2020年11月21日土曜日

人災

10月の自殺者は2,153人、去年の同じ時期より614人増えてこの5年間で最多。前年を上回るのは7月以来4か月連続という。自殺者の多くは働き盛りの20代から50代。一方、同じ月にコロナで死亡した人数はその3分の1以下の195人。10か月経っても隣国が当たり前にできている感染実態の把握すらできず、たまたま検査を受けてあぶり出された人を「感染者」と呼ぶ我が国。日本の12分の1の人口で3倍以上の死者が出ながら経済活動を止めなかったスウェーデンにあって日本に欠けているものは何か?政治のリーダーシップ、費用対効果の概念、科学的思考…。NHKのサイトを見るといくつかのことがわかる。まず緊急事態宣言を行った後、検査数を増やさず、解除前には減らしていたこと。その後政府のコントロール外の民間企業がPCR検査を始めたことで隠れ感染者があぶり出されたものの、死者数はたいして増えていないこと。しかもその数は免疫の異なる欧米とはけた違いに少ない。(あぶり出されたことによって入院させられる人は増えているが、それでも重症扱いされる人の数はたいして増えていない。)https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/ 大航海時代にヨーロッパ人が持ち込んだ伝染病で多くの先住民が死亡したことは史実。身近なところでは海外旅行して現地の人と同じものを飲み食いしていてもお腹を壊すことがある。日本人にとってインフルエンザより危険な病気であることは未だ証明されておらず、逆に天然痘やエボラのような致死性がないことははっきりしている。合理的な範囲で予防しつつ経済活動を続けることしかないのに、その結論にいきつけないのは初動を誤って国中に感染を広げた事実を隠してきたからだろう。

2020年11月8日日曜日

辛勝

事前含む投票率の高さは前回トランプ政権を誕生させてしまった反省から今回は彼を追い出すために投票した人が多かったのかと思いきや、バイデンが史上最多得票する一方で、事前の予想に反してトランプが善戦したことがアメリカの現実を表していて怖い。彼はアメリカの悪の部分を代表する人物という人さえも、プロビジネスで反エスタブリッシュメントだったことは評価していたりするし、彼以前の政権が中国に対して甘すぎたというのも当たっているだろう。とはいえ(自分の国を棚に上げていえば)人格的に問題のある人物が世界でもっとも影響力のある国のトップに8年間い続けることはさすがに勘弁してもらいたく、結果に安堵した。トランプへのごますりに余念がなかったわが国の前首相がますます恥ずかしい。

2020年11月3日火曜日

BCG

インドの取引先との電話会議で同国も感染が広がってもあまり死者が出ないのはBCGのおかげとする説があることを知った。BCG説の真偽を証明するのは難しいかもしれないが、日本が何を誤ったかといえば、人は育った環境によって異なる免疫をもつという当たり前の事実を完全に無視して欧米人と一緒に、あるいはそれ以上に大騒ぎしまったことではないかと思う。東南アジアに行けば地元の人がふつうに屋台で買って飲んでいるジュースも日本人が飲めばお腹をこわしかねない。インドに行った日本人の多くが激しくお腹をこわす。ヨーロッパ人が「新大陸」や太平洋の島々に持ち込んだ感染症で多くの原住民が死亡した。日本人はスペイン風邪での死亡率は低い一方、コレラは高かった等。政府が半年以上前に結果を否定した抗体検査をいよいよやるという。前回の検査とまったく違う数字が出ても説明もない。嘘というのはいったんつき始めるとそれを繕うためにエンドレスに続くことがわかる。騒動が始まって9か月たっても隣国ができている感染の抑止はおろか、感染実態の把握すらもできない我が国。政府やメディアのいうことに踊らされていつまでも真実に目を向けない国民。全国民が一丸となって戦えばアメリカに勝てると信じていたのと同じナイーブさで岩手県0人などというばかな発表を真に受けてしまう日本人。為政者がまともであればいいが、国民を騙しても平気な人たちの政権が終わる見通しもなく、ますます貧乏になっていくこの国が80年前と同じような破滅的行為に及ぶ可能性がゼロといえるだろうか。