2013年6月28日金曜日

リサイクルトナー

安物買いの銭失いとはよくいったものだ。お気に入りのNECのレーザープリンターのトナー代を節約するために、ネットのショッピングサイトで売られているリサイクルトナーなるものを使っていたら印刷がシミになり、ローラーが汚れ、しまいには機械が紙詰まりを起こして印刷ができなくなった。メーカーに問い合わせると修理には数万円かかるといわれたが、それでは新しいプリンター買った方がまし。というわけで、買って一年足らずでまた同じモデルのプリンターを新たに買うことになった。リサイクルトナーは値段が純正のものの半分以下だが、明らかに消費が激しく、ネットで謳っている枚数は印刷できない。つまりは純正品に比べてそれほどお得ではない。さらに機械が故障して買い替えなければならないようだとかえって割高になる。こんなことになるなら変なところでケチらず、ずっと純正品を使い続けていればよかった。それにしても大手ショッピングサイトがよくこんないい加減なものを売るものである。商品のレビューには安くてよいといった肯定的なコメントがある一方で、私と同じような経験をしたというコメントは載っていなかったが、このような経験をしているのが私だけとは到底思えない…。

2013年6月22日土曜日

ワールドWave

NHKの「ワールドWave」なる番組で仕事上よく知る北アイルランドが取り上げられることになり、見てみた。NHKの番組表に「今も暴力犯罪が多発する」と書いてあった時点でイヤな予感がしていたが、案の定、15年前に終結した紛争が今も続いているかのような不正確な報道内容にがっかりした。北アイルランドは先進国の中で日本に次ぐ犯罪の発生率の低さで、暴力犯罪もイギリスの中でもっとも少ない。また、番組では紛争時代の遺産である、市内数か所に残る高い壁を映し出して、まだ暴力抑止の役割を果たしているかのようなことをいっていたが、実際に当地を訪れたことがある人であれば、そうした壁も今やダブルデッカー(2階建てバス)の観光コースになっていることを知っているはずだ。奇しくもこの番組が放送された数日後に、イギリスのキャメロン首相と北アイルランドのロビンソン首席大臣がこうした壁を順次撤去していくことで合意したと報じられ、NHKの報道のいい加減さが露呈した。私が知る北アイルランドの政府関係者がこの番組の取材を受けたが、当地が今やイギリスの中でももっとも外資の誘致に成功しているとか、日系企業の雇用数だけでも3千人にのぼるといったポジティブな情報は一切カットされていた。ネガティブなストーリーに仕立て上げた方が報道番組として関心を引くという計算が働いたのか、それともろくな取材もせずにいい加減な思い込みに至ってしまったのか、どちらにしても報道機関としてあるまじきこと。今回は私が身をもってわかっている内容だったからその不正確さに気づいたものの、一事が万事、このようなクオリティの取材・報道内容だとすれば、NHKの報道番組自体を信頼を置いて見ることができない。

2013年6月16日日曜日

腹皮焼き

初めて鹿児島県の枕崎を訪れたのはもう10年近く前になるだろうか。漁港の近くの食堂で「腹皮焼き」なる聞きなれないメニューを見つけ、注文したところ、脂がのっていて実に美味だった。後で調べてみると文字通り当地名産の鰹の腹の部分を焼いたもので、マグロでいえばトロにあたるという(腹周りに脂がのっているのは私も同じ…)。これほど美味しいものなら鹿児島のどこでも食べられるのかと思いきや、実は鹿児島市内で置いている店がなかなか見つからない。今回も宿泊先のホテルで調べてもらったが、やはり置いている店が見つからなかった。しかし季節によっては生の腹皮を置いているという情報を手がかりに中央駅近くの市場に行ってみたところ、何とあっけなく見つかった。しかも弁当が200円…。イートインできる場所があったので、さっそく食べてみたが、枕崎で食べたものには鮮度で及ばないものの、なかなかの美味しさだった。これで鹿児島に来る楽しみが一つ増えた。

2013年6月8日土曜日

気象予報

梅雨とは思えない天気が続いた今週。そもそもなぜ梅雨入りなど宣言するのか不思議に思っていたところ、テレビで気象庁の担当者が「梅雨の時期は災害が多く発生するので注意を喚起するため」とやや説得力にかける説明をしているのを見た。長年日本に住んでいる大半の国民はこの時期に雨が多いことくらいわかっているし、注意喚起はその危険が現実的になったときにしてもらわないと、何週間も警戒感をもって生活することなどできない。気象庁でもう一つ不思議なのが長期予報。梅雨入りは向こう1週間の予報で雨の日が多いときに判断するというが、それが相当な確率で外れ、今回のようなことになっているというのに、どうやってそれよりも長い期間の予想ができるというのか。当る確率が高くない「暖冬」や「猛暑」の予報には何の意味もないだろう。気象庁は、天気予報が外れると苦情が来るので、悪目に予報を出すと聞いたことがあるが、翌日の天気でさえそのような状況であれば、その先は「わからない」といってしまった方がまだましな気がする。

2013年6月1日土曜日

外れ馬券裁判

外れ馬券裁判のニュースを聞いて、研究成果から得られた特許収入の支払いを求めて自らが勤めていた会社を相手に裁判を起こしたエンジニアのことを思い出した。ギャンブルは当たることもあれば当らないこともある確率のゲームで、10回に1回大当たりするとすれば、残り9回分の外れ馬券を買った代金は1回大当たりするための費用と見なすのが妥当だろう。企業の研究開発も同様で、すべての開発活動が成功して商品化に結びつき、企業の収益に寄与するのであればともかく、10回に1回しかリターンが得られないのであれば、残り9つの研究開発活動にかけた費用は1回の成功を得るための費用と見なすべきで、1回の成功からあがる収益をそっくりそのまま開発者に還元してしまっては、企業は立ちいかなくなる。今回は被告が勝訴したが、競馬を生業としていようがいまいが、同じロジックが適用されるべきで、どうしてこうしたことに疑問が呈されるのか、むしろ不思議な気がした。