2012年5月26日土曜日

Dr. Nakamats

米国系航空会社の国際線の機内エンターテインメントで表題のビデオ番組をやっていて、これが意外に面白かった。いわずと知れた発明家の中松義郎氏について取り上げた番組だが、ご本人が英語で自分の名字をつづるときに語尾に”u”をつけないらしい。中松氏は私が子どもの頃から都知事選に立候補していたため、当時の選挙ポスターの顔写真が印象に残っているが、このビデオ番組を見て“変わったおじさん”というイメージしかなかった氏が結構まじめ?なものもたくさん発明していることを知った。80歳を過ぎてもなお元気な中松氏は150歳まで生きるつもりだそうだが、「人間、一日一食で十分。一日に三食も食べたらどんどんと老化が進むだけ」、「そもそも頭を使っていればお腹など空かない」とか、「睡眠は一日4時間で十分」といった氏の言葉に我が身を振り返ってどきりとした。ただ水泳を日課とする氏が「人間、体に酸素を取り込み過ぎると頭の働きが悪くなる。死ぬぎりぎりのところですいごい発想が生まれる」といって窒息寸前まで潜水している姿にはちょっと共感できなかった。

2012年5月19日土曜日

アイスランド4

アイスランドの英字紙に掲載されていたトップ記事は中国の温家宝首相の同国訪問に関するもの。日本ではアイスランドの話題すら日頃あまり耳にしないが、中国は国の大きさとは関係なく、自国にとっての戦略的に重要であれば首相を送り込んでくるのだからたいしたものだ。記事によると訪問の成果は北極圏の調査活動における協力、地熱発電の共同研究及び東アフリカなどの発展途上国での開発協力、アイスランドでのソーラーパネル用シリコンの生産(同国では水と電気が潤沢で安い)、両国の相互投資の促進、等々。今回欧州をまわって当地の企業の中国熱の高さを再認識したが、(彼らが思っているほど参入が容易かは別として)巨大な成長市場を武器に次々に国益を実現していく中国の貪欲さには驚く。良し悪しは別として、戦略が見えぬままお金をばらまき、お公家さんのような外交官ばかり抱えている国には到底できない芸当だろう。それにしてもこの新聞の一面(写真)、下方に書かれている文字らしきものが漢字のようで漢字になっていない…。

2012年5月12日土曜日

アイスランド3

日本を発つ前にフジテレビの番組で当地の地熱発電が紹介されていたが、水力、地熱などの再生可能エネルギーだけで国全体の電力需要が満たされ、しかも余っているというからうらやましい。フジテレビのクルーにアテンドしたガイドさんにレイキャビク周辺を案内してもらったが、日本は同じ火山国でアイスランドで使われている発電設備は日本製(三菱)なのに、なぜもっと地熱発電をやらないのかと聞かれ答えに窮した。「既得権益にがんじがらめで政府が合理的な判断ができない」というのはあまりに格好が悪くていえない。アイスランドは中国で世界最大の地熱発電所の建設に協力しているというが、この分野でも日本のプレゼンスはますます小さくなっていってしまうのだろうか…。

アイスランド2

アイスランドの売店で見かけた揚げ菓子。どっからどう見ても沖縄のサーターアンダギー。食べてみると味も食感もそっくり。Astarpungur(発音不明)という伝統菓子だそうで、沖縄から伝わったわけではなさそう。地球の裏側での思わぬ発見。

アイスランド1

イギリス出張の合間に立ち寄ったアイスランド。想像していた通り風光明媚な美しい国で、空気も水も実に美味しい。さすが北欧で、通信などのインフラも完璧に整備され、どこでもクレジットカードが使えるので、途中で立ち寄ったノルウェーと同様、一度も両替をしていない(従って当地の紙幣や硬貨を一度も見ていない)。人の多い国で生活しているとこうしたところは本当に落ち着く。

2012年5月5日土曜日

Longs

ベルファストにある行きつけのフィッシュ&チップス屋。東京のイギリス大使館に勤める知人から、イギリスで1位にランキングされたと聞いた。自分の味覚が正しかったとちょっと嬉しく思った反面、年に一度の出張でしか訪れる機会がないのに、行列ができる店なんかになっていたらいやだなと思った。 先日1年ぶりの出張で当地を訪れ、グレートビクトリア駅の近くの裏路地にある店を訪ねると、何も変わった様子がなく、客の姿もまばら。これが日本だったら全国から一見客が押し寄せて大行列になっているだろう。店側も1位になったと宣伝している様子もない。これも国民性の違いなのか。 考えてみれば地元に固定客をもつお店にとって一見は有難くない存在。家の近所の定食屋はテレビで著名な料理研究家に「メンチカツが絶品」などといわれて一見客が押し寄せ、地元客が入りづらくなったことがあった。最近、某グルメ雑誌で私の地元が紹介されたが、やはりいちばん支持されている店は取材に応じなかったのか、載っていなかった。 よく「雑誌に取り上げられた」などと店の前に記事を貼りだしている店を見かけるが、私などは黙っていても客が入る店ではないのだと、逆に避けてしまう。ベルファストのこの店も、全国1位になって浮かれている様子もなく、黙々と地元客相手の商売を続けている様子に好感をもった。