2017年12月3日日曜日

モノ作り日本?

「次に買うのは韓国車。」昨年トヨタ車を買ったばかりのカナダからの来客の言葉に、かつてアメリカの知人がいった言葉を思い出した。その知人は何10年にもわたって日本メーカーの大型テレビを買っていたが、「次に買うのはサムスン。」といったのだ。あれから10数年、テレビのみならず家電の世界での日本のプレゼンスは衰退の一途をたどった。思えば半導体もかつては日本メーカーが席巻していたのが、今は一部の分野を除いて見る影もない。韓国メーカーが急速に台頭できたのは日本の技術を盗んだからという向きがあるが、技術を売りに行ったのは日本のエンジニアであり、彼らにそのような行動をとらせた一因は、世の中の変化のスピードについて行かれず業績不振を招き、社員の忠誠心を失わせるくらいにリストラを行った日本企業の経営陣にある。また、自動車や家電製品といった一般消費者向けの製品についていえば、日本製は総じてデザインがダサい。カナダの来客が韓国車を選ぶといったのは、レンタカーで借りた韓国車の乗り心地がよく、使い慣れているトヨタ車に比べても電子機器の操作がわかりやすく、しかもデザインが洗練されているというのが理由だった。一方、トヨタ車の方は本来自動的に消えるはずの車内のランプが消えず、操作方法を調べてようやく消したという。日本のメディアはしきりに「モノ作り日本」などと世間知らずなことをいい続けているが、売れる製品作りに必要なのは技術オタクではなく、ユーザーにアピールするデザインや機能(ソフト)の部分であり、例えば自分が得意としていないことは外国のデザイナーを雇ってでも売れるモノ作りに徹する外国メーカーの柔軟さに学ぶところは大きいのではないかと思う。