2011年8月27日土曜日

信州

会社で購読を始めた旅行業界の専門誌に長野県が夏の涼しさを売りに観光振興を図っているとの記事が載っていた。今夏二度ほど当地を訪れた私にいわせれば長野県はどこも涼しいわけではなく、避暑を目的に行くとあてが外れることもある。

長野といえば夏も涼しいイメージがあるが、これはあくまで高原の話だ。県内の気温分布を見てみると昼間でも比較的涼しいのは軽井沢とか野辺山といった海抜1000メートル級のところで、こういったところは夜も気温が下がるので夏は間違いなく過ごしやすい。一方、山がちな長野県に多い谷や盆地は昼間は熱がこもるので東京に比べてそれほど涼しいわけではなく、空気がいいのがせめてもの救いといった感じだ。涼しいと思って行った安曇野が日中の観光を途中で打ち切るほど暑かったのでちょっと損をした気さえした。

節電を理由に事務所をあけることが多かったこの夏。8月は企業も休みに入るところが多く、今年の感じでは来年も同じようにやっても大きな問題はなさそう。家で仕事をする代わりにどこか涼しいところで過ごす場合にはイメージに頼らず、日中と夜間の気温をきちんと調べてから行き先を決めたい。

2011年8月20日土曜日

女性専用車両

ラッシュも終わりきらない午前9時過ぎ。企業訪問のためにふだんあまり乗ることがない半蔵門線のホームに急いだ。ホームへの階段を下りきると発車間際の電車が停車していたので最後尾の車両に飛び乗った。

乗ってすぐに何かが違うと直感した。そしてまわりを見回すと乗っているのは女性ばかり。以前渋谷駅でラッシュ時に同じ半蔵門線の最後尾の車両に乗り込んでしまったことを思い出した。このときは電車が走り出した後に車掌がご丁寧にも車内アナウンスで注意を促してくれたので余計に居心地が悪くなり、隣の表参道駅に着くまでがいつもになく長く感じられた。今回は車内アナウンスされることもなく、また、前の車両が混んでいるのに女性専用車両はやけにすいていて皆涼しい顔をして座っているのが面白くなかったので、せめてもの抵抗?として二駅ほどそのまま乗り続けてから前の車両に移った。

最近飲み会(男女同数であってもこの歳になると合コンなどと呼ぶのは恥ずかしい)でご一緒した女性は自意識過剰と思われるたくないので女性専用車両には乗らないのだといった。こうした女性が多いからラッシュの混雑時にもかかわらず空いているのだとすれば、そもそも女性専用車両などというのは男が考え出した本当はいらないものなのではないかという気さえしてくる。女性を痴漢被害から守るというなら男性も冤罪被害から守るために専用車両をつくり、男女間の公平を期すとともに各車両の混雑度をバランスさせてはどうかと思う。

以前どこかで女性専用車両というのは戦後間もない頃に中央線で導入されたのが初めてという記事を読んだ。当時は車内で“恋文”を渡すのを防ぐのが目的だったそうで、痴漢防止の目的で女性専用車両をつくる時代が来るなど、誰も想像できなかっただろう。

2011年8月14日日曜日

曲げわっぱ


松本で買った木目も美しい弁当箱。ただ見とれているばかりでは意味がなく、さっそく弁当を作って会社に持って行くようになった。もちろん今さら“弁当男子”を目指しているわけではなく、あくまで健康のため。そう思って小さめのやつを買ったのだ。

弁当を持って行くからといって朝家を出る時間が遅れるのは困る。涼しい早朝のうちに出てゆったりと座って通勤したいからだ。弁当は前の日のうちに作っておくことになるため、仕事帰りにスーパーに寄るのが日課となった。その日に売られている食材を使った献立を考えるのもやってみると結構楽しく、まるで主婦状態。ただし手の込んだものは作れないので最小の手間で作れるものを考える。

ただ食事をする時間も惜しんで朝早く家を出る私は朝と昼の2回外で食事をしていたため、一食分の弁当を作ったからといって間に合うわけではない。朝は抜いて早めの昼食に充てようなどと考えると始業が早いだけにすぐに燃料切れを起こす。かといって“早弁”(高校時代以来の懐かしい響き…)をしてしまうと午後がもたない。朝食にしては重く昼食にしては軽い内容の弁当なので、どちらに充てるかによって必ずしもカロリーセーブにはなっていない。

とはいえ自分の好きなものを詰め込める弁当は何とも魅力的。しかも天然素材の曲げわっぱの弁当箱はプレスチック製やステンレス製のものと違って中に入れたご飯やおかずが水気を帯びることなく、おいしい食感のまま食べられる。今後も少しずつレパートリーを広げながら弁当生活を充実させていきたい。

2011年8月7日日曜日

松本


札幌から戻って早々、電機メーカー時代の友人が単身赴任している松本に向かった。翌週に予定している安曇野での休暇の情報収集を兼ねてのことだったが、当地を舞台に放映されている朝のテレビ小説の影響を受けていることは否定できず、自分も実はミーハーな人間なのだろうかと思った。

大学時代は北アルプス登山の途中で立ち寄った松本。その後社会人になった後も仕事などで何度か訪れているが、いずれも市内観光が目的ではなかったため、国宝のお城さえも見たことがなかった。今回は仕事帰りの友人の案内で城下町の面影を残す石畳の道や古い洋館やお洒落な店が並ぶ通りをぶらぶらと歩き回った。民芸品店ではかねてから欲しかった曲げわっぱ弁当箱を買い、超ローカルな居酒屋では広島の竹鶴(国産ウィスキーの父でニッカウヰスキーの祖、竹鶴政孝氏の生家)の日本酒を初めて飲むことができて感激した。最後はジャズが流れる小洒落た珈琲店でフレンチコーヒーのダブルを飲みながら安曇野の見どころを教えてもらった。

友人は県庁所在地である長野よりも松本の方が文化の香りがして好きだといったが、いわんとしていることはよくわかる。個人的には地理的に北に寄り過ぎている長野よりも松本に県庁を置くべきではないかとさえ思う(なんて部外者がいったら怒られるか)。何度足を運んでも新たな発見がありそうな奥深さを感じさせる町。ぜひまた小旅行で訪れてみたい。