2018年12月28日金曜日

紀土

和歌山の酒造メーカーの跡取りが開発したという日本酒。当地での宴席で飲んでそのフルーティーな美味しさの虜になり、いつのまにかお替りを繰り返した。何杯飲んだかもわからなくなった頃、宴席をもうけてくれた会社の役員がそそくさと会計に行き、帰りの車を用意してくれた。ちょっとやり過ぎたか…。ホテルに戻るとそのまま翌朝まで意識が戻らなかったが、見るとちゃんと着替えはしていてスーツはハンガーにかかっていた。酔っぱらいながらもやることをやっていたようで、我ながら感心。自分で仕事を始めてからは同僚と飲みに行く機会も少なく、こうした機会についついやり過ぎてしまう。以前、福山で同じことをやらかしたことを思い出したが、あのときはスナックでウィスキーだった。後で聞くとその和歌山の日本酒の銘柄は紀土(キッド)というそうだ。紀州の「紀」の字から取っているであろうネーミングのセンスはいかがなものかと思うが味はすばらしく、家にあったら一人で夜な夜な晩酌してしまいそうだ。

2018年12月23日日曜日

ふるさと納税

地元産ですらない物で人を釣る返礼品合戦になり、本来の趣旨を逸脱しかけていたふるさと納税も、ルール作りによってようやく正常化するのかもしれないが、ふるさと納税サイトを見る限り、返礼品のレビューまで載っていてショッピングサイトと見間違う。かくいう私もそれを利用しているが、今年は現地に行った際に食べ損ねた高知・四万十のうなぎが出ていたのでさっそく注文、もとい納税した。あとはこれまでの経験から生ものや冷蔵品は避け、好物の栗を使った食品を何種類か注文した。同じ干し芋でも本場茨城のものとほかの県のものはまったく味が違い、納税がてら食べ比べられるのもふるさと納税ならでは。生まれ育った地元の区には申し訳ないが、支払っている税金分の受益をしているとは思えないので許してもらいたい。

2018年12月16日日曜日

Qwant

フランス政府がグーグルの利用を中止したとのニュースに、同社のウェブメール(Gmail)からメールを送ったアメリカの友人に私からメールが来た後、やたら日本語のネット広告が表示されるようになったといわれたことを思い出した。検索エンジンに始まり、利便性が高いさまざまなサービスを無償で提供しているグーグルはその対価として我々の個人情報を日々抜き取っていることを改めて思い起こさせた。「オッケーグーグル」などと能天気なことをいっている場合ではない。LINEもしかりでスマホにあるデータへのアクセスを許すことで自分のみならず友人・知人の電話番号やらメールアドレスも抜き取り放題。プライバシー保護法で日本企業の手足を縛りつつ、ネットは無法状態のまま放置という日本の政府はまさに外国企業に塩を送っているようなものだが、データの重要性にいち早く気づき、使い勝手のいいサービスで客を囲い込んだ上でそれを抜き取るという手法を考えたアメリカや韓国の企業の方がよほど賢かったわけだ。

2018年12月8日土曜日

役員報酬

ソニー時代の気心の知れた友人との久しぶりの飲み会。1990年代に役員を務めた人物が、人員を一律30%削減する大リストラを断行した現社長が8億円もの報酬を受け取るのはおかしいといっていたと聞いた。リストラをされた側の人がいうのならわかるが、バブル期の大量採用や放漫経営でそのような荒療治をしなければならない原因を作り出した過去の経営陣が批判するのはどうみてもおかしい。バブルの後始末で自力再生が難しい工場の売却を担当していた私を批判していたのもまさに原因を作り出した当時の幹部たちで、彼らは退職した後も株主総会に出てきては発言しようとすると聞く(顔が割れているので手を挙げても指されないそうだが)。ワンマン経営者の意に沿って黒いものも白といって会社を傾け、しっかり退職金をもらってやめていった人たちは、彼らの犠牲となった多くの社員に思いをはせ、おとなしく隠居生活を送るべきだろう。まともな経営感覚をもった人で彼らのやったことを「白」とする人などいないのだから。

2018年12月1日土曜日

移民鎖国

東京入国管理局が近隣の路上や橋に書かれた"Free Refugees"(難民を解放せよ)という落書きに公式ツイッターで反応したことで逆に多くの日本人が知ることになった同局による人権侵害。時を同じくしてこうした後進国的実態を是正しようともしない現政権が日系4世を受け入れるために新たにもうけた所謂「4世ビザ」制度が年4千人の来日どころか、日系人に総スカンを食っているという記事を読んだ。以前イギリスに入国する際に滞在目的など根掘り葉掘り聞かれ、「おめえの国が不法滞在したいほど魅力的な国だとでも思っているのかい!」といいたくなったものだが、同じ島国で栄光をきわめた時期のあった日本も同じ勘違いをしている人が多いのかもしれない。人口が減り、落ち目のスパイラルに入った国は過去の栄光が残っている間にその国に住みたいという(問題のない)人たちを積極的に受け入れなければ衰退が加速するだけ。ブレグジットで凋落していくイギリスの姿を見てそのことに気づいてももう遅いだろう。