2018年12月28日金曜日

紀土

和歌山の酒造メーカーの跡取りが開発したという日本酒。当地での宴席で飲んでそのフルーティーな美味しさの虜になり、いつのまにかお替りを繰り返した。何杯飲んだかもわからなくなった頃、宴席をもうけてくれた会社の役員がそそくさと会計に行き、帰りの車を用意してくれた。ちょっとやり過ぎたか…。ホテルに戻るとそのまま翌朝まで意識が戻らなかったが、見るとちゃんと着替えはしていてスーツはハンガーにかかっていた。酔っぱらいながらもやることをやっていたようで、我ながら感心。自分で仕事を始めてからは同僚と飲みに行く機会も少なく、こうした機会についついやり過ぎてしまう。以前、福山で同じことをやらかしたことを思い出したが、あのときはスナックでウィスキーだった。後で聞くとその和歌山の日本酒の銘柄は紀土(キッド)というそうだ。紀州の「紀」の字から取っているであろうネーミングのセンスはいかがなものかと思うが味はすばらしく、家にあったら一人で夜な夜な晩酌してしまいそうだ。

2018年12月23日日曜日

ふるさと納税

地元産ですらない物で人を釣る返礼品合戦になり、本来の趣旨を逸脱しかけていたふるさと納税も、ルール作りによってようやく正常化するのかもしれないが、ふるさと納税サイトを見る限り、返礼品のレビューまで載っていてショッピングサイトと見間違う。かくいう私もそれを利用しているが、今年は現地に行った際に食べ損ねた高知・四万十のうなぎが出ていたのでさっそく注文、もとい納税した。あとはこれまでの経験から生ものや冷蔵品は避け、好物の栗を使った食品を何種類か注文した。同じ干し芋でも本場茨城のものとほかの県のものはまったく味が違い、納税がてら食べ比べられるのもふるさと納税ならでは。生まれ育った地元の区には申し訳ないが、支払っている税金分の受益をしているとは思えないので許してもらいたい。

2018年12月16日日曜日

Qwant

フランス政府がグーグルの利用を中止したとのニュースに、同社のウェブメール(Gmail)からメールを送ったアメリカの友人に私からメールが来た後、やたら日本語のネット広告が表示されるようになったといわれたことを思い出した。検索エンジンに始まり、利便性が高いさまざまなサービスを無償で提供しているグーグルはその対価として我々の個人情報を日々抜き取っていることを改めて思い起こさせた。「オッケーグーグル」などと能天気なことをいっている場合ではない。LINEもしかりでスマホにあるデータへのアクセスを許すことで自分のみならず友人・知人の電話番号やらメールアドレスも抜き取り放題。プライバシー保護法で日本企業の手足を縛りつつ、ネットは無法状態のまま放置という日本の政府はまさに外国企業に塩を送っているようなものだが、データの重要性にいち早く気づき、使い勝手のいいサービスで客を囲い込んだ上でそれを抜き取るという手法を考えたアメリカや韓国の企業の方がよほど賢かったわけだ。

2018年12月8日土曜日

役員報酬

ソニー時代の気心の知れた友人との久しぶりの飲み会。1990年代に役員を務めた人物が、人員を一律30%削減する大リストラを断行した現社長が8億円もの報酬を受け取るのはおかしいといっていたと聞いた。リストラをされた側の人がいうのならわかるが、バブル期の大量採用や放漫経営でそのような荒療治をしなければならない原因を作り出した過去の経営陣が批判するのはどうみてもおかしい。バブルの後始末で自力再生が難しい工場の売却を担当していた私を批判していたのもまさに原因を作り出した当時の幹部たちで、彼らは退職した後も株主総会に出てきては発言しようとすると聞く(顔が割れているので手を挙げても指されないそうだが)。ワンマン経営者の意に沿って黒いものも白といって会社を傾け、しっかり退職金をもらってやめていった人たちは、彼らの犠牲となった多くの社員に思いをはせ、おとなしく隠居生活を送るべきだろう。まともな経営感覚をもった人で彼らのやったことを「白」とする人などいないのだから。

2018年12月1日土曜日

移民鎖国

東京入国管理局が近隣の路上や橋に書かれた"Free Refugees"(難民を解放せよ)という落書きに公式ツイッターで反応したことで逆に多くの日本人が知ることになった同局による人権侵害。時を同じくしてこうした後進国的実態を是正しようともしない現政権が日系4世を受け入れるために新たにもうけた所謂「4世ビザ」制度が年4千人の来日どころか、日系人に総スカンを食っているという記事を読んだ。以前イギリスに入国する際に滞在目的など根掘り葉掘り聞かれ、「おめえの国が不法滞在したいほど魅力的な国だとでも思っているのかい!」といいたくなったものだが、同じ島国で栄光をきわめた時期のあった日本も同じ勘違いをしている人が多いのかもしれない。人口が減り、落ち目のスパイラルに入った国は過去の栄光が残っている間にその国に住みたいという(問題のない)人たちを積極的に受け入れなければ衰退が加速するだけ。ブレグジットで凋落していくイギリスの姿を見てそのことに気づいてももう遅いだろう。

2018年11月24日土曜日

日産

名経営者から容疑者への転落。社外取締役を務めていた会社で目標未達の場合トップは引責すべきといっておきながら、自社が未達でも責任を取らなかった人物なので、私はもとから信用していなかったが、一時期もてはやされた経営者が有価証券報告書への虚偽記載の嫌疑がかけられるというのは驚きだ。ルノーとの合併に反対する日産の日本人幹部による「クーデター」との見方があったようだが、かけられた嫌疑が事実であるならそれが明るみになった経緯は問題ではない。それにしても誰もNOといえないワンマン経営ぶりを聞くと私が社会人になって最初に勤めた電機メーカーの当時の状況を思い出さずにはいられない。いうことを聞かなければ粛清される恐怖政治を敷けば同じような状況は簡単に作り出される。日本にはこうした「小さな北朝鮮」が多くあるものと想像する。

2018年11月18日日曜日

シニキタ

区の肺がん検診で実施要領に反して専門外医師に判定をさせていた地元の総合病院系のクリニックが繰り返しがんを見落として複数の受診者を死亡させたと報じられた。地元で「シニキタ」と揶揄される病院系列なので、いかにもやらかしそうと思ったのは私だけではないだろう。近くで育った80歳近い亡父の元ゴルフ仲間は小学生のときに膝を痛めてこの病院に行ったところ、手術をしなければならず、一生松葉杖生活になるといわれたそうだ。セカンドオピニオンという言葉もなかった時代だが、小学生にして一生松葉杖にはしたくないとの父親の思いから別の病院に連れて行かれて事なきを得たという。あのときかの病院で手術を受けていたら父のゴルフ仲間になることさえなかったわけで、何とも恐ろしい話だ。長男である兄を渋谷の日赤病院まで産みに行った母は二男の私は地元の同病院で済ませた。日赤の医師や看護婦は細かい気配りをしてくれ、退院のときにお礼の品を渡そうとしたら断られた一方、同病院では妊婦はほぼ放置状態、痛くても麻酔もかけてもらえず、日赤のことがあったので退院時にお礼の品を渡さなかったら不満そうな顔をされたという。私の実体験をいえば荻窪に住んでいた頃に腹痛で近所の内科医にかかったら「念のため」同病院に検査入院をするようにいわれ、紹介状をもって行ったら一般病棟は空いていないと高い個室に入れられ、レントゲンやらMRIやら、腹痛とはおおよそ関係のない検査を次から次に受けさせられて退院時に法外な料金を請求された。文句をいったら別室に連れて行かれ、クレーム処理担当と思しき人と交渉させられ、多少値引きすることで手を打った。クレームが多いから専門の人を置き、知識のない患者に少額の値引きで手を打たせる役割を担っていたのだろうか。こうした病院が存在を許されること自体が驚きだが、その病院の周辺は戦後に急速に宅地開発が進み人口が増えた地域である一方、ほかに大きな病院がないのも災い(彼らにとっては幸い)しているのだろう。今回の騒動は区長の減給にまで発展し、当該クリニックは指定医療機関を外されたが、くだんの荻窪の内科医と「グル」であることから地元医師会での発言力も相当あるものと想像され、処分が解除されるのも時間の問題だろう。

2018年11月10日土曜日

ひとかけで美味しい

アイドルグループのメンバーを使って「ひとかけで美味しい」などと宣伝して消費を煽るオリーブオイルのCM。オリーブオイルの品質に関する法規制がないのをいいことに、安いサラダオイルと同等の化学処理品を「エクストラバージン」と呼び、それに感化されて色々な食べ物にかけて食べる人の健康など一切考えない食品メーカーのモラルを疑う。オリーブオイルは種から作るほかの植物性の油と違い、本来は実を圧搾した果汁だ。農作物なのでワインと同様、同じ品種でも年によって味や香りが変わるし、小瓶サイズでも百個単位の実を圧搾しなければできないので、小売値で1本千円などというのは到底不可能(小豆島産の「本物」は小さな瓶でも1本5千円くらい)。化学処理はまだいいほうで、大豆油や菜種油、ひまわり油に本物を少しだけ混ぜて、クロロフィルで着色しただけの粗悪品が堂々と流通し、イタリアンマフィアの資金源になっていることは業界では誰もが知る事実。オリーブオイルを扱っている日本のメーカーがそれを知らないはずはない。最大手級の食品会社が本物を食したことがない消費者の無知につけこんでこうした販売手法をとるのだから、日本のメーカーのものは安全などというのは幻想にすぎない。

2018年11月3日土曜日

凋落

我が国首相が中国で受けた冷遇ぶりに、何年か前に某国の外交官が、同国は落ち目の日本などもはや眼中になく、対等に渡り合うべきはアメリカのみと思っているといっていたのを思い出した。外国の公的機関の仕事をしていると予算配分で日本の優先度が落ちていることをひしひしと感じるが、そのことをいちばんわかっているべき日本政府や役人、外交官が実は気づいていないのかもしれない。拉致問題解決に協力を取りつけたといっても中国にとって優先順位が高い問題でないことは明らか。いったい何のために国費を使って出かけて行ったのか。パレスチナ人のデモ隊を実弾で射殺して国際社会から非難を浴びたイスラエルに近づいたと思ったら、今度は野党を解党させて選挙に臨み、やはり国際社会から非難を浴びたカンボジアに文句ひとついわない。たとえ落ち目であっても国際社会からリスペクトされる存在であってほしいと思うが、それも遠のく一方のようだ。

2018年10月28日日曜日

個人情報

個人情報保護が厳しくなる一方でゆるゆるなのがオンラインでの情報収集。生活する上で必需品になりつつあるスマホやソーシャルメディア、アプリ等に登録する場合、否応なしにアクセスしているサイトやアドレス帳に保存している連絡先の情報、果ては居場所やメールなどのメッセージへのアクセスを許可するよう要求される。それこそ個人情報保護法がカバーしているのとは比較にならないくらいセンシティブな情報ばかりだが、よくハッキングにあって情報が流出しているにもかかわらず、行政指導を受けたのはフェイスブックが一回のみ。ほとんどは個人データの価値をよく認識している外国の企業が収集・利用しているものだが、個人情報を保護したいのであれば、むしろ彼らが日々政府要人を含む日本国民の一挙手一投足の情報を収集するのをしっかりと規制すべきだろう。

2018年10月21日日曜日

軽減税率

IMFの専務理事にダメ出しされるまでもなく我々日本人が理解すべき、たかだか2%の「軽減税率」の馬鹿さ加減。何ちゃらノミクスで貧富の格差が広がる中、費用対効果を理解できない人々を強固な支持基盤にもつ少数与党に配慮しての選挙対策と思われるが、こうしたバカげたことをやり続ける国の先行きが心配になる。これまで日本のメーカーのものを使い続けていたノートパソコンとスマホ。最近図らずもアメリカと中国のメーカーのものに買い替えたが、それらの性能の高さに驚かされた。未だに「モノづくり日本」などと世間知らずなことをいい続けている我が国の公共放送を見ていると危機感がわきづらいが、ガラパゴスの日本市場の中で守られながら競ってきた企業ではついていかれないくらい変化が速い時代になってしまったようだ。企業も国も合理的な判断ができるところが勝ち、できないところが負けるのは自明。民主主義やその根幹を成す報道の自由も微妙になってきたこの国がG7にいる資格のない国に転落するのも時間の問題のように思えてくる。

2018年10月14日日曜日

築地ねずみ問題

築地に巣食うねずみが外に出ないようにと外壁を作ったというニュースを聞いて、山口県で行方不明になった2歳児を探すために山林の上空にヘリコプターを飛ばしたという話を思い出した。木の陰に隠れてしまう小さな2歳児を上空から見つけようとするなど何て無意味なことにお金を使っているのだろうと思っていたら、自分の足で山を探しに行ったボランティアの人が30分で見つけてしまった。築地の壁もごく一時的な効果はあっても排水溝を徘徊するねずみが「地下ルート」で出てしまうのを防ぐことはできない。これも何かやっている感を出すために東京都が考えたことなのだろう(小学生の甥っ子が誰から聞いてきたのか都知事のことを「緑のたぬき」というのを聞いて思わず笑ってしまった)。明治時代にペストが流行したとき、淡路島で野良猫を退治した村では多くの人が犠牲となり、しなかった村では感染者が出なかったという話を聞いたことがある。どうせ壁を作るのなら野良猫を中に放てばいいのではないだろうか。その後都心に野良猫が戻れば、ねずみが火事を起こすだの、病気を媒介するなどと大騒ぎする必要もなくなるかもしれない。猫を迷惑に思う人もいるかもしれないが、ねずみとどちらを取るかといえば答は明らかだろう。

2018年10月6日土曜日

ポピュリスト

自分に対する批判に感情的に反応する幼稚さ。そのときどきの都合でいうことをコロコロ変える軽さ。総裁選で何人もの議員にカツカレーを食い逃げされる人望のなさ。どこかの国の大統領と共通点が多いように見えるが、決定的に違うのはかの国の大統領が就任から2年経たないうちに(その良し悪しは別として)公約を実現しているのに対して、就任して6年経っても必ず解決するといっていた北方領土問題は相手にいいとこ取りされただけ、拉致問題に至っては完全に蚊帳の外に置かれるなど、進展どころか後退している始末。頼み綱の経済政策は安定運用が大原則の国民の年金を株式に投じる禁じ手を使い、日銀が並み居る上場企業の大株主になるまでお金をつっこんで「景気回復感」を演出したのももはや限界。人口が減り、経済の活性化を阻む不合理な規制を緩和しない(政権与党が既得権益を支持基盤としていることからすれば当然)中で経済成長など望むべくもなく、インバウンド頼み、ギャンブル頼みに走ってしまった。外交面では国会をさぼって外遊を繰り返して「頑張っている感」を出そうとしているように見えるが成果が見えず、旧来の見返りなきバラマキ外交の負担を負わされるのが国民であるのはいうまでもない。国防面ではポピュリストの本領を発揮して威勢のいいことをいっているが、経済力なくして国防は成り立たず、OECDの基調演説で「これからは基礎研究ではなく実践的研究の人材育成に力を入れていく」などと経済力の源泉の何たるかを理解していない発言をして出席者をのけぞらせたくらいなので、彼の長期政権のつけは必ずや次の世代にまわってくることだろう。何年か前に彼を評して「自分が政権にある間さえよければいいという考えの人」と評していた元銀行マンの評は実に的を得ていたと今さらながら思う。

2018年9月30日日曜日

フライトアテンダント

アメリカに一時帰国する日本在住の友人。今回もアメリカの航空会社利用だが、アジア系の航空会社の方がいいという私に賛同した。私は食事やサービスのことをいったのだが、彼のいう通り、フライトアテンダントが若くてきれいというのも事実。ただ、アメリカの航空会社が平均年齢が高いわけではなく、アジアとアメリカを結ぶ太平洋路線に年配のアテンダントが集中しているだけだ。そうなるのにはわかりやすい理由がある。アメリカの航空会社は飛行時間に応じて給与が払われ、しかも年功序列なため、1回の飛行時間が長く、効率的に勤務時間を消化できる路線に年配のアテンダントが集まるのだ。アメリカの航空会社の大西洋路線でヨーロッパに行ったことがある人であれば、フライトアテンダントの平均年齢がぐっと低いことに気づくだろう。アジア系の航空会社の中でもフライトアテンダントを使って効果的な集客を行っているのがオーナー一家のパワハラで話題となった韓国の航空会社だろう。岡山駅前のコンビニに行くと近くのホテルを定宿とする同社のアテンダントが制服姿のまま買い物に来ているのを見かける。よくここまでそろえたと思うくらい皆スタイルがよく美形。しかも日本の航空会社のような地味でダサダサな制服とは対照的な洗練されたデザインの制服が美貌をさらに引き立てる。韓国の航空会社は制服姿のまま外を歩かせることで効果的な宣伝を行っているが、日本の航空会社は制服のまま外を出歩くこと自体を禁じているそうだ。

2018年9月22日土曜日

引き際

一世を風靡した人気歌手がまだまだやれそうなときに引退を決意し、「ステージに戻らない」と宣言するのは何とも潔い。特にアイドル系は若いときの姿を記憶にとどめてもらう方がいいのかもしれない。実力のある歌手であれば歌い続けるのも選択肢だが、全盛期を知っている歌手が声量が衰えたり歌が下手になっていくのを見るのは痛々しく、何とも寂しい気分になる。人前で歌い続けるのであればトレーニングをして「衰えた」感を出さないでもらいたいし、それができなくなったらコアなファン向けにコンサートをやり続ける往年の人気歌手のように、あまり露出のない形で活動を続けた方がいい気がする。

2018年9月15日土曜日

育毛商売

ネットで見かけた「育毛」に関するサイト。抜け毛の原因として挙げているのが食生活、ストレス、遺伝、喫煙、飲酒、不規則な生活、不適切なヘアケアなど。育毛の専門家であれば抜け毛の最大の原因がシャンプーに含まれる界面活性剤であることを知らないはずがないのに何と偽善的。一大広告主である大手家電量販店がブラック企業ランキングの1位になったとたん、日本のメディア全体がブラック企業ランキング自体の報道をしなくなったのは記憶に新しいが、しょっちゅうテレビCMを流しているシャンプーメーカーと事を構えるメディアなどまずいないだろうから、まさに札束で頬を叩かれているようなものだ。かわいそうなのは何も知らずにシャンプーを使い続け、さらに育毛にお金をかけさせられる「マッチ・ポンプ」な人たちだろう。

2018年9月8日土曜日

停電

先週、出張先の札幌でお会いした地元金融機関の人から北海道の中でも道央は地震がないんですよといわれた矢先に起きた大地震。阪神大震災のときも同じような話を聞いたことを思い出した。長年地震がなかったことをもって地震が起きないというのは科学的ではなく、プレートがぶつかる場所にある日本はどこでも起きうるというのが正しいのだろう。台風の被害があった関西でも停電が起きたそうだが、何のバックアップもないまま北海道全土で停電したのは驚きだった。日本は電力会社が大きな力を持ち、小売の自由化も骨抜き状態だが、政府が本当に国民の利益を考えていたら電力の地産地消を進めていることだろう。各地に十分な数の太陽光や小型風車などの発電機と蓄電池を確保して電力を融通し合い、電力会社がバックアップを確保すれば今回のような災難は起きない。それをわかっているのにやらないところに既得権益が優先するこの国の後進性を感じる。

2018年9月1日土曜日

ご婚約

思わぬ展開を見せた内親王の婚約問題。世間知らずな皇族のお嬢様と野心家の青年が展開するドラマは、不謹慎ながら傍観者としては見ていて面白い。このような事態に至って思い出すのが二人の婚約が発表された頃の周りの反応だ。ある人は「あの男は上昇志向が強い」、またある人は「あれは一般人でも“事故物件”の相手」と青年に批判的で、今起きていることを予感させるようなことをいっていた。方や私は当初のマスコミの好意的な報道を何の疑問ももたずに受け入れていたのだから、相当人を見る目がないのか(あるいは人一倍素直なのか)。安定した職に就いていないのに内親王にプロポーズする大胆さが強い思いからのものであればあえて邪推する必要もなく、親の反対を押し切ってでも結婚するのであれば、あとはどのような結果になっても内親王の自己責任というわけにはいかないのだろうか。

2018年8月25日土曜日

甲子園

今年の夏の甲子園は秋田の県立高校の活躍で久しぶりに興味がわいたが、最後は他県から選手を集め、交代要員も潤沢な私立高校に負け、やはり高校野球はつまらないという思いが残った。秋田の高校が「県内出身者のみで構成されたチーム」として話題になったが、そもそも高校野球とはそういうものではなかったのだろうか。他県から選手を集めてプロを目指させるセミプロ集団と地元の野球好きの子が集まるふつうのチームを同じ土俵で対戦させるのがフェアなのか。10年以上前に高知の飲み屋のおばちゃんが甲子園に出ている地元の高校について「高知の子が一人でもいたら応援する気になるんだけど」といっていたのを思い出すが、地域代表を名乗るのであれば、せめてプロ野球の外国人選手枠並みに他県からの「野球留学生」を制限すべきだろう。

2018年8月19日日曜日

ポツダム宣言

ポツダム宣言について取り上げた池上彰氏のテレビ番組は実に興味深かった。日本で教育を受けているとポツダム会談のおもな議題が欧州の戦後処理だったことや、ソ連が参戦して日本に攻撃を加えるという密約を米英と交わし、欧州に派遣されていた日本陸軍の大使館員(諜報員)がその情報を得て本部に報告していたにもかかわらず、本部がこれを無視した事実を知ることはないだろう。当時の日本政府はポツダム宣言の趣旨を正確に理解しなかったばかりか、中立条約を破棄する意図を知られないように署名しなかっただけのソ連が米英との間を仲介してくれると思い、回答をしない間に広島と長崎に原爆が落とされ、ソ連が満州に侵攻した。指導部がまともな判断ができていたらどれだけの人の命が救われただろうか。ただでさえ「世間知らず」になりがちな島国だが、あれから73年、日本は外交面で少しはまともになっているのだろうか。対ロ政策含め、ことごとく失敗しているとしか思えない現政権を見ると何とも心もとない。

2018年8月11日土曜日

日航機事故

毎年御巣鷹の事故の日が近づくと全面的に責任を引き受けるかのような行動に出る日本航空。しかしあの惨事の原因はボーイング社による圧力隔壁の修理ミスではなかったのか。アメリカ政府を後ろ盾に航空業界で強大な権力を握ってきたボーイング社に対する日本国挙げての気遣いがあるとしたら、事故の犠牲者はうかばれない。数年前、日本航空がボーイング社の大型旅客機「B777」の後継機種として欧州エアバス社の最新機種を選んだことに少し安堵した。航空機の安全を守るべき監督官庁の役人がボーイング社からもらったと思しきロゴ入りのネックストラップにIDカードを入れて仕事をしているくらいの「ずぶずぶ」ぶりだが、いくら我が国がアメリカの準属国であったとしても、あれほどの事故を起こしたメーカーから航空機を買い続けるのはいかがなものかと思っていた。日本航空がエアバスへの乗り換えを決めたのは5年前のオバマ政権の時代のこと。これが今のアメリカ大統領になってからだとしたら、国を挙げての忖度が働いて別の判断になっていたかもしれない。

2018年8月4日土曜日

東アジア情勢

産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏の東アジア情勢に関する講演は実に興味深かった。毎日新聞20年、産経新聞20年という異色のキャリアをもち、アメリカの政権の内情にも通じている。何となく想像はついていたが、かの国の独裁者がそれまでの態度を一変させ、アメリカとの首脳会談を切望したのは、アメリカが『限定的手段』と呼ぶ、いわゆる斬首作戦を本当にやりかねないとビビったからとのこと。それで人質として取られていたアメリカ人を解放させ、朝鮮戦争で亡くなった米兵の遺骨を返還させたのだから、「最大限の圧力」と何とかの一つ覚えのように言い続けている間に完全に蚊帳の外に置かれてしまった我が国の首相とは対照的だ(さすがにピタッと言わなくなったが)。中国に対する姿勢も歴代の大統領の融和政策が明らかに失敗したとの認識からだそうだが、実際に行動に移すところも威勢のいいことをいうだけのポピュリスト首相とは対照的だ。ちなみに我が国のメディアは尖閣周辺の領海を繰り返し侵犯している中国の船を「公船」と呼んでいるが、実は戦闘能力がある立派な武装船だそうで、武力で一気に島を乗っ取るかはわからないものの、侵犯されても成すすべのない日本の施政権下にはないと宣言するのは時間の問題とのこと。日本を取り巻く国際環境は非常に厳しいものがあるという言葉が重く響いた。

2018年7月28日土曜日

おやじギャグ?

高校の同級生が「今さらジロー」というギャグをいって相手にきょとんとされたという話をSNSに投稿していた。それに呼応して彼の友人と思しき人が「ベッケン(別件)バウアーというのも流行っていた」とコメントし、何人かが賛同していたが、彼らと同年代であるはずの私はいずれも一度も聞いたことがない。考えてみれば同級生が身を置いたのが金融業界だったのに対し、私は(初めは)メーカー。テレビなどの媒体を通じて流行る言葉でない限り広がりはなく、特定の業界でのみ流行る言葉があるものと推察される。もっといえば同じ職種の間でのみで使われる言葉もあるようで、メーカー時代に海外営業を担当している人から外国人のお客さんと食事をすることを『横飯』というと聞いた。食事中に横文字(つまり英語)を話すからとのこと。考えてみれば私のような本社部門の人間は海外出張をしたとき以外に外国人と食事をする機会は限られていた。こうしたローカル言葉もあまり耳になじみ過ぎるとそれと気づかずに使ってしまうようだ。

2018年7月21日土曜日

週一断食

週一回断食をして8キロ減ったという高校の同級生。何かの本を読んで始めたらしいが、インドのデリーで訪れた伝統医学(アーユルベーダ)の療養所で同じことをいわれたのを思い出した。この療養所ではハーブ湯の蒸気を吸い込むことで、なかなか治らなかった風邪とのどの痛みがうそのように消え、両足先からマッサージを受けて別人のように体が軽くなった。このときに食事の間は必ず4時間空けるようにいわれ、それは今でも意識しているが、週一の断食はいまだに実行できていない。同級生は初めはつらいけど、慣れると平気になるというので今度こそ挑戦したい。(といいつつ、今日は夜まで我慢した末に夕食を食べてしまった…。)

2018年7月15日日曜日

親子丼

親子丼発祥の店としてテレビで紹介されていた人形町の有名店。銀座で「遊び方が品がない」と評判の店主が、さも店で一生懸命働いているかのように調理服を着て取材に応じていたのがおかしかった。親子丼一杯3300円。どんなにいい材料を使っても所詮鶏肉と卵。一食分の食材の原価は1000円以下だろう。一杯あたりの粗利は2000円超。夜はコースで10%のサービス料まで取るというからやりたい放題。200席が何回転かすれば粗利から人件費などの経費を引いても一日何百万円もの利益になる。銀座で悪評が立つほど豪遊できるわけだ。日本橋には同じようにありえない高い価格設定をしていながら客足が絶えないオムライス屋もあるが、やはり地方からの観光客が大勢来る中央区だからできることかもしれない。現にカツ丼発祥の店として同じ番組で紹介されていた早稲田の店は一杯790円といたってリーズナブル。経営者がまともだからと思うが、「土産話」に食べにくる地方客が見込めない土地柄というのもあるだろう。

2018年7月8日日曜日

オウム事件

大量の死刑執行に異常さを感じるのは私だけだろうか。島国メディアはあまり報じないが、EU加盟国などが「被害者やその家族には心から同情し、テロは厳しく非難するが、いかなる状況でも死刑執行には強く反対する。死刑は非人道的、残酷で犯罪の抑止効果もない」とする共同声明を発表した。その上で「同じ価値観を持つ日本には、引き続き死刑制度の廃止を求めていく」としているが、国民の8割が死刑を容認している国は残念ながら同じ価値観を持ち合わせているとはいえない。(もっといえば司法の独立や報道の自由、選挙の公正といった民主主義の根幹さえも揺らいでいる国を先進国と呼べるかも疑問。)今回の事件についていえば首謀者は極刑にしないと収まりがつかないというのは理解できるが、彼に洗脳されて事件を起こした者たちまでも同じレベルの罪といえるのだろうか。このような合法的な大量殺人を法務大臣の一存で決めたとは思えず、国民の支持が得られそうなことや、自分たちに不都合な事柄から国民の目をそらせられることなら何でもやりそうな現政権の病める一面を見た気がする。

2018年6月29日金曜日

賛否両論?

終盤の消極的な戦術が海外メディアや海外ファンの大ブーイングを受けたワールドカップサッカーの対ポーランド戦。「賛否両論」などと報じるのは日本のメディアくらいで、「賛」なのは大会直前の監督交代でどたばたを演じ、決勝トーナメントに進めなければ批判されかねなかったサッカー協会の関係者くらいではないだろうか(現に相談役が「名監督」と持ち上げていた…)。3年前に行われたラグビーのワールドカップではリスクを冒してまで優勝候補の南アに勝ちに行った日本チームを海外のメディアがこぞって称賛し、イギリスの取引先から私にわざわざ祝福のメールが届いたほどだったが、今回の試合はそれを帳消しにして余りあるマイナスイメージを日本に与えたのではないかと思う。日本はその見返りとして決勝トーナメント進出を手にしたように見えるが、実際にはあのような戦術を取らずに正々堂々と戦っていても進めた可能性は十分にあっただろう。優勝候補でもないのにあそこまでなりふり構わないことをし、一夜にして世界中のファンにベルギーに完膚なきまでに叩きのめされてほしいと思われる「嫌われ」チームになってしまったことが残念だ。

2018年6月22日金曜日

地震

月曜日の朝、京都のホテルで机に向かっていると、ドンと突き上げるような衝撃があった後、部屋ががたがたと揺れた。ごく短時間の縦揺れだったため、震源が近く、規模がそこそこ大きいものと推察されたが、案の定、震源は京都市に近い高槻市とのことだった。2011年の東日本大震災に比べれば大した揺れではなく、町は至って平穏だったので、テレビで連日大騒ぎしていることに違和感を覚えた。困ったことといえばホテルや訪問先の企業のエレベーターが止まり、階段で昇り降りしなければならなかったことと、震災のときと同じくJRの在来線だけがいつまで経っても復旧せず、次の目的地の福井に行かれなかったことくらいだった。この規模の地震で大騒ぎするくらい、この地域は地震が少ないのだろう。小学生が倒れたブロック塀の下敷きになるという痛ましい事故が起きたが、鉄筋で補強もせずに、あのような高い塀を造ることなど、地震が多い東日本ではまず考えられない。ブロックを積み上げた人たちは地震が来たらどうなるかという想像ができないくらい実体験がなかったのだろうか、と思う。

2018年6月16日土曜日

湖水浴

関西出張の際に滞在した琵琶湖畔の宿の近くに「湖水浴場」なるものがあった。確かに海ではないので「海水」にはならないか。浜辺?も水もきれいで、夏にこんなところで泳げたらさぞいいだろうと思った。海のように波にさらわれることもなければ川のように流される心配もない。しかも淡水なのであがった後は体をふくか自然乾燥させればいい。ところが地元出身の人に聞くと琵琶湖では毎年水難事故が発生しているという。海水のように体が浮かないことに気づかずに沖合いまで一気に泳いでしまうと危険なのだそうだ。確かに…。また、場所によっては湖底に草が生えていて、それが絡まったりするそうだ。なるほど…。とはいえ海水浴に行っても浜辺で水につかるくらいの私が事故に遭う可能性は低いか。

2018年6月9日土曜日

サムライ?

親善試合で2:0で敗れ、さらに対戦相手のスイスの地元紙に「弱すぎ」と酷評された日本代表チーム。世界ランキング的にはワールドカップに出るのも微妙なので予選リーグ突破の可能性は低いはずなのに、ワールドカップ前になるとなぜか盛り上がる日本のメディアも今年はずいぶん大人しい。これまでにも増して弱いということだろうか。大会直前に就任した監督が負けたときの批判を避けるためか無難に経験豊富な選手ばかりを選んだが、そもそも勝てる可能性が低いのであれば今後のために出場経験がない若い選手をどんどん入れればいいのに、と思う。もとから期待値が低いのであれば今大会で負けてもさして批判されないだろうし、多少批判されたとしてもいずれ評価が見直される可能性があるだろう。

2018年6月3日日曜日

金融庁

理財局長の国会での偽証と事務次官のセクハラ問題で話題となった金融庁。金融機関を管轄する立場の同庁はその「業務の健全かつ適切な運営を確保するため、法令等遵守態勢、各種リスク管理態勢等を検証したり、問題点に対する認識を確認するために検査を行う」というが、その実態は「やりやすい」銀行のみを対象にし、東京から遠く、広くて移動が大変な県内だけでなく中国地方や九州にも基幹支店をもつ愛媛の第一地銀のようなところは決して手をつけないそうだ。日本の企業は業種に依らず監督官庁に頭が上がらないところがあるが、本来の役割を果たすことより自分たちが楽することを優先するような省庁に行政権限を行使されたり罰則を課されたりするのは監督される側が釈然としないものと想像する。

2018年5月26日土曜日

指揮官

批判の的となった日大の記者会見。テレビで断片的に見ただけだが、MCを務めた同学広報部長の発言に笑ってしまったのは不謹慎だっただろうか。(詰めかけた記者たちも笑っていたので、私だけではないと思うが。)方や親に付き添われることもなく淡々と事実関係を語った加害選手の行動は後手後手に回って事態を悪化させ続けた日大とは対照的で実に効果的だった。(被害者側の選手の親が単独で記者会見を開いたのには驚いたが、政治家(市議会議員)と知って納得した。)それにしても辞職した日大の前コーチのような人が戦時中の旧日本軍の指揮官で、戦闘に加わっていない一般の人に危害を加えるように命じたら、追い詰められた部下の兵士はそれに逆らえただろうか。日本人にはまじめな人が多く、まじめな人ほど精神的に追い詰められやすい。そう考えると今回の出来事は決して笑えない。

2018年5月19日土曜日

危機管理

答弁と矛盾する事実が次々に明るみに出てついに国会で前言を訂正した経済産業審議官。ただ、なおも覚えていないはずがないことを記憶にないといい続け、新たな嘘までついたことで愛媛県の反発を招いた。前国税庁長官のときと同様、与党が国会招致をしぶる間に政権側が当人たちと口裏を合わせたものと想像するが、国のトップエリートがたちの悪い世襲議員の下僕と化し、みっともない姿を衆目に晒す(本人にどれほど羞恥心があるかはわからないが)のは見るも哀れな光景だ。現政権は証拠が出ない限り嘘をつき通すというスタンスを貫いたことが裏目に出た形だが、アメフト部員の危険なプレイで窮地に立たされた日大は映像や試合後の監督の発言等の動かぬ証拠がありながら、すぐに事実関係を認めて引責すべきを引責させなかったために傷口を広げてしまったといえよう。いずれもトップに立つ人間を守ろうとしておかしなことになってしまった点が共通するが、国の民主主義の根幹に関わる点で事の重大性は大きく異なり、国権の最高機関であり、唯一の立法機関である国会がないがしろにされるようになってしまった国の先行きが気になる。

2018年5月12日土曜日

アイドル稼業

「強制わいせつ」というと深刻な響きだが、実際に暴行を働いたわけでもないという。にもかかわらず、仕事を失うという極端な制裁を受けなければならないのは夢を売るアイドルだからだろうか。芸能人という立場上、表沙汰になったときの影響は容易に想像できるわけで、事務所を通じて示談するのではなく、知り合った番組の放送局に抗議を入れ、警視庁に被害届まで出しておきながら「この過ちで一人の人間の未来がすべて奪われてしまうことは望んでいない」などというのは偽善的。「徹底的に制裁を加えたかった」という方がまだ実際の行動と整合性がある。そもそも酔っ払ったおじさんが一人暮らししている家に出かけていった自分の娘に非はないとでもいうのだろうか。所属していた省までもが認定したセクハラを最後まで否定し続け、退職金を少し減額されただけで逃げ切った元官僚と比べてもバランスが悪い気がする。

2018年5月5日土曜日

国外脱出

付き合いのあった部品メーカーの社長からの挨拶メール。何と会社をそのままにシンガポールに生活の拠点を移したというではないか。知人が勤める会社の創業者も会社を上場させた後に同国に移住。インサイダー取引で逮捕された元通産省官僚のファンド経営者がさっさと同国に移ったのはよく知られた話だが、税金が安く、富裕層にやさしいことだけが理由なのかが気になる。特にくだんのファンド経営者は官僚時代に「滅びゆく日本」という近未来小説を書いている。移住者を多く出す国は問題を抱えていることが多いが、特に海外に出かける機会が多く、入る情報も多い富裕層がほかの国を選ぶというのは決していい兆候ではないだろう。こうした人たちがなぜ日本を捨てたのかを調査すると、この国が抱える知られざる問題が見えてくるかもしれない。

2018年4月28日土曜日

蚊帳の外

テレビ各社がこぞって生中継した南北首脳会談。どこかのチャンネルでお笑い番組でもやっていればそれを見たいところだったが、選択肢がない…。自らの権力基盤を強固なものとするためには身内にでも手をかける人物がまともな首脳扱いをされている状況に違和感を感じるが、我が国の「蚊帳の外」感も半端でなかった。記者からのつっこみに「そんなことはない。韓国の大統領に拉致問題も取り上げるように頼んだ。」と得意の強弁をする首相。他国の水面下の動きに気づかずに何とかの一つ覚えのように「圧力と対話」と繰り返している間に自力解決ができない状況に陥ってしまったのだとすれば、相当外交音痴といわざるをえない。あれだけアメリカの大統領に尽くしてきたにも拘わらず、EUに加え韓国までもが免除された鉄鋼関税の対象から除外してもらえなかったのも情けない話だが(超強硬派として知られる米通商代表部(USTR)代表を前にへらへらにやついている経済再生相の姿に既に勝負あったと感じた)、北方領土問題では待ちぼうけの温泉接待(欧米では遅れて到着するのは相手にどちらが立場か上か知らしめるため)の末にロシアにいいとこ取りされ、進展どころか後退してしまった。ここまで外交センスがないと、財政赤字も顧みず外遊先で経済支援を約束して回った成果も見込めず、国益を損ねられた上に首相のパフォーマンスにかかった費用を負担させられる国民は二重の被害者といえるかもしれない。

2018年4月21日土曜日

連鎖

「接客業の女性との言葉遊び」等、聞いている方が赤面してしまうような釈明をする財務省トップ。諸々の疑惑や表面化した問題について「徹底的に膿を出す」と、これまでの行動とは裏腹なことを堂々という首相と照らし合わせて「類は友を呼ぶ」とはよくいったものだと思った。事務次官の任命権者は大臣、大臣の任命権者は首相だ。加えて覚えていないはずがないことを覚えていないと強弁する首相秘書官と、彼を信じると言い切る首相。この国の政を担う人たちはどれだけ「人格に難あり」な人たちで固められてしまったのだろう。そうした人たちが行っている政策がまともであればまだいいが、インフレ目標が未達の上に金融機関の窮状がさらに深刻になれば、いよいよ「何とかノミクス」のボロも出始めるだろう。

2018年4月14日土曜日

土俵騒動

大相撲春巡業の土俵上であいさつをしていた舞鶴市長がくも膜下出血で倒れた際、救命処置を施した女性が土俵から下りるよう場内放送で促された問題。さすがに人命が関わると伝統の何のといっていられないのか、相撲協会が謝罪するに至ったが、安定を好み、変化を嫌う傾向が強い日本人は伝統という言葉にも弱く、こうしたことでも起きなければ、女性が土俵に上がることもないままだったかもしれない。(今回のことがあったからといって今後積極的に女性を上がらせることもないだろうが。)それにしても市長が倒れても何もせずに周りを取り囲んでいるだけの男たちと、人命を救うためにとっさに行動をとった女性の対照的なこと。女人禁制は男が作ったルールだろうが、奇しくもその男たちの「使えなさ」を証明する出来事だった気がする。

2018年4月7日土曜日

アメリカン・ディスカウント

京都の人が関西という括りで大阪と一緒にされたがらないのと同じくらいカナダ人は隣国のアメリカ人と一緒にされたがらない。確かにカナダでは銃の乱射事件など聞かないし、大声で騒いだり傍若無人な振る舞いをする人も見かけない。彼らはアメリカよりもヨーロッパ寄り(つまりもっと洗練されている)といったりもする。そんなカナダの顧客から『アメリカン・ディスカウント』という言葉を教わった。要はアメリカ人は何でも大げさにいう癖があり、話も3割くらい「盛る」ため、実態は3割引き(ディスカウント)で解釈するのが妥当で、たとえば売上100万ドルを達成したという社長がいれば、70万ドルくらいだったと思えば間違いないとのこと。確かに控え目で奥ゆかしいことが必ずしも美徳とされない彼の国の人は履歴書に書く内容も盛ったりする。生まれながらにほら吹きというよりは、競争社会を生き抜くためにそうならざるをえないようにも見える。

2018年4月2日月曜日

37年目の真実

「ここがロバート・ワーグナーの家。」高校時代にハリウッドの映画館で『レイダース』を見た後、当地の友人が案内してくれたのを今でもよく覚えている。ロバート・ワグナーといえば『ウェスト・サイド物語』で主演したナタリー・ウッドの旦那。彼女が入江で水死したというニュースを驚きをもって聞いたが、遺体に複数の打撲の痕跡や傷跡があったものの事故死とされたそうだ。ところが最近になって彼女が船上でワーグナーと口論になり、その後行方不明になったという当時の船長の証言が出て、ワーグナーが重要参考人として警察から事情聴取を求められているという。事情聴取を拒んでいる時点でかなり怪しいが、37年経った後に新たな証言が出て重要参考人になるなど、本人も想像していなかったのだろう。悪事に時効はないといったところだろうか…。

2018年3月24日土曜日

政宗

身内の与党幹部からも「レベルの低い質問」「軽蔑する」とまでいわれた戦国武将と同じ名前をもつ参議院議員。ネットで調べると私と同じ出身地(勘弁してもらいたい)だが、その戦国武将の地元である宮城県選出とある。同県の人にはもう少しまともな人を選んでもらいたい。以前も国会中継を見ていると、首相を擁護する答弁をする与党議員に一生懸命うなづく彼と、同じ新人の女性議員の姿があった。私のサラリーマン時代の経験からいうと、自分より弱い立場の人間(部下・財務省の役人)を叩いて得点を稼ごうとする者は往々にして自分より強い立場の者(上司・首相)に卑屈なまでに媚びへつらう。こうした「弱気をくじいて強きを助ける」姿勢が人の目にどのように映るかもわからない判断力を欠いた人間はサラリーマンならまだしも、国政には関わるべきではないだろう。

2018年3月17日土曜日

尊大

政権を守るために「交渉記録が残っていない」などと国会で信じがたい答弁を繰り返した前の理財局長に国税庁長官のポストという、まともな人間には考えもつかないあからさまなご褒美を与えた財務大臣が、省内に自殺者が出て、決裁文書の改ざんが明るみになってもなお引責するつもりがないという厚顔さに驚くが、彼はこの国の元首相である。そして我が国の最高学府の、それもトップの学生しかなれない財務省のキャリア官僚がプライドも良心も(あったとすればだが)かなぐり捨てて守り続けようとする今の首相ともども世襲議員。いずれも自民党しか当選しない地域に地盤をもつ政治家の家に生まれてこなければ、とても国会議員になれた器ではないだろう。こうした人たちが当選を繰り返し、政権の中枢に上りつめることがこの国の不幸だとつくづく思った。

2018年3月12日月曜日

デフレの国

アメリカに行くのは13カ月ぶりだったが、前回は人の家に滞在し、外食をすることもなかったので、自腹であれこれするのはおよそ10年ぶりと気づいた。そして何もかもが日本に比べても高いことにも。長年行っていなかったシンガポールにいったときのことを思い出した。インフレは年に2%であっても20年経てば40%になる。つまり日本が20年間デフレの状態が続けば、ほかの条件が一定であってもアメリカのように平均2%のインフレが続いた国の物価は4割以上高くなっていることになる。実際にスーパーで買い物をしたり外食をすると総じて日本よりも5割くらい価格が高いように感じた。日本ほど長く経済が低迷してきた国は少ないので、かつては「高い」といわれていた我が国を外国からの観光客が大勢訪れるようになったのもうなづける。それだけ日本人の購買力は落ちていて、海外に行ってもお土産以外に積極的に買い物をする気にならない。「異次元の金融緩和」などとはしゃいでいた我が国の中央銀行総裁はインフレ目標未達のまま任期を終えそうな様子。この間に金融機関の収益力は落ち、日本の金融システム自体の先行きが不透明になっているのだから、責任をとってせめて退職金くらいは返上してもらいたいものだが、「インフレ目標に近づいている」などと強弁しているようではそれも見込めない。金融緩和策の出口は未だ見えてこず、日本人の購買力は今後ますます落ちそうで、デフレ国の悲哀を感じる。

2018年3月4日日曜日

Uber

アメリカで初めて自分で配車アプリのUber(ウーバー)を利用して空港から目的地まで行った。(ベトナムでも利用したことがあるが、このときは現地の協力先が手配してくれた。)事前にスマホにアプリをダウンロードし、必要なときにそれを起動して目的地を入力するだけで料金が表示され、申し込むと事前に登録したクレジットカードから自動決済させるので便利なことこの上ない。空港ではタクシー乗り場から少し離れた場所があてがわれているが、少し歩くことを厭わなければ、敢えてタクシーを利用するメリットが見いだせない。日本でも移動の足がないときは非常に便利なサービスだが、既得権益を守ることが最優先される国な為、使える日が来るかもわからない。中国では物を買う際のスマホ決済が一般化して現金が使われなくなっているというが、このままいくと日本がどんどん取り残されてしまうのではないかと思う。

2018年2月25日日曜日

国民栄誉賞

時の政権の人気取りの道具にされがちな国民栄誉賞。国民に注目されたアスリートであれば団体でもまとめて出してしまう現政権の乱発ぶりはいかがなものかと思っていたが、今度は棋士がほぼ日本に集中している将棋だけでなく、囲碁にまで出してしまい、名人が受賞直後に中国の少年に負けてしまうミソまでついた。一方でオリンピックで2大会連続で金メダルを受賞したフィギュアスケーターと、日本の女子選手として初めて金メダルを獲得したスピードスケーターたちに出すかは検討するかも決めていないという。冬季五輪で2大会連続で金メダルを受賞した日本人はかつていないわけだし、陸上女子で初の金メダルを取ったマラソンランナーが受賞しているのだから出さない理由は見当たらず、先に「大盤振る舞い」してしまったという理由で授与しないとしたらますますおかしな話だ。いずれにしても現政権下で国民栄誉賞の価値も下がり気味なのだから、今さら出し惜しみする必要もないだろう。

2018年2月17日土曜日

優先搭乗

新幹線嫌いの私は大阪でも飛行機で行くくらいよく利用するが、大手2社がアメリカの航空会社を真似て始めた優先搭乗は無為に搭乗にかかる時間を長引かせるだけでいかがなものかと思う。優遇される側の乗客が早く乗り込んで通路側の座席に座ろうものなら後から乗る方は大迷惑だし、早めに荷物スペースを確保できると思って周りの迷惑も考えないサイズの荷物を機内に持ち込むことで後から乗り込む乗客の荷物が入らず、さらに混雑を悪化させる。方やLCCを含む他の航空会社は窓側及び後方から順に着席させるので搭乗がスムーズで遅れも起きづらい。日本のほとんどの国内線はせいぜい1、2時間以内の飛行時間なので、大半の乗客に迷惑がかかる優遇措置は止めて、定刻通りに運行することに集中してもらいたいものだ。

2018年2月10日土曜日

アルマーニ制服

アルマーニの制服を採用した銀座の泰明小学校。あのあたりの住人であれば払える金額で、そうした銀座の「特別感」を出すことに賛成する親もいるものと想像するが、公立小学校としては明らかに非常識。先生の出世頭であろう校長が教育という本来の目的と無縁なところでそうした判断をするのを見て、日本の教育者もずいぶんと劣化したものだと思った。さらにヨーロッパの有名ブランドを信奉するのもバブルっぽくて時代遅れ。外国人観光客が多く訪れる銀座の小学生に高級服を着せたいのであれば、せめて日本にはアルマーニを上回るデザイナーがいないというメッセージを発信するのではなく、日本にも遜色のないセンスのいい服を作れるデザイナーがいることをアピールしてもらいたいものだ。

2018年2月4日日曜日

キラキラネーム

「これが日本人の名前かと思う生徒が増えている。」小学校時代の担任の先生がいったのは10年以上前のことだろうか。読み方の想像もつかない名前を「キラキラネーム」というらしい。こうした名前をつけられはじめた頃の子どもたちはもう大きくなっているらしく、先日テレビの人気塾講師がキラキラネームと成績には相関関係が見られ、キラキラネームの子たちは成績が悪いといっていた。成績順に見ていくと、ふつうの名前の子が続いた後に読めない名前が続くのだそうだ。成績が悪いくらいならまだしも、救急搬送のときなどに名前が読めないと本人確認もできず、危険なのだそうだ。そこまでいかなくとも、日々の生活の中でいちいち名前の読み方を説明しなければならないのは大変なことだし、そのことで親のセンスが疑われてしまう。つけられた名前が成績に関係するというのは理屈としてわかりづらいが、そうした名前をつける親はその子がそのことでどれだけ苦労するかに想像が至らない、あまり賢くない人たちなのではないかという気がする。

2018年1月27日土曜日

ふたご座

ロシア疑惑の聴取に応じないといったり応じるといったり、TPPをやめるといったりやめないといったり、いうことがコロコロ変わる米国大統領。もしやと思い、ウィキペディアで調べてみると案の定、6月14日生まれとあった。ふたご座の人の中には私を含めていうことが180度変わる人がいる。決して一緒にされたくはないし、肩をもつわけでもないが、(少なくとも私の場合)人を騙そうとか混乱させようといった意図はなく、その時々で考えが変わるだけだ。一貫性がないといわれればその通りだが、絶えず新たな情報を得ながらその時々で正しいと思う方に判断を変えて行く方が、十分な情報もないままに決めたことに固執するよりはいいように思う。同じ星座であることは決して嬉しくないが、そこのところは理解してしまう自分がいる…。

2018年1月20日土曜日

手を洗いすぎてはいけない

表題の本が出たと聞き、「やはり」と思った。除菌・殺菌・滅菌など、菌をなくすことが衛生的と子どもの頃から刷り込まれている我々日本人だが、人体に必要な菌まで洗い流すことに無頓着になっているといえよう。体の表面に弱酸性の皮脂膜をつくり病原体から守ってくれる常在菌を石鹸で洗い流すと体を守るバリアがなくなるというが、この常在菌はいい匂いを放つので、洗い流すと体臭もきつくなると聞く。同書の著者は石鹸は使わずに流水のみで手洗いをし、70歳代でありながらほとんど風邪をひくこともなく、肌もすべすべだそうだ。洗髪後に「さっぱり感」を出すシャンプーが実は抜け毛の原因だったり、女性が肌の潤いを保つために行う保湿パックが実は肌が本来もつ保湿能力を弱めてしまうというのと同じで、風邪やインフルエンザの予防に推奨される石鹸での手洗いが実は手に付着したウィルスから感染しやすくするというのはメーカーの広告収入に頼るマスコミに取り上げられることがない事実かもしれない。どんなに石鹸での手洗いをやるように仕向けてもインフルエンザにかかる人が一向に減らない理由に早く気づくべきだろう。

2018年1月13日土曜日

炎と怒り

米国大統領の批判本が発売後即売り切れたというが、側近たちへの取材で導き出された結論が「彼が精神的に大統領という職務に不適合」で「周囲はまるで子供と接するように対処しなければならない」ということだと、そんなことは彼の言動を見聞きすればいわれなくともすぐにわかるではないか、と思う。こうした本が出たことで、我が国のすり寄り姿勢が変わることはないだろうが、著者に情報をリークした対中強硬派の元側近が完全に影響力を失ったことによる影響はあるかもしれない。最近の米国大統領の発言を聞くと、対北朝鮮問題ではしごを外される可能性さえあるのではないかと思えてくる。こればかりは今よりさらにスリスリしてもどうにもならないことだ(しかもこれ以上できないところまで既にやっている)。それにしても、なぜ大統領の人柄を知らないはずもない、比較的まともと思われる人たちまでもが政権の要職に就くことに同意したのか。このことについて来日中のアメリカ人の友人は、政権が終わる頃になって「国を守るためにあえて彼に仕えた」といい始めるだろうと予想していた。そうでもしないと自らの名誉は守れないだろう。我が国の首相も「国を守るために(恥を忍んで)ご機嫌取りをした」などと言い出すのだろうか…。

2018年1月6日土曜日

バブリーダンス

昨年女子高校生のダンスチームが踊って話題になった「バブリーダンス」。当時の流行をネタにした女性芸人の人気も手伝って、実に時機を得た企画と感心したが、全国大会で準優勝というからそのインパクトで影が薄くなってしまった優勝校が気の毒。それにしても当時のバブリーな女性たちの髪形や服装、化粧を改めて見ると派手なだけでセンスがなく、実にダサい。(今見ても通用するくらいの格好よさがあれば、そもそも笑いのネタとして成立しない。)あのような格好をしていたのはごく一部の人たちだったかと思うが、女子高校生の母親の世代になっているであろう彼女たちが今あれを見てどのように思うのだろうか。作られた流行に流されて奇抜な格好をするのは実に危険なこととつくづく思った。