2017年2月25日土曜日

情報鎖国

シンガポールでイギリスBBCのテレビ番組を見ていると、日本の首相のアメリカ大統領に対する過度な「すりすりぶり」について補佐官が一生懸命釈明している様子が流れた。アメリカ大統領の問題ある言動にモノ申すこともなく、ただ追従する姿勢を示すのは世界的にみればみっともない行為だが、日本では首相の訪米を評価する論調が多いことに驚く。多くの日本人は尖閣の防衛で成果があったと思っているかもしれないが、そもそも当事国から助けを求められているわけでもないのに南シナ海の問題に口出ししたことで尖閣沖の領海侵犯を煽り、それに対応する術もないことを露呈するとともに余計にアメリカに庇護を求めなければならなくなったというのが正しい見方ではないだろうか。成果どころかその見返りに要求される内容によっては国益を損なう恐れがあるだろう。日本のマスメディアから外国情報が消え、ある種の「情報鎖国化」が進んでいるといわれるが、日本人が気づかないところで他国の人々と感覚のずれが生じて国が変な方向に進んでいってしまうのは避けてもらいたい。