2014年2月22日土曜日

砂上の楼閣

時事通信社解説委員の鈴木美勝氏による「パンドラの箱を開けた安倍政治と外交の行方」と題する講演を聞いてこの国の先行きが不安になった。靖国参拝に対するアメリカの反応に慌てふためいている様を見て、そんなことも予想できない政府・外務省で大丈夫なのかと漠とした不安をもったが、安倍政権の最大の売りであるはずの経済面でも暗雲が漂い始めている。ジョージ・ソロス氏が日本株を売り始めたという話を聞いてはいたが、財務省の高官によると、先月行われたダボス会議で安倍総理と直接会ったソロス氏が所謂アベノミクスの第三の矢である規制改革に対する覚悟を探ったのだそうだ。このあたりは既得権益を支持基盤をしている政党であるがゆえに私も大いに疑問に思っていた点だ。その後に日本株を売り始めたとすれば、最近の株価下落の流れと一致する。前政権への失望や景気回復への期待感から高い支持率を維持しているが、貿易赤字が過去最大になり、経常黒字が限りなくゼロに近づく中で、「砂上の楼閣」、「嵐の前の静けさ」といった言葉が頭にちらついた。

2014年2月15日土曜日

オリンピック

冬季オリンピックはモーグルやスノーボードなど、ふだんテレビであまり放映されない冬のスポーツをまとめて見ることができるめったにないチャンス。そうした中で気になるのがいつもながらのメダル、メダルの大合唱だ。これまでに金メダル有力といわれて実際にとれた選手がほとんどいないことに気づいているのかいないのか、それともそんなことは関係ないと思っているのか…。実際にやっているアスリートは「そんな簡単なものじゃない!」といいたいのではないかと察する。今回も金メダル候補と騒がれた人がメダルもとれず、あまり注目されていなかった人たちがメダルをとっている。そしてさんざん期待を煽りながらメダルをとれなかったときの手の平を返したような扱いの軽さといったらない。本当にメダルをとってほしいのなら要らぬプレッシャーをかけるべきでないと思うが、なぜ毎回同じことを繰り返しているのかが不思議だ…。

2014年2月8日土曜日

都知事選

これまでにも誰が勝つか明らかだった選挙はあったが、それでも意思表明のためにあえて投票に行っていた。しかし今回の都知事選はなってほしくない候補はいても、これといって入れたい、あるいは入れてもいいと思う候補がいないので困る。じゃんけん後だしをしたり、誰かの応援を受けないと出馬しないといったような候補は好かず、少なくとも筋の通った人に入れたいが、その筋の通った人たちは政策に共感できなかったり、応援している人がいただけなかったりする。(いつもながら、自分が応援することで票が逃げることを自覚していない人が多いように思う。)いつもはさっさと投票する候補を決めて期日前投票をしてしまうところだが、今回はついに投票日当日を迎えてしまった。こんなことだと足元の悪い中、わざわざ投票所に足を運ぶ気にならない…。

2014年2月2日日曜日

首都機能移転

最近すっかり話題にのぼらなくなった首都機能の移転。政治も経済もここまで東京に集中してしまって、次の震災が起きたらこの国は一体どうなってしまうのだろうか。全国の都道府県をまわって思うのは、移転先として名古屋がもっとも適しているのではないかということ。トヨタ自動車のお膝もとだけあって道路も整備されているし、空港も二つある(中部と小牧)。そして何より日本の人口分布からいって東京が東に寄り過ぎているのに対して名古屋は中間に近く、関東からも関西からも2時間以内で行かれる。しかし名古屋に首都機能を移転することに賛成する人はあまりい見かけない。どうやら閉鎖的といわれる土地柄がイメージを悪くしているようだ。しかし首都機能が移転し、人の流入が増えれば、そうしたところも変わるのではないだろうか。そして何より小麦から麩を作るときにできる副産物や鰻の切れ端を高級和菓子や高級和食に仕立て上げる知恵が全国に伝われば、国の経済にもポジティブな影響があるかもしれない。