2015年3月28日土曜日

潔癖症

幼馴染のヒロシの実家のとんかつ屋。おじさんが早くに亡くなった後もおばさんが続けている。当のヒロシは大学から青森に行ったきりだったが、先日とんかつを食べに行ったとき、おばさんから今年の春に店を継ぐために東京に戻ってくると聞いた。去年のねぶた祭のときに青森で一人暮らししているアパートに泊めてもらったが、彼が当地で経営しているカラオケボックス同様、塵一つ落ちてない潔癖症ぶりに改めて驚かされた。そのとき彼から母親のとんかつ屋のそうじが行き届いていないと聞かされたが、当のおばさんの方も潔癖症の彼が帰ってくることをちょっと心配しているようで、「あんまりうるさいことをいうからお嫁さんもうんざりしたっちゃんじゃないの。」といった。そういえば彼の口から離婚の理由を聞いたことがない。それにしても潔癖症というのは不思議なもので、遺伝するものでもないようだ。お客の立場でいえば、潔癖症の彼に経営が変わることでテーブルも椅子も昔のままのとんかつ屋がどのように生まれ変わるのか楽しみでもある。

2015年3月7日土曜日

バンコク

商用で久しぶりに訪れたタイのバンコク。当地に駐在した日本人はたいがい帰りたがらず、現地にとどまるために転職したり現地採用に切り替えたりする人もいるが、今回の出張でも当地に定住してしまった日本人にお会いした。かつて大手証券会社のディーラーとして活躍した氏は離婚したオランダ人の妻に財産をすべてとられて(それがオランダの法律という)、一人バンコクで生活している。なぜそれほどタイがいいのか聞くと、テキトーなところと答えた。タイはドイツ人にも人気が高く、昔からその姿をよく見かけるが、知り合いのドイツ人夫妻など、仏教に改宗してしまったというからすごい。日本人とドイツ人の共通点はまじめでよく働くといったところだろうが、私が知るタイにはまってしまった日本人もガリガリ働いていた人たちが多く、母国の環境がそれを許さないだけで、本音のところでは皆テキトーにやりたいのかもしれない。

2015年3月1日日曜日

しなの

名古屋出張の帰りに長野に寄った。「寄った」といっても名古屋から長野まで在来線しかないので、もっとも速い特急しなの号でも3時間かかる。名古屋から3時間といえば新幹線であれば山口県まで行かれてしまう。松本まで2時間で長野まではさらに1時間もかかるが、調べてみると長野から県南部の飯田までは最短でも3時間、鉄道で行こうとすると4時間もかかる。面積が広い上に山で分断されている長野県は県内の移動が大変だが、県庁所在地である長野が北に寄り過ぎているというのも否めない。かつては県を南北に分割するという議論があったそうだが、分割しないのであればより中心に近い松本に県庁を置くのが妥当だろう。中央線沿線に住み、松本の方がなじみが深い者としてはなおさらそう思う。