2013年12月28日土曜日

靖国

この問題が報じられる度に思う。国と国との関係では日本が加害者であったとしても、一般国民の大半は自分たちの意思に関係なく戦争に引きずり込まれた被害者。靖国に祀られている人々の多くもそうだろう。では、いわゆる戦犯と呼ばれる人たちの中にそのような不幸な戦争を引き起こした責任者がいたのかいなかったのか。いたとすれば、そうした人と「合祀」されることを大多数の罪のない被害者が良しとするだろうか。英霊に敬意を表するのであれば、東京裁判の是非とは別に、こうした視点からそのあり方を考えるべきではないだろうか。

2013年12月21日土曜日

都知事

過去最高得票に得意満面の笑みを浮かべた都知事の姿を見て「この人は本当に我々が思うような人なのだろうか」とかすかな疑念を抱いたのが一年前。オリンピック招致の際、我が国にとって貴重な友好国との関係を損ないかねないイスラム教徒に関する発言をしたことで、その疑念が確信に変わった。それにしても都民の高い支持を得て政権基盤も盤石と思われた知事が、当選からわずか一年後に与党からも見放されて「四面楚歌」に陥り、額に汗し、しどろもどろになりながら説得力のない答弁を繰り返すことになろうとは、都民の誰も想像しえなかっただろう。報酬返上で切り抜けるなど到底無理な話で、もっと早く辞任していたら、ここまで傷口は深くならなかっただろうにと思う。頭脳明晰でも、そうした判断力には欠けていたのか、それともどうしても続けたい理由があったのか…。

2013年12月15日日曜日

過剰警備

今月初めのある夜、乗っていた車が首相官邸の前に差しかかると信号が赤に変わり、いつまでたっても青にならない。しばらくすると官邸のゲートが開き、黒塗りの大型バンのようなまったく同じ車が次から次へと出てきた。それを見た運転手がいずれも防弾車だといい、ようやく来日中のアメリカのバイデン副大統領を乗せた車列であることに気づいた。その直後、首相の一行を乗せていると思しきリムジンが3台、猛スピードで出てきた(明らかにスピード違反)。その後アメリカの大統領や副大統領が外国を訪問するときにはこうした防弾車を輸送機で運ぶのだと聞いたが、同じ日の夜に東京で行われた欧州某国の首相のレセプションでは荷物検査もなく、首相のまわりをSPが囲んでいることもなかったのは実に対照的だった。仕事で必要があるときのみ訪れる米国大使館の警備も半端でなく、皆に好かれる国であればここまでやらなくてもすむだろうに、と思う。

2013年12月8日日曜日

産地偽装

伊勢えびの需要の増加で価格が上がっているという話を聞き、価格を左右するほど多くの業者がロブスターを使っていた事実に驚いた。確かに結婚式などで出される加熱調理され、グラタン状になった「伊勢えび」がたとえロブスターであったとしても区別がつかない。本物の伊勢えびを食べたければ、やはり産地に行って生のものを食べるに限るだろう。しかし実は産地偽装というのは以前から横行している。オリーブ業界でよく知られているのがイタリアでは国内の消費をまかなう以上のオリーブが採れないことだ。ではなぜ日本全国津々浦々に「イタリア産」オリーブオイルが流通しているのか。それはチュニジアやトルコ産のオリーブやオリーブ以外の種を使ったり混ぜてたりしているからだ。しかし原料が何で、それがどこから来ていようと、イタリアで瓶詰めをされて出荷されてしまうと確かめようもない。イタリア産というだけで喜んで買う人たちがいる限り、こうした産地偽装はなくならないだろう。