のメディアは相変わらずと思う。「日本人」といっていたのを日本に帰化したモンゴル出身力士と区別するためにこのような言い方になったようだが、慣れない異国で頑張っている外国人力士たちはどう思うだろうか。また、世界的に珍しくなくなっている女性の首脳をいちいち「女性初の…」と表現するのも時代遅れ。海外で起きた事件や災害で「日本人の犠牲者は…」ばかりを繰り返すのが国際放送で流れでもしたら日本人のイメージを悪くしかねない。視聴者の多くが日本のメディアを通じてしか外の情報に触れないために違和感なく受け入れてしまうのかもしれないが、こうした体質は「大本営発表」を行っていた戦時下とあまり変わっていないのかもしれない。

2017年1月21日土曜日

W大

K大の滑り止めに‘落ちぶれて’しまったと聞いて久しい我がW大。今度は文科省の組織的天下りの受け皿となっていたと聞き何とも情けない。付属校やら学部やらを増やして規模の拡大を図り、社会人向けの講座で小銭を稼ごうとする。天下りを受け入れるのも補助金などの金銭的な見返りを求めてのことと想像するが、ここまで営利ばかりを追求する組織になってしまったのなら民間企業並みのディシプリンを働かせて経営陣には引責してもらいたい。

2017年1月14日土曜日

オーヴ

島原の乱の戦場となった原城を訪ねる番組で、カメラに映った無数の光体が「オーヴ」と呼ばれるものだと知った。そして昔、ベトナム中部のフエを訪れたときのことを思い出した。当時はまだアナログカメラの時代だったが、王宮で撮った写真に無数の光る物体が映っていたのだ。雨の日だったのではじめは水滴と思ったが、どう見ても水滴の大きさではない。フエがベトナム戦争の激戦地だったことを知ったのはその後だった。10数年前に結婚を機に荻窪で借家住まいを始めた。ほどなくして体が動かなくなる難病を患い、当時の妻がトイレや風呂場の扉が突然勝手に開くと訴えたので部屋の写真を撮ってみるとやたらと大きい光体が映った。引っ越すために荷物の運び出しを行っていると家主がえらい剣幕で怒鳴ってきた。彼はいったい何を隠していたのだろう。そうしたこともあって人に紹介された霊能者に見てもらったところ、私は霊に憑かれやすい体質だといわれた。まったくもって嬉しくない。ちなみに霊など見たこともないし、霊感もないと思っているが、勘のようなものはあるらしく、人通りが多く賑やかな場所なのに気分が高揚しない池袋のサンシャインシティや麻布十番、六本木などはいずれもいわくつきの場所と聞いた。しかしこうした微妙な能力というか勘が実生活上役に立つかは疑問だ。引っ越すときに新居の写真を撮ってオーヴが映らないか、そしてその空間に違和感を感じないかを確認するくらいだろうか。

2017年1月8日日曜日

ふるさと納税

昨年始めた「ふるさと納税」。東京育ちなのでもちろんふるさとなど他になく、お礼の品が目当て。どうせ払う住民税で、枕崎のかつおの腹皮や静岡の生サクラエビなど、これまで地方で食べたり贈り物としてもらった、東京では手に入りづらい美味しい物がお取り寄せ感覚でもらえるのだからいうことはない。東京などの大都市に地方の人が集まると、地方が投資した成果物(育てた人材)を大都市が得る構図になるので、地方交付税以上にそれを還元する仕組みが必要で、そのような意味でふるさと納税は合理的な気がする。さらに企業が納める事業税で潤っている都心の特別区の税収が、それらの企業で働く人たちが住んでいる周辺自治体に還元される仕組みをつくればよりフェアになるだろう。