2012年6月29日金曜日

和モダン

先週の出張に続き今週は母と伯母を連れて休暇で再び山陰を訪れた。当初はハワイに行く予定だったが予約がとれず、色々と検討した結果、昨年来何度も来ている出雲地方と、津和野しか観光したことがない石見地方に来ることにした。今回はお付き合いのある当地の銀行の方が旅程を作成し、お勧めの宿の予約までして下さったので、松江市内、出雲大社、日御碕、石見銀山などの観光地を効率よくめぐりながら玉造、湯の川、温泉津、有福という名だたる温泉地に宿泊することができた。地元の大手銀行の取引先とあって宿はいずれ劣らぬすばらしいところばかりだったが、玉造と温泉津では昔ながらの温泉旅館だったのに対して湯の川と有福は内装も食事も貸切温泉も凝りに凝ったいわゆる“和モダン”で、高級家具が配置された部屋や洒落たお皿に盛りつけられたフレンチやイタリアンテイストの和食が何とも新鮮だった。ビジネススクール出の人間はすぐに初期投資にいくらくらいかかっているだろうかなどといやらしいことを考えてしまいがちだが、いずれも平日でも満室の盛況ぶりで、銀行にとってはいい貸付先であることが想像された。土地勘がないところでは宿選びも大変で、こうした高級旅館には自ら積極的に泊まることもないので、今回は願ってもないいい機会となった。(写真は湯の川温泉の旅館の部屋からの眺め)

2012年6月22日金曜日

鳥取

今週は下関→小野田→広島→岡山→松江→鳥取とまわり、思えば1週間で中国地方のすべての県を制覇?してしまった。このうち鳥取は当初の旅程に含んでいなかったが、当地にいる電機メーカー時代の上司から松江に来るときには寄るようにいわれ、足を延ばすことにした。大手企業で経営管理をやっていた二人がそれぞれ医療法人の事務長と零細企業の経営者というまったく畑違いの道に進んで鳥取の地で会うことになるなど、当時はお互いにまったく想像もつかないことだった。元上司によると若手サラリーマンだった頃の私は気が利かず、愛想もなかったそうだ。気が利かなかったのは十分自覚しているが、愛想がなかったのは恐らく元上司にあまり好感をもっていなかったからではないかと想像する。それが当時一緒に働いていた人たちの中で今でも交流がある数少ない人たちの一人なのだから不思議なものだ。元上司は政治や経済に関してK大の卒業生らしくいささか冷徹ながらきわめて合理的な持論を唱え、これが結構面白かったりする。地元選出の代議士からも一目置かれているようで、東京で時間を持て余すと議員会館に立ち寄ってお茶を飲むというから恐れ入る。うちの事務所も永田町なので、今度上京するときは寄ってくださいとお伝えした。(写真は摩尼寺の石段)

2012年6月17日日曜日

上海

10数年ぶりの上海。この間にロンドンを超える規模の地下鉄網と浦東空港と市内を結ぶリニアモーターカーが築かれた。民主国家でないので強権が発動できるとはいえ、万博に向けての数年間でここまでのインフラを築き上げた実力は驚くべき。振り返って日本は私が子どもの頃から開発していたはずのリニアがいまだに商業化されていない。このあたりのスピード感の違いが日本企業が競争に勝てない一因か。滞在中は現地に赴任している友人と楽しい時間を過ごすことができたが、ホテルで突然日本のウェブサイトにアクセスできなくなって閉口した。その後ニュースで”co.jp”のドメインのサイトへの接続が遮断されたことを知った。YouTubeやFacebookのみならず、特定の国のサイトとの接続を遮断するとは…。久しぶりの上海を楽しみつつも、ますます力をつけるこの隣人がいかにやっかいな存在であるかも改めて思い知らされた。

2012年6月9日土曜日

長崎

長崎に来るのは何年ぶりだろうか。まさか商用で来る機会があろうとは思わなかった。午前中は何も予定がなかったのでインドからの来客と町を散策したが、駅ビルと原爆資料館が新しくなっている以外、平和公園も路面電車も浦上天主堂も前回来た20年余り前の記憶のままだった。商用が終わり、夜の電車で福岡に戻る前に中華街で食事をしたが、コースで出てきた料理のすべてが驚くほど不味くて驚いた。サラリーマン時代、当地出身の上司が、いい料理人は皆町を出てしまったとは聞いていたが、これほど大変なことになっていたとは…。一方でランチで行った駅ビルに入っているインド料理屋がインド人を満足させる美味しさで、こちらはうれしい驚きだった。

2012年6月2日土曜日

電力不足

1か月以上ぶりのゴルフ。ご一緒したのは大手重工で電力事業をやられている方。話題は自然とアイスランドの地熱発電と日本の電力不足問題となった。中国がアイスランドと地熱発電分野における協力関係を深めようとしていることで、これまで機器を提供してきた日本が“おいしいとこ取り”されているのではないかとの私の印象は当たっていて、悲しいかな同社を辞めた社員が中国の企業に短期間高給で雇われて技術を提供しているという。電力不足の問題については実は手っ取り早い解決策があるそうだ。第一世代の買い替えが始まるハイブリッドカーの電池を使って夜のうちに充電しておけば、家庭の一日分くらいの電力はまかなえるとのこと。しかしこれも日本固有の規制とか業界の利害の関係で実現は難しいとのこと。せっかくの興味深い話だったが、当日のスコア同様、あまり明るい気分にはなれなかった。