2014年12月27日土曜日

マッサン

ニッカウヰスキーの創業者竹鶴政孝氏夫妻がモデルの朝ドラ。以前、氏の人生を描いた本を読んだことがあり、ドラマにするのによい題材と思ったが、どうも視聴率がふるわないらしい。ストーリーがあまり面白くないという向きもあるが、もう一つの理由としてニッカウヰスキーの競合のサントリーがPR活動を妨害しているとの記事を読んだ。確かにドラマでは同社がまがい物の酒類を売って成長した歴史が忠実に描かれているし、ドラマの効果でニッカのウィスキーが売れると得をするのは同社の親会社で商売敵のアサヒビールだ。しかしドラマでは鳥井、佐治、寿屋(サントリーの前身)といった実名は一切出てこないし、視聴者が今のサントリーと結びつけることもないだろう。むしろ竹鶴氏が最初にウィスキー造りをした同社の山崎蒸留所のウィスキーのよい宣伝にもなるように思うのだが。

2014年12月20日土曜日

最高裁裁判官国民審査

予想通りの結果となった衆議院選の期日前投票に向かう途中、通知書の封筒を見て初めて最高裁裁判官の国民審査もあることに気づいた。民主主義の基本である一票の重みの平等を否定するような最高裁の判決に疑問をもっていたため、そのような判決に加担した裁判官は容認してはならないと思いつつ、投票所の目の前まで来て、各裁判官のスタンスを調べるためにわざわざ家まで引き返す気にもならなかった。ふと思いついてスマホで「最高裁」「国民審査」とグーグってみると、『最高裁裁判官の国民審査で、一人一票反対派判事(3名)に×印を付けて、一人一票を実現しよう!』なるサイトが上位にあがってきた。そしてそこに掲載されている情報をもとに票を投じた。選挙と違って注目度が低く、今後も国民審査で罷免される裁判官が出て来るとは思えないが、それでもネットの力を使って最高裁の判決に疑問をもつ国民の声を集め、その集票をもって一定のメッセージが伝われば国民審査もあながち無駄なことではなくなるように思う。

2014年12月13日土曜日

政見放送

政見放送で候補者の目線を見ると、一見カメラを見ているように見えて、たいがい左右に動いてカンペを丸読みしているのがわかる。それをごまかすためか、政権与党はあえて候補者を斜めからとらえて目線の動きがわからないように「工夫」している。長い台詞を覚えるのが難しいのだろうが、主張したいことがあるのならカンペなどに頼らずにアドリブでやってほしいものだ。政見放送を見ていてもう一つ思うのが政権与党の巧みさだ。前政権が国民の信を問わずに消費増税を決めたことを批判し、そのことに多くの国民が共感して政権交代を達成したわけだが、国会議員の定数削減という自身の公約はまったく守られていないし、守る気も感じられない。そして政見放送でその問題に言及する与党候補は見当たらず、皆「景気は回復しつつある」、「景気回復の恩恵を地方に」、「この道しかない」などと国民の最大の関心事である経済政策一本にしぼって、巧みに関心をそらしている。また、国民の年金を大量に株につぎ込んでいることには触れず、景気の回復で株価が上がっているような錯覚を与えている。こうしたある種の「悪賢さ」がないと選挙には勝てないのが世の現実のようだ。

2014年12月6日土曜日

アベノミクス

NHKのニュース番組でアベノミクスについて語っていたW大の教授と国立H大の教授。前者は肯定的、後者は否定的であったが、実質所得の減少が消費を低迷させ、経済の縮小を生んでいるというH大の教授の的を得た分析に対し、円安が進めば製造業が国内に回帰するなどと語るW大の教授の見識のなさに驚いた。日本の多国籍企業の多くは過去の輸出モデルから「地産地消」型への転換を目指して市場の拡大が見込まれる海外に出ていっているわけで、円安になったからといって市場が縮小することがわかっている我が国に製造拠点を戻すはずなどない。政府が取るべき対策についてもH大の教授が規制緩和のみと述べたのに対してW大の教授は低所得者層への現金支給などとわけのわからないことをいう始末。W大の凋落ぶりは教授の質にも表れているのか。今月の総選挙は来年が大変な年になることを暗示しているように思える。アベノミクスがうまくいき、来年政権の支持率が上がることが見込まれれば何も今選挙をやる必要などない。今の経済政策に疑問をもっていても、野党に投票するまでの決断がつかない人が多いことを見透かした解散と思われるが、このあたりは政治巧者といえよう。低投票率の中で低得票の与党が安定多数を確保するという結果が容易に予想される。