2019年2月23日土曜日

羞恥心

来年の大統領選挙に名乗りをあげた女性候補を揶揄するツイートを行ったアメリカ大統領。同じ日のニュースで自党の過去の失策の数々を棚に上げて3年しか与党の座になかった野党を口汚く罵る我が国の総理大臣の姿を見て、こんな人たちが国家のトップに立つ世の中っていったいどうなのだろうかと思った。その程度のことには慣れてしまった私も、我が国の総理大臣が「日本国民を代表して」世界中で問題視されているアメリカ大統領をノーベル賞に推薦する手紙を送ったというニュースには開いた口がふさがらなかった。国会の場で否定しなかったのでやったことは間違いないだろうが、韓国の大統領でさえ恥ずかしくてやらないことを堂々とやってのける厚顔無恥さにただただ驚く。さらに野党側の(少なくとも世界の大半の人々から見れば)きわめてまっとうな追及に対して「日本の唯一の同盟国」の大統領に失礼だと逆切れする姿を見て、人並外れた羞恥心のなさが彼の政治家としての大きな強みであることを改めて認識させられた。ただ、今回ばかりは我々日本国民をその恥知らずさに巻き込み、世界的に恥をかかせているのだから笑えない。

2019年2月17日日曜日

二重国籍

テニスの四大大会を連覇した大坂なおみ選手。全米オープンの表彰式で無礼千万なニューヨークの聴衆に対してとった言動はいかにも日本人的で母親の影響を強く感じさせた。とはいえ生まれたのが日本でも育ったのがアメリカなので、ふつうに考えればアメリカ人。日本代表としてプレイしてくれていることは我が国にとっては儲けものだが、そんな彼女が国籍選択の期限となる22歳になったときに日本国籍を選ぶ保証などない。彼女のアイデンティティを否定するかのように肌を白く描く漫画家がいたり、そのことに対する彼女のコメントを歪曲して伝えるマスコミがいる国に嫌気がさしたとしても不思議ではないだろう。日本を見限ってアメリカに帰化した学者までもノーベル賞を受賞したとたん日本人扱いしたり、「日本人力士」を「日本出身力士」と言い換えて日本に帰化したモンゴル人力士を差別したりする排他的でご都合主義な国の国籍制度を変えて二重国籍を認めさせるためには大阪選手の存在がいいきっかけになるかもしれない。

2019年2月9日土曜日

統計不正

天下り先の利益保護のためにさまざまな参入障壁を築いてきた厚労省。国民の無知につけこんで中小企業では取得が難しい特定保健用食品(トクホ)制度なるものを作ってさらに大企業保護に走ったかと思ったら今度は日本の行政を根幹から揺るがす統計不正の発覚。ここまで堕落した政府機関がある国を先進国と呼べるだろうか。しかしこの問題もいかに国にとってマイナスであっても現政権には好都合なので、財務省の公文書改ざん問題と同様にうやむやにされ、多くの国民が忘れ去ることだろう。人としての質が低い人間が上に立つとここまで国の体制全体が劣化してしまうのか、それとも勉強ができただけで志が低い者が役人になっているのが原因か(あるいは両者の「相乗効果」か)。彼らが作ってきた様々な不合理な規制を撤廃し、先端の医療機器や医薬品、質の高い化粧品や石鹸が自由に輸入できるようになったらどれほど国民の生活が豊かになるだろうか。民間並みのリストラをやってもらいたい筆頭の省だ。

2019年2月2日土曜日

核抑止

難しい隣人たちに囲まれたわが国。最近は隣の半島国家にもばかにされるようになり、アジアにおける地位低下も著しい。ロシアや北朝鮮のようにさしたる経済力もない国が、我が国が追随するのみのアメリカと対等に渡り合えているのは大量破壊兵器を有しているからにほかならない。凶器で人を脅しているようなものだが、これが世界の現実。現政権が本気で領土問題を解決したいと思うなら、少々クレイジーな人物がアメリカの大統領である間に国民を説得して非核三原則を凍結し、核兵器の持ち込みを許すべきだろう。日本が甘く見られるのは世論がそれを許さないことを見透かされているからなのだから。ここまでやって(あるいはそういうそぶりを見せて)ようやく日本にも発言力ができ、実のある領土交渉のみならず、核保有国と核廃絶の議論もできる。隣国の「良心」に訴えることで核兵器がなくなるわけではない。そうしたわかりきったことをいうリスクさえ冒さない人物に領土問題など解決できるはずがないだろう。