2017年11月26日日曜日

育毛

「ずいぶん髪の毛が濃くなったね。」まさかこの歳になって甥っ子にいわれるとは思わなかった。シャンプーが抜け毛のもとと聞いてやめてから3年余り経つが、目に見えて毛が濃くなってきたのはここ1年くらいだろうか。この間にやってきたことといえばシャワーを浴びる際の頭皮マッサージと(市販の精製品ではない)オリーブオイルを使った整髪。古代からのオリーブ生産国であるエジプトでは乾燥した気候もあってオリーブオイルを体に塗る人がいて、スエズ運河沿いの町イスマイリアでは毎日頭皮に塗っているというレストラン経営者に会った。彼は髪の毛が黒々としていたが、オリーブオイルを使っていない兄弟全員髪の毛が無いとのことだった。また、友人の知り合いはストレスが原因の円形脱毛症になり、毎日すりつぶしたニンニクを混ぜたオリーブオイルを頭皮にすりこんで治したそうだ。抜け毛の原因となるシャンプーで洗い流せないので、しばらく仕事は休んだそうだが。エジプトのオリーブ生産農家からもオリーブオイルの育毛効果について聞いていたが、私が整髪料代わりに使い始めたのはズボラな性格なので顔と頭の両方にいっぺんに塗るのが習慣になっただけ。それが効果をあげたのであれば、まさにタナボタだ。

2017年11月19日日曜日

修学旅行

先月ラスベガスで起きた銃乱射事件のニュースで、当地に修学旅行に行っていた日本の高校生たちがいることを知った。こうした機会でもないと海外に行く機会もない子が多いものと想像するが、グアムだのラスベガスだのといわれると「修学」とは程遠く、学校の行事としてやる意味が見いだせない。アメリカに行くのであればせめて独立戦争の舞台となったボストンとか日本人移民の上陸地だったタコマ、あるいは戦時中に日系人が強制収容されたアリゾナ州などの砂漠地帯にでもしないと学ぶことは何もないだろう。そうでないにしても姉妹都市を訪ねて現地の高校生と交流するのならまだわかる。ちなみに日系人の強制収容のきっかけをつくったルーズベルト大統領は大の親中・反日派だったといわれるが、そうではないはずの今のアメリカ大統領も、一生懸命ゴルフ接待をする我が国の首相がバンカーに打ち込み、追いつこうと慌ててコケても振り返りもせず先を行ってしまった一方で、中国の国家主席と会ったとたん、それまで「子どもの口げんか」を繰り返していた彼の国の独裁者と友だちになりたいなどといい出すくらいなので、どちらが重要視され、影響力をもっているかは明らか。韓国とも足並みがそろわない我が国は、いずれ梯子を外されてしまうかもしれない。グアムやラスベガスへの修学旅行では、我が国が置かれたこうした世界の現実を知るきっかけとなることもないだろう。

2017年11月11日土曜日

情報鎖国

世界中の冷ややかな視線が注がれた我が国首相の米国大統領父娘に対する捨て身?の接待。ロシア大統領の温泉接待で待ちぼうけを食わされた上に領土問題で国益を損ねたことを思い起こさせる。日本が最初の訪問国になったとか(地理的に見れば当たり前)、食事のメニューがどうのとか、日本のメディアのあまりに脳天気な報道ぶりにも呆れる。お蔭で日本語のニュースだけ読んだり聞いたりしていては、米国の現大統領がいかに世界中で問題視されているかが十分に伝わってこないし、そんな人物とその娘に国のトップが必死に媚を売ることがどれだけ恥ずかしいことなのかも伝わらない。大統領の娘が「アベノミクスはウーマノミクス」と誰もが首をかしげる講演をした国際会議も、世界中のメディアが空席だらけだったことを報じているのに、日本のテレビは空席が映らないように工夫して撮影しているのだから、真実を伝えるべきマスコミのあるべき姿とは正反対だ。(どうせ媚を売るなら彼女に恥をかかせないようにサクラを仕込んでおくべきで、何ともお粗末。)一方で、日本の首相がどれだけ恥ずかしいことをやってもアメリカではさほど注目されないという面もある。というのも日本の相対的重要度が下がっていることに加えて、今回のアジア歴訪の目玉は30人のアメリカの大手企業のトップが同行した中国だからだ。貿易不均衡を問題視されていることを百も承知の彼の国は大国の風格をもって迎え、2500億ドルを超える契約という手土産を持たせて帰した。ゴルフだのハンバーガーだのピコ太郎だので機嫌を取ろうとする国がアホに見えてしまう。何年か前に中東を旅したときに、湾岸戦争でただひたすらアメリカに追従したことで親日だった当地の人々の心が離れてしまったことを感じた。東南アジアに行けば中国や韓国の陰に隠れて日本のプレゼンスがますます小さくなっていることを感じる。日本のマスコミはもっと真実をしっかりと伝えて我が国の世界的地位が低下の一途をたどっていることや、ジャイアン、もといアメリカに付き従うだけの「スネ夫外交」がもたらす負の影響も国民に知らしめるべきだろう。

2017年11月4日土曜日

阿漕

年に一度のワインパーティーが唯一の活動の任意団体。減るはずのない銀行口座の残高が減っているので何事かと思い通帳に記帳したところ、モバイルバンキングの利用手数料が引き落とされていた。ほとんど記帳もしないので、何か月も引き落とされていたのに気づかなかったのだ。通帳を管理していた元同僚に聞いたところ、何年か前にモバイルバンキングに申し込んだとのこと。しかし手数料の引き落としが始まったのは最近のこと。口座のある青いメガバンクに尋ねたところ、申し込んだときは無料だったのがその後有料になり引き落としが始まったとの説明。途中から勝手に有料されても困るというと、有料になる旨を伝えるDMが戻ってきていないので手元に届いて了承されたものと見なしたという。どれほどの人がDMに目を通すかと考えればまったく説得力がない。個人口座でも同じことをやっているのかと聞くとやっていないというから、一般の個人客に同じことをやったら抗議が殺到することをわかった上で任意団体のみを標的にしたわけで、そこもまた狡賢い。以前、緑のメガバンクのOBに「昔は手数料を上げようとすると社会党の“おばちゃん”議員が文句をいってきたので上げづらかったが、今は誰も文句をいわないのでやりたい放題」といっていたのを思い出した…。