2012年8月25日土曜日

電機業界

「サムスンがすごくデザインのいい携帯電話を出してきているけど大丈夫か?」「白物家電は経営の重荷になっているように見えるが今後どうしていくのか?」外資系証券会社に勤めていたおよそ10年前に某大手家電メーカーのCFO(最高財務責任者)のお供でヨーロッパの投資家回りをしていたときに受けた質問だ。その後サムスンが携帯電話市場を席巻し、この電機メーカーは白物家電事業からの撤退を迫られていることを考えると実に的を得た質問だった。当時横並びで似たような製品をつくっていた日本の電機メーカーの中で今唯一まともな業績をあげている三菱電機。他社との大きな違いは事業の選択と集中を口先だけでなく、きちんと実行してきたことだろう。今になって思い出すのがソニーに入社を希望し、私のところを訪ねてきた大学の後輩のこと。私は何の役にも立てず、その後三菱電機に入社すると聞いた。当時は本人の期待にそえず申し訳ないと思ったが、今考えると期待にそえなくてよかったのかもしれない。

2012年8月18日土曜日

公共放送

番組作りの民放化が進む我が国の公共放送。受信料を使って夜の連続ドラマや朝のワイドショーをやるなど、ほとんど民業圧迫。それほど民放になりたいのなら受信料をとらず、同じ土俵で勝負すべき。唯一の存在意義ともいえるニュースも客観性を欠き、内容もお粗末に思える。ベトナムで数十人しか集まっていない反中デモを毎週のように取り上げたかと思えば、足元の東京で何万人も集めている反原発デモは積極的に取り上げない。震災がれきの受け入れをめぐる問題では抗議をしているごくわずかなヒステリックな市民ばかりを大きく取り上げ、最近の尖閣の問題ではどう見ても盛り上がっていない香港や北京での抗議活動の様子をあえて全国に流す。その一方で、中国がどのような根拠で領有権を主張し、それがなぜ合理性がないのかといった肝心な情報はいっさい流さない。こうした体たらくを見せられると公共放送などという特別な地位をなくし、民放として健全な競争にさらした方がよいのではないかと思う。

2012年8月11日土曜日

ロムニー

ニューヨークで行った資金集めパーティーで「我々は10年、あるいは1世紀にわたる衰退と苦難に陥っている日本のような国とは違う」と述べたという共和党の大統領候補。外遊先のイギリスでは五輪の準備状況について疑問を呈して反発を招いたことが報じられていたが、いっている内容が正しいかは別として、無為に他国民の感情を逆なでする判断力のない人間が世界の超大国の大統領になったら果たしてどのような事態を招くのだろうかと心配になる。そこでちょっと不思議に思うのが彼の経歴。前職は私も留学していたマサチューセッツ州の知事だ。留学時代にルームメートだった同州出身のクラスメートがマサチューセッツ州は民主党でなければ選挙に勝てないといっていたのは1990年代のことだった。そんな州の上院議員選挙で無敵だったエドワード・ケネディを脅かし、ついには知事となったのがこのロムニーだった。確かに州知事は外交に関わる立場ではないが、政治家としての判断力は必要だろう。今度ボストンに行ったときには、なぜこの州の人たちが彼を支持したのか聞いてみたいものだ。

2012年8月4日土曜日

子どものときにその存在を知ってから、なぜこのような短い地名が存在するのか不思議に思っていた。津といえば港のことで、大津、唐津、木更津など、何かがその前に来ないと地名として成立しない気がする。あまりに長年不思議に思っていたので、先週初めて商用で当地を訪れたときに商談相手に尋ねずにはいられなかった。そしてようやく長年の謎が解けた。なんでも津はもともと伊勢神宮に参る人たちの海の玄関口で、伊勢神宮が全国の神社の頂点である神宮の中でも別格な存在なため、その門前の港である津はいわば“ザ・港”であったという。その真偽は100%確信がもてるものではないが、それなりに説得力があり、すっきりした気分で当地を後にすることができた。