2019年1月26日土曜日

迷走外交

「プーチン大統領と腹を割って話をしたい」の一言を聞いて今回もダメと思っていたが、案の定“手ぶら”で帰るはめとなった日本の首相。“温泉接待”に続く失態で、どうせできないなら国民の期待を煽らず、国費の無駄遣いもやめてもらいたかった。ソ連時代にスパイ教育を受けて数々の修羅場をくぐり抜けてきたであろうロシア大統領に、平和な日本で何不自由なく生きてきたのであろう三世議員が太刀打ちできるはずもなく、今回もロシアを利するだけの経済交流の継続だけが確認された。「腹を割って」などというのは日本人同士でのみ通用する発想で、利益が反する外国の首脳を相手にこんなことをいっている時点でほかの国や文化のことを知らなすぎだろう。韓国の思惑通りに決着したレーダー照射問題も然り。日本と親しくしたいとも、日本に対して正直であろうとも思っていない国に拳を振り上げるのだったら、瀬取りの決定的な証拠を撮るなど、最終的に相手をねじ伏せられるだけの勝算が必要だ。そうしたシナリオもなく、行き当たりばったりの対応の果てにのこのこと引き下がるくらいだったら最初から拳を振り上げるべきではない。隣国との関係が遠ざかるばかりの日本。現政権は外交面でこの国にいったい何を残すのだろうか。

2019年1月19日土曜日

オリオンビール

野村ホールディングスと米投資ファンドのカーライル・グループによる沖縄のオリオンビールの買収。カーライルが持つ海外企業との豊富なパイプを生かし、成長が見込まれるアジア市場をはじめ海外展開を本格化するというが、沖縄の風土に合っているから地元で売れている(逆に本土ではあまり売れない)ビールが、海外でそれほど売れるものだろうか。沖縄に旅行に来てオリオンビールを知った人たちが懐かしんで買ってくれるという計算かもしれない。いずれにしても経済的なリターンを求めて投資を行い、何年かうちに売り抜ける投資家に買われることのマイナスイメージは否めず、農作物が原料の製品なので、全国で売られるようになって味が落ちた九州の人気焼酎ブランドの二の舞にならないとも限らない。何だかがっかりなニュースだった。

2019年1月13日日曜日

エスカレーター片側歩行

JR東が始めた駅エスカレーターの歩行禁止措置。世界でもっとも混雑する駅を抱える鉄道会社がなぜこのような危険なことをやろうとするのか意味不明。同社の幹部は社用車通勤だろうが、ラッシュ時の主要駅のホームがどれほど混雑しているか知らないはずがないだろう。保護柵も設置せずにエスカレーターを歩行禁止にし、ホームから人があふれて線路に転落でもしたらどう責任をとるつもりだろうか。それこそ人の命に関わることで、エスカレーターでつまづいたレベルの話ではない。エスカレーターの片側歩行を「悪習」という人がいるようだが、これも無知といえよう。ロンドンの地下鉄では日本よりもはるか昔から行われていて、危険だと問題になった話も聞かない。日本製のエスカレーターが歩行に耐えられないつくりをしているのであれば、ロンドンの地下鉄で使われているメーカーのエスカレーターを導入すればいい話だと思う。

2019年1月5日土曜日

世界的

世界的ギタリスト、世界的ダンサー、世界的ロッククライマー...年末年始テレビを見ているとこうした表現がやたらと聞かれた(特に公共放送)。その人がいかにすごい人かといいたいのかもしれないが、「世界的」と呼ぶ基準が曖昧。日本で名の知れたギタリストが海外でサンタナ並みに名前が知られているかといえば甚だ疑問。「海外でも活動している」という意味であればそんな人はどの分野においても大勢いるだろう。日本のメディアが「世界的」といわれるのは「海外でも活動している日本人」という方が正確かも知れない。