2013年11月30日土曜日

神田

千代田区の三崎町と猿楽町の住所表示に、かつて冠していた「神田」をつけるかどうかが議論になっていると聞き、内神田で寿司屋をやっている親戚から聞いた話を思い出した。神田はもともと今よりも多くの町名が存在していたが、郵便の効率化のために内神田、外神田といった住所表示に変えることに同意した町と、それを拒否して旧町名が残ったところがあるということだった。内神田になったところも隔年で行われる神田祭では昔の町ごとに神輿が出る(うちの親戚が住んでいるところは確か旭町)。区内には「神田神保町」や「神田小川町」など神田のついた町名が残るので、自分たちも神田ブランドの恩恵に預かりたいということのようだが、三崎町と猿楽町はいずれも戦後まで神田はついていなかったというし、猿楽町などは元々神社に供える供物を作る田畑の意味の『神田』とは相いれない武家屋敷だったそうだ。今回もめているのはかつて町名の廃止に反対した町の人たちで、住民の気質が当時のまま受け継がれていると思うと面白い。ただ、子どもの頃から神田に慣れ親しんでいる私の感覚からいうと、失礼ながらそもそもそれほどブランド力がある地名とは思えず、住所表示に神田をつけたからといって実質的に何も変わらない気がする。

2013年11月24日日曜日

公共工事

商用で筑豊の直方に行くようになってから2年近くが経つだろうか。JR直方駅前の一角に工事用のフェンスが立てられているのをはじめて見たのは去年のことだった。建物を建てているわけでもなく、囲いの中から工事をしている音が聞こえるわけでもなく、1年以上が過ぎた。今週何カ月ぶりかで直方を訪れ、さすがにフェンスは外れているだろうと思ったら、まだ残っていた。地元のタクシー運転手の話では、当地に高速道路を通すのにも20年以上の歳月がかかったという。サラリーマン時代に友人が、地元の三陸の町を天皇皇后両陛下が訪問されることになった途端、いつもはてれてれやっている工事が突然急ピッチで進んだという話を聞いたことがあるが、工期を延ばすことで収入を得られているのだとすればインセンティブの与え方が間違っているだろう。国も地方も財政がひっ迫する中、もっと生産的な労働にお金が使われるような方法はないものかと思う。

2013年11月16日土曜日

上海

久しぶりの上海。今年の夏は40度を超える暑さだったと聞くが、今は涼しくて気持ちがいい。政府系の仕事に関わるようになった10年前は、アジア地域の集まりといえば東京で行うのが定番だったが、今は完全に中国にお株を奪われてしまった。こうしたことがないと積極的に中国に行くことのない私にとっては、行く度に変わる北京や上海の様子を見る、ある意味貴重な機会にはなっている。商用で来るとたいていいいホテルをとってくれるのでそこは何の不満もないのだが、そうしたホテルで食事をしていてもだんだんと胃が固くなっていくのを感じる。果物は水っぽくて味が薄く、ソーセージも何の肉を使っているのだろうという味がするから、考えだしたらきりがない。日本で問題になった食材偽装は甚だけしからん話だが、中国だと安全でさえあればいいという気になってしまう…。

2013年11月8日金曜日

うなぎ

埼玉の取引先にいかにも高そうな老舗の鰻屋に招待してもらったとき、重箱の中にご飯の量に比してかなり貧弱な鰻が3枚入っているのを見て、鰻が高価な食材になってしまったことを実感した。勘定のときに社長が4人分のランチ代として店員さんに1万円札を2枚渡そうとしたところ、それでは足りないとわかり、ますます驚いた。その後大阪の取引先に博労町にある老舗の鰻屋に連れて行ってもらった。こちらは庶民的な雰囲気の店だったが、ふつうサイズの鰻がのったランチで2,000円。しかも埼玉の高級店のものよりも香ばしく肉厚で美味しかった。関東で食べる鰻と食感が違うのは、大阪では鰻を蒸さずに焼くからとのこと。不思議なもので、値段が高くなると以前にも増して食べたくなるが、これで大阪に行く楽しみが一つ増えた。

2013年11月1日金曜日

景気

景気の回復が実感できないという話をよく耳にする。私もビジネス面、私生活面とも実感することはないが、昨年から確実に変わっていると感じるのがホテルの稼働率と宿泊費だ。西日本への出張が多いが、昨年まで間際でも問題なくとれていた予約が満室でとれなかったり、稼働率の高さを反映してか、宿泊料が昨年より明らかに高くなっていると感じる。いつもぎりぎりで旅程を確定する私にとってはあまり有難い話ではない。これが経済活動の活発化を示唆し、わが社の増収につながるようであればいいのだが、それがないと景気の回復が実感できないばかりか、逆にマイナスである…。