2019年8月27日火曜日

ビアリッツ

G7サミットがフランス南部の景勝地ビアリッツで開催されたというニュースを聞き、昔勤めていた電機メーカーがバブル期にこの近くに建てた工場を売るために奔走したことを思い出した。ビアリッツは息をのむような絶景が広がる海辺のリゾートだが、町中のビジネスホテルに泊まっていたので、売却先が決まって担当役員とセレモニー参加のための最後の訪問をするまでは、そこがどれだけ美しい場所なのかを知ることも、海を見ることさえもなかった。工場の売却を進めるために当地に通い始めた頃、パリのシャルルドゴール空港から何時間も後に出る国内線に乗り継ぐためにオルリー空港まで移動し、エールフランスのカウンターでチェックインした際に「ビアリッツに行くんですか。いいですね。」といわれたことを今でも思い出す。何も羨ましがられることをやりにいくわけではなかったのだが。G7に出席した顔ぶれを見て「何だかな~」と思ったのは私だけだろうか。G7が開かれる前にホスト国であるフランスが、利用者から取得したデータを活用して広告収入を得ながら税金を払っていないアメリカの大手IT企業に対する課税強化を決議したことに米大統領が例のごとくツイッターで噛みついたが、その際に「自分は以前からフランスのワインよりアメリカのワインの方が美味しいといってきた。ただし酒を飲まないのでどちらも飲んだことはないが」と書いていたのを見て彼がずっとしらふであったことを知り、そのことが笑えた。

2019年8月19日月曜日

特産品

避暑で訪れた山中湖のスーパーで山梨県ならではの一升瓶入りのぶどう酒を買おうとおもったら、そのほとんどが輸入ブドウで造られていることに気づいた。東京に戻り、近所の沖縄料理屋でカウンターに並べられた泡盛の瓶に目を向けると、原料の欄に書かれたタイ米という文字が目に飛びこんできた。「讃岐うどん」といいつつ小麦粉がオーストラリア産であるのと同じだ。思えば小豆島で売られているオリーブ油もほとんどが外国産のもので、そこで買う意味が見いだせなかったし、青森で訪れた道の駅にはトルコ産の干しブドウが置いてあり、これでは道の駅の趣旨と違うのではないだろうかと思った。全国各地で売られている土産用の菓子も米子あたりの会社が売られている場所とまったく違うところでまとめて作っているという話を聞いたことがある。日本で売られている特選品ほどいい加減なものはなく、そのことを知ってしまうと購買意欲がわかない...。

2019年8月11日日曜日

担ぐ神輿

北海道警の警察官が札幌の街頭で参院選の応援演説中だった首相にやじを飛ばした聴衆を取り押さえ、現場から排除したとのこと。この国もいよいよ中国化してきたように見える。やじが絶えないのはそれだけ人徳もないことの証。そんな人物が長期にわたって政権の座にあるというのは皮肉なものだが、政界の事情通の話によると日本を支配し続けたいアメリカにとってかつての中曽根首相のように頭のいい人が首相であることは実は好ましくなく、少々頭が悪くていうことをよく聞く人が好ましいということも手伝っているのだそうだ。確かに自分に必死に媚びて、ちょっと脅せば高い戦闘機を大量に購入してくれる人が日本の首相であることが嬉しくないはずはないだろう。そういった意味では実は最近総理官邸でフリーアナウンサーとの結婚のインタビューをした自民党の若手議員はアメリカにとって首相になってもらえるとこの上なくありがたい存在なのだそうだ。そんな話を聞くうちに、かつて日本が保有する米国債の大量売却の可能性を示唆してその後突如「発覚」したスキャンダルで失脚した元首相のことを思い出した。日本でも「担ぐ神輿は軽い方がいい」などというが、あまり頭のよくない人がトップに立つのは企業の場合と同様に国の競争力を失わせるのではないかと思う。

2019年8月3日土曜日

ネット予約

夏休みの家族旅行でふだんあまり使わないエクスペディアでホテルを予約した。ところがコンファメーションのメールを見ると57,543円と、最終画面で表記されていた55,817円より約2,000円多く請求されていた。同社のウェブサイトから超過請求額の返金を求めるメッセージを出すと、最終画面のスクリーンショットがなければ証拠がないので返金できないとの回答。ホテル予約でいちいちスクリーンショットを撮る人などいないことをわかっていて、しかも自社自身のサイトでいったん予約してしまうと前の画面に戻れない構成にしているにもかかわらず、こうしたことをいうのだから悪質極まりない。おそらく予約途中で金額が変わり、それを客に伝えずに予約を受け付けたものと思われるが、そうしたシステム上の不備についてつっこまれるのを恐れてか、「予約した“後”、金額が変わることはない」と論点をずらそうとするのだからますます質が悪い。マニュアル通り対応しているだけであろう末端の社員にいってもしかたがないと思いつつ、客に証明能力がないことを見越して責任を回避するなど企業体質を疑うと伝えたら、同社が自ら約束している48時間以内に回答はなかった。桁の数字が一つ違うくらいであれば見間違いもありうるが、万の位以外は全部違っているのだから見間違いなどありえないし、最終画面で金額が表示された段階で一緒に旅行する家族に金額を伝えたメールが残っているのだからこちらの勘違いではありえない。同様のことが頻発しているとしたら気づかない人たちを含めて相当数の被害者がいることが想像される。最近やたらとテレビCMを流しているが、このようなことをしてあげた利益を広告料に充てているとしたら実に倫理観に欠けた企業と思う。