2018年11月24日土曜日

日産

名経営者から容疑者への転落。社外取締役を務めていた会社で目標未達の場合トップは引責すべきといっておきながら、自社が未達でも責任を取らなかった人物なので、私はもとから信用していなかったが、一時期もてはやされた経営者が有価証券報告書への虚偽記載の嫌疑がかけられるというのは驚きだ。ルノーとの合併に反対する日産の日本人幹部による「クーデター」との見方があったようだが、かけられた嫌疑が事実であるならそれが明るみになった経緯は問題ではない。それにしても誰もNOといえないワンマン経営ぶりを聞くと私が社会人になって最初に勤めた電機メーカーの当時の状況を思い出さずにはいられない。いうことを聞かなければ粛清される恐怖政治を敷けば同じような状況は簡単に作り出される。日本にはこうした「小さな北朝鮮」が多くあるものと想像する。

2018年11月18日日曜日

シニキタ

区の肺がん検診で実施要領に反して専門外医師に判定をさせていた地元の総合病院系のクリニックが繰り返しがんを見落として複数の受診者を死亡させたと報じられた。地元で「シニキタ」と揶揄される病院系列なので、いかにもやらかしそうと思ったのは私だけではないだろう。近くで育った80歳近い亡父の元ゴルフ仲間は小学生のときに膝を痛めてこの病院に行ったところ、手術をしなければならず、一生松葉杖生活になるといわれたそうだ。セカンドオピニオンという言葉もなかった時代だが、小学生にして一生松葉杖にはしたくないとの父親の思いから別の病院に連れて行かれて事なきを得たという。あのときかの病院で手術を受けていたら父のゴルフ仲間になることさえなかったわけで、何とも恐ろしい話だ。長男である兄を渋谷の日赤病院まで産みに行った母は二男の私は地元の同病院で済ませた。日赤の医師や看護婦は細かい気配りをしてくれ、退院のときにお礼の品を渡そうとしたら断られた一方、同病院では妊婦はほぼ放置状態、痛くても麻酔もかけてもらえず、日赤のことがあったので退院時にお礼の品を渡さなかったら不満そうな顔をされたという。私の実体験をいえば荻窪に住んでいた頃に腹痛で近所の内科医にかかったら「念のため」同病院に検査入院をするようにいわれ、紹介状をもって行ったら一般病棟は空いていないと高い個室に入れられ、レントゲンやらMRIやら、腹痛とはおおよそ関係のない検査を次から次に受けさせられて退院時に法外な料金を請求された。文句をいったら別室に連れて行かれ、クレーム処理担当と思しき人と交渉させられ、多少値引きすることで手を打った。クレームが多いから専門の人を置き、知識のない患者に少額の値引きで手を打たせる役割を担っていたのだろうか。こうした病院が存在を許されること自体が驚きだが、その病院の周辺は戦後に急速に宅地開発が進み人口が増えた地域である一方、ほかに大きな病院がないのも災い(彼らにとっては幸い)しているのだろう。今回の騒動は区長の減給にまで発展し、当該クリニックは指定医療機関を外されたが、くだんの荻窪の内科医と「グル」であることから地元医師会での発言力も相当あるものと想像され、処分が解除されるのも時間の問題だろう。

2018年11月10日土曜日

ひとかけで美味しい

アイドルグループのメンバーを使って「ひとかけで美味しい」などと宣伝して消費を煽るオリーブオイルのCM。オリーブオイルの品質に関する法規制がないのをいいことに、安いサラダオイルと同等の化学処理品を「エクストラバージン」と呼び、それに感化されて色々な食べ物にかけて食べる人の健康など一切考えない食品メーカーのモラルを疑う。オリーブオイルは種から作るほかの植物性の油と違い、本来は実を圧搾した果汁だ。農作物なのでワインと同様、同じ品種でも年によって味や香りが変わるし、小瓶サイズでも百個単位の実を圧搾しなければできないので、小売値で1本千円などというのは到底不可能(小豆島産の「本物」は小さな瓶でも1本5千円くらい)。化学処理はまだいいほうで、大豆油や菜種油、ひまわり油に本物を少しだけ混ぜて、クロロフィルで着色しただけの粗悪品が堂々と流通し、イタリアンマフィアの資金源になっていることは業界では誰もが知る事実。オリーブオイルを扱っている日本のメーカーがそれを知らないはずはない。最大手級の食品会社が本物を食したことがない消費者の無知につけこんでこうした販売手法をとるのだから、日本のメーカーのものは安全などというのは幻想にすぎない。

2018年11月3日土曜日

凋落

我が国首相が中国で受けた冷遇ぶりに、何年か前に某国の外交官が、同国は落ち目の日本などもはや眼中になく、対等に渡り合うべきはアメリカのみと思っているといっていたのを思い出した。外国の公的機関の仕事をしていると予算配分で日本の優先度が落ちていることをひしひしと感じるが、そのことをいちばんわかっているべき日本政府や役人、外交官が実は気づいていないのかもしれない。拉致問題解決に協力を取りつけたといっても中国にとって優先順位が高い問題でないことは明らか。いったい何のために国費を使って出かけて行ったのか。パレスチナ人のデモ隊を実弾で射殺して国際社会から非難を浴びたイスラエルに近づいたと思ったら、今度は野党を解党させて選挙に臨み、やはり国際社会から非難を浴びたカンボジアに文句ひとついわない。たとえ落ち目であっても国際社会からリスペクトされる存在であってほしいと思うが、それも遠のく一方のようだ。