2015年1月31日土曜日

中東

アラブ諸国を歴訪して経済支援の大盤振る舞いをしたかと思ったら、イスラエルで首相とニコニコ顔の握手。こんなことをやって何の効果があるのだろうかと思っていたところに発生した人質危機。石油の確保のための最低限の外交は必要だろうが、黙っていれば絡まずに済む領域にまでわざわざ踏み込んで下手に過激派を刺激したのだとすれば、外遊は明らかに失敗だったといえよう。大手商社に勤める友人からリビアに長期出張していたとき、前日までふつうに生活していた外国人が突然姿を消したと思ったら政変が起き、日本人だけ取り残されたという話を聞いた。今回の人質危機でも情報収集すら自力でできないお粗末さが露呈したが、そもそも国民を守る実力がない国が「テロに屈しない」等と威勢のいいことだけいっても国民を更なる危険に晒すだけで、こうした国が中東という厄介な地域に関わるには慎重であるべきだろう。

2015年1月24日土曜日

Awesome

長年日本に住んでいるアメリカ人のジャクソンさん。勤めているホテルの営業で、たいした客でもないうちにわざわざ手土産を持って来てくださる。たまにはお返しをと思い、お昼にお招きし、初めてゆっくり話をする機会を得た。氏はアメリカのインディアナ州で生まれ育ち、大学生のときに来日。上智大学に通い、そのまま日本に残ったため、もはやこちらに住んでいる年数の方がよほど長くなっている。そんな氏が里帰りをすると、若い親戚から英語が“オールドファッション”だといわれてしまうそうだ。また、今やアメリカ人がしょっちゅう口にするようになった"awesome"(すばらしい)という表現は氏がアメリカにいた頃(おそらく1970年代まで)は使われていなかったという。いわれてみれば私が高校時代に留学していた1980年代は"great"とはいっても"awesome"などという人はいなかった。すっかりアメリカから足が遠のいてしまった私が話す言葉も今の若いアメリカ人にはオールドファッションに聞こえてしまうのだろうか。ジャクソンさんの話を聞いて少し気になった。

2015年1月17日土曜日

以心伝心?

週末はほとんどかかってくることがない携帯が鳴り、液晶画面を見ると「北九州」と表示されていた。今月商用で当地を訪ねることになっているが、週末に電話をかけてくる相手など思い当たらない。電話をとると幼馴染のK君からだった。長期の休暇をとって一人九州の実家に戻っているとのこと。そしてふと私がよく出張で福岡に来ていることを思い出して電話をしてきたのだという。よく行くといっても年に数回のことで、私が行くタイミングで電話がかかってきたことに驚いた。また、今回はいつもになく余裕のある出張スケジュールで、且つ福岡から北九州に移動するときに彼の実家がある町を通ることになっていた偶然にも驚いた。思えば彼が前回突然電話をしてきたのは昨年の夏で、このときもたまたま私の予定が空いているタイミングで青森に住む幼馴染に会いがてらなぶた祭を見に行こうと誘われた。こうした絶妙のタイミングで連絡をして来る彼は実に不思議な存在だ。彼との電話を切った後、ふと思い立って翌週に出張する松江の知人にお茶をしないかとメールしたところ、その直後にその知人を紹介してくれた松江の別の知人からメールがあって、またまた驚かされた。これが以心伝心というものか。

2015年1月11日日曜日

リニア新幹線

リニア新幹線が名古屋から大阪まで延伸されるのが2045年と聞き、ずいぶんのんびりしたことをいっているなと思った。建設費云々は、採算の目処が立てば何とかなるはずなのに東京・名古屋間よりも20年近く遅らせるなど、大阪を競合上不利にしかねない。そんな折、名古屋に駐在したことがある大阪出身の人に営業成績がさんざんだったという話を聞いた。初めて訪ねた先にどこの出身か聞かれ、「大阪」と答えると「こちらに親戚でも」と聞かれ、「いません」と答えるとそこで会話も営業も終了したという。名古屋でそのような経験をするのは大阪出身の人だけで、同じ3大都市圏といわれる当地に強烈なライバル意識をもっていると感じたそうだ。名古屋でも若い世代の人たちはそうしたこともなくなっているというが、JR東海の幹部はおそらく前の世代の人たちで、それゆえにリニア延伸に消極的なのかと勘ぐってしまう。それにしても東海道新幹線がJR東海の経営下にあるからといって、リニアまで大阪までの全線をJR東海にやらせる必要があるのだろうか。名古屋以西をJR西にやらせれば開業時期も早まるような気もするが。

2015年1月3日土曜日

おもてなし

「おもてなし」を売りにする我々日本人が実際にはおもてなしができたいないという記事を読み、我が意を得たりと思った。長旅で疲れている外国人を所定の時間までチェックインさせないというのがその最たる例で、それは外国人に対してだけではなく、我々日本人に対しても同様だ。岡山駅前にある大手航空会社系のホテルでも、広島駅に隣接するJR西日本が経営するホテルでも、さらにその向かいにある米系の大手ホテルでも早く到着しても荷物を預けることしかできない。松江に至ってはアーリーチェックイン(所定の時間の前にチェックインする)ができるホテルというのがいくつかあって、それらはすべてその分の追加料金を徴収するという有様。掃除が済んだ部屋にお客を通してもホテル側に何ら損失はないはずだし、現に外国のホテルでそれをやっていないところを見たことがない。なぜこうした「おもてなし」に反することが日本でだけ起きるかと想像すると、マニュアルにないからだと想像する。日本人はマニュアル通りに事を行うのが得意だが、それを忠実に守ろうとする余り、融通が利かない。ただ、うちが海外からの来客を泊めている東京のホテルでは部屋が空いていればチェックインさせており、外国人が多いホテルであればこうしたことがちゃんとできているのだ。「おもてなし」を謳い、海外の観光客を誘致したいのであれば、顧客本位の臨機応変さが必要だろう。