2017年7月30日日曜日

経済観念

国会の閉会中審査に出て来た愛媛県の前知事が「今治に獣医学部を作ってくれるなら黒い猫でも白い猫でも構わなかった」と発言するなりふり構わなさぶりを見て、こんな経済観念の人が行政の長だったら国も地方も大変なことになると思った。獣医学部を誘致した今治市は学園側に時価36億円を超える市有地を無償で譲渡し、さらに192億円の総事業費の補助として県と市で合わせて96億円支出するそうだ。今治市民一世帯当り14万円の負担とか、投資回収に320年かかるとかいわれているが、経済合理性の説明はまったく聞かれない。これが国全体に利益をもたらすならthank youということになるが、獣医学部の教員が不足し、獣医師の働き口が足りないのであればマイナスの影響しか考えられない。「岩盤規制」について語り、首相が友人に便宜を図ったか否かという問題の本質から目をそらすために国会に引っ張り出されてきたものと思うが、規制緩和は経済の活性化が目的であって、特定の個人への便宜の供与や財政をますます逼迫させる公費の無駄遣いにつながるようではやらない方がましだろう。

2017年7月29日土曜日

無風議員

参考人招致や閉会中審査を拒んで疑惑隠しに必死になり、自らがタバコを吸いたいからと、WHOの勧告に基づいた喫煙規制に反対した与党の国対委員長、暴言・暴行問題を引き起こした議員を擁護する与党総務会長、そして問題が絶えなかった前防衛大臣。こうしたイタい人たちが国会議員になり、そうした地位に上りつめられたのは自民党の候補であれば誰でも当選する選挙区を地盤としていることと無縁ではないだろう。当選回数を重ねればそれなりの地位に就き、発言力をもつことができる。しかし資質に疑問のある人物が政府あるいは与党の重要なポストに就くのは国としてはマイナスにほかならない。彼の国対委員長と総務会長を選出している山陰の人に聞いてみると、「あんなの自民党でなければ誰も投票しない」といっていたので、本音のところでは恥ずかしいと思っているようだ。それにしても競争がないとクオリティが落ちるというのは政治の世界も同じなようだ。

2017年7月23日日曜日

ヒアリ

日本人が得意な過剰反応。今度は「ヒアリ」騒動で蟻の殺虫剤が爆発的に売れているという。2009年の豚インフルエンザのときと同じく、公共放送をはじめとするメディアが「かまれたら死に至る可能性がある」などと騒ぎ立てているのが原因と思われるが、実に反省のない人たちだ。日本の在来種の蟻はヒアリに負けるほどやわではないという。ヒアリが発見もされていない場所で在来種の蟻を殺虫剤で殺してしまったら、それこそヒアリがますます勢力を広げるだけだろう。殺虫剤メーカーはここぞとばかりに増産態勢を敷いているとのことだが、生態系を崩さないための啓蒙よりも金儲けを優先させる姿勢は頂けない。

2017年7月22日土曜日

一蘭

台湾で6000台湾ドル(約2万2000円)の商品を購入すれば、2人まで優先的に席に案内されるというサービスを行おうとして批判に晒された博多のラーメンチェーン。日本で実施している同様のサービスの2倍の価格設定という。このラーメン屋は博多の本店に行ったことがあるが、1階はお土産コーナーになっていて、ふつうにラーメンを食べようと思うと2階に上がって食券を買い、麺の硬さなどの好みを紙に書き込んで店員に渡さなければならない。また、グループ客の長居を防ぐためか、各席が仕切りで区切られ、客が店員に話しかけられないようにするためか、席の前面が壁になっていて、紙を渡すときとできたラーメンを受け取るときにだけ前の小窓が開く。つまり客は店員の顔が見えず、壁に向かってラーメンを食べることになる。また、大阪や東京の店は家賃を節約する為か、たいがい地下にあったりする。ここまで「金儲け主義」臭がするのは日本人の美意識に合わない気もするが、それでも人気なのだから何の文句があるのかといわれてしまうかもしれない。

2017年7月15日土曜日

過剰サービス?

人手不足と長時間労働が問題になっているという宅配業界。会社で利用している業者の配達員から運賃の値上げをしたいといわれた。一方的な通告ではなく、値上げ幅についても交渉の余地を与えるのが関西系らしい。商用でこの会社を訪問した際にネット通販は単価が安いのでやらないと聞き、客単価を引き上げなければ人の工面も難しいことが想像された。ネット通販では一定金額以上買うと送料が無料になることが多いが、それがそれほど大きな額でなかったりするので、宅配業者に相当な価格圧力が加えられていることが想像される。安い単価で再配達などさせられたらたまったものではないだろう。倉庫が火事を起こした文具のネット販売業者は午前中に頼むと午後に届く。しかも送料が無料になる購入額がやたらと低い。便利といえば便利だが、こうして利用者を甘やかすことが運送会社に過大な負担をかけているような気もする。

2017年7月9日日曜日

モンテッソーリ

甥が幼稚園に入る頃から耳にしだした「モンテッソーリ」なるもの。幼馴染からも奥さんが息子をモンテッソーリの幼稚園に入れると言い張っていると聞いたが、所詮一時的な流行りくらいに思っていた。自分が通っていた幼稚園でどのような教育を受けたかも思い出せないし、それがその後の人生に影響を与えたとも思えなかった。また、優秀な子はどのような幼稚園に通おうとも(あるいは幼稚園に通わずとも)いずれ頭角を現すように思えた。ところが将棋の藤井総太四段がモンテッソーリ教育を受けていたと聞き、少し見方を改めた。好きな遊びを好きなだけやらせて達成感を感じさせるのが教育方針というが、それが彼を将棋に没頭させ、集中力を高めたのかもしれない。ただ、好きなことにのめり込んでそれを生業にできるレベルに達するにはもって生まれた能力というか才能もあるだろうから、ふつうのサラリーマンになる人はあまり関係ないかもしれない。

2017年7月1日土曜日

LCC

新幹線嫌いな私は出張で飛行機を利用することが多い。大手航空会社2社の寡占だからか新幹線との競合がない都市との便は全体として料金が高く、特に変更がきく正規の料金はやたらと高い。高松での面談が終わり、空港に向かう途中で携帯から「株主割引」でフライトの予約を行った後、ふと思い立って格安航空会社(LCC)のサイトを覗いたところ、羽田ではなく成田行きではあるが、大手の株主割引のさらに半額で帰れることがわかった。時間に余裕もあったので一度試してみようと大手の方をキャンセルをして、LCCの便を予約し直した。実際乗ってみると座席のピッチが多少狭いように感じたが、所詮1時間余りのフライトだし、足が長い方でもないので快適に目的地に戻ることができた。ただ、成田に着いてオフィスのある日本橋まで電車で向かおうとしたら、駅までやたらと長い距離を歩かされた。ほとんど嫌がらせと思えるくらい遠いところにLCC専用ターミナルを作ったようで、重い荷物をもっての移動はきつい。同ターミナルにはバスが乗り入れているので、東京に住んでいる者が利用する場合は時間に余裕をもってバスで移動するのがいいようだ。出張に使うのであれば、余分にかかる時間と価格との兼ね合いで判断することになるだろう。