2018年8月25日土曜日

甲子園

今年の夏の甲子園は秋田の県立高校の活躍で久しぶりに興味がわいたが、最後は他県から選手を集め、交代要員も潤沢な私立高校に負け、やはり高校野球はつまらないという思いが残った。秋田の高校が「県内出身者のみで構成されたチーム」として話題になったが、そもそも高校野球とはそういうものではなかったのだろうか。他県から選手を集めてプロを目指させるセミプロ集団と地元の野球好きの子が集まるふつうのチームを同じ土俵で対戦させるのがフェアなのか。10年以上前に高知の飲み屋のおばちゃんが甲子園に出ている地元の高校について「高知の子が一人でもいたら応援する気になるんだけど」といっていたのを思い出すが、地域代表を名乗るのであれば、せめてプロ野球の外国人選手枠並みに他県からの「野球留学生」を制限すべきだろう。

2018年8月19日日曜日

ポツダム宣言

ポツダム宣言について取り上げた池上彰氏のテレビ番組は実に興味深かった。日本で教育を受けているとポツダム会談のおもな議題が欧州の戦後処理だったことや、ソ連が参戦して日本に攻撃を加えるという密約を米英と交わし、欧州に派遣されていた日本陸軍の大使館員(諜報員)がその情報を得て本部に報告していたにもかかわらず、本部がこれを無視した事実を知ることはないだろう。当時の日本政府はポツダム宣言の趣旨を正確に理解しなかったばかりか、中立条約を破棄する意図を知られないように署名しなかっただけのソ連が米英との間を仲介してくれると思い、回答をしない間に広島と長崎に原爆が落とされ、ソ連が満州に侵攻した。指導部がまともな判断ができていたらどれだけの人の命が救われただろうか。ただでさえ「世間知らず」になりがちな島国だが、あれから73年、日本は外交面で少しはまともになっているのだろうか。対ロ政策含め、ことごとく失敗しているとしか思えない現政権を見ると何とも心もとない。

2018年8月11日土曜日

日航機事故

毎年御巣鷹の事故の日が近づくと全面的に責任を引き受けるかのような行動に出る日本航空。しかしあの惨事の原因はボーイング社による圧力隔壁の修理ミスではなかったのか。アメリカ政府を後ろ盾に航空業界で強大な権力を握ってきたボーイング社に対する日本国挙げての気遣いがあるとしたら、事故の犠牲者はうかばれない。数年前、日本航空がボーイング社の大型旅客機「B777」の後継機種として欧州エアバス社の最新機種を選んだことに少し安堵した。航空機の安全を守るべき監督官庁の役人がボーイング社からもらったと思しきロゴ入りのネックストラップにIDカードを入れて仕事をしているくらいの「ずぶずぶ」ぶりだが、いくら我が国がアメリカの準属国であったとしても、あれほどの事故を起こしたメーカーから航空機を買い続けるのはいかがなものかと思っていた。日本航空がエアバスへの乗り換えを決めたのは5年前のオバマ政権の時代のこと。これが今のアメリカ大統領になってからだとしたら、国を挙げての忖度が働いて別の判断になっていたかもしれない。

2018年8月4日土曜日

東アジア情勢

産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏の東アジア情勢に関する講演は実に興味深かった。毎日新聞20年、産経新聞20年という異色のキャリアをもち、アメリカの政権の内情にも通じている。何となく想像はついていたが、かの国の独裁者がそれまでの態度を一変させ、アメリカとの首脳会談を切望したのは、アメリカが『限定的手段』と呼ぶ、いわゆる斬首作戦を本当にやりかねないとビビったからとのこと。それで人質として取られていたアメリカ人を解放させ、朝鮮戦争で亡くなった米兵の遺骨を返還させたのだから、「最大限の圧力」と何とかの一つ覚えのように言い続けている間に完全に蚊帳の外に置かれてしまった我が国の首相とは対照的だ(さすがにピタッと言わなくなったが)。中国に対する姿勢も歴代の大統領の融和政策が明らかに失敗したとの認識からだそうだが、実際に行動に移すところも威勢のいいことをいうだけのポピュリスト首相とは対照的だ。ちなみに我が国のメディアは尖閣周辺の領海を繰り返し侵犯している中国の船を「公船」と呼んでいるが、実は戦闘能力がある立派な武装船だそうで、武力で一気に島を乗っ取るかはわからないものの、侵犯されても成すすべのない日本の施政権下にはないと宣言するのは時間の問題とのこと。日本を取り巻く国際環境は非常に厳しいものがあるという言葉が重く響いた。