2016年6月26日日曜日

一票の重み

ブレグジットの国民投票は一票の重みについて考えさせられる出来事だった。一票の重みを等しくするのは民主主義の基本中の基本で、与党の都合で抜本的な是正が行わない日本など、民主主義国と呼べるのかも疑問だが、若者の多くがEU残留を支持したイギリスの国民投票でその逆の結果が出たことは、先が長くない人たちの意見が通ったということであり、その妥当性に疑問を抱かせるものだ。今日の政策決定に最も影響を受けるのは将来ある世代であり、そうした人たちの意思に反することが決定されないよう、年齢に応じて一票の重みに差をつけるというのはあってもよい気がする。そもそもの一票の重みの平等が確保されていない日本では望むべくもないことだが。

2016年6月23日木曜日

ブレグジット

久しぶりの長期海外出張。ホテルで日本のテレビ番組が見られても驚くほどつまらないNHKの衛星放送のみ。必然的に英語のチャンネルを見ることになるが、この一週間、どのチャンネルもイギリスのEU離脱の話題ばかり。もはや食傷気味なので、結局テレビを消してしまう。知り合いのイギリス人がEU離脱派の急先鋒である前ロンドン市長を称して「ドナルド・トランプのマイルド版」と呼んでいたが、急速な移民の増加等を背景に、人々の不安心理を煽って自らが救世主の如く振る舞う右派ポピュリストの台頭と、それを熱狂的に支持する群衆を見ると、人類は同じことを繰り返しているように見えてならない。

2016年6月19日日曜日

JTB

JTBからの個人情報流出のお知らせ。よくぞこんなことをやってくれたものだ。しかし考えてみればこうした事故を起こすとすればJTBだっただろう。というのも利用しているホテルの予約サイトの中でももっともトラブルが多く、「ITに弱い」感を出していたのは同社だったからだ。京都のホテルに泊まった際には予約確認のメールに予約したのと違うタイプの部屋が書かれていて、チェックインの際に混乱した(ホテル側には実際に予約した部屋タイプの情報が行っていたので、ホテルからJTBに電話してもらって誤りを指摘してもらった)。いちばん腹立たしかったのは高知のホテルに泊まったときで、予約していた料理と違うものが出てきたので指摘したら、ホテル側に誤った情報が行っていたことがわかった。後でJTBに抗議したら、入力したものと違うオーダーが行くことはシステム上考えられないと主張され、結局こちらが悪かったかのようなことにされてしまった。前述の京都でのトラブルがあったので、この主張は全く説得力がないが、オンライン予約は紙で証拠が残らないのでどうしようもない。また、領収書をネットからダウンロードしてうまくいかず、コールセンターに電話したこともあった。そもそもエクスプローラでしか表示できない時点でだめだろう。こうした危ない業者には個人情報を伝えるのを避けるのがいちばんだが、個人情報を登録した後に危ない業者とわかったらどうすればいいのだろうか。ユーザーが自ら操作して登録した個人情報を消せるようにすることを義務づけてもらいたいものだ。

2016年6月16日木曜日

ラマダン(続き)

ドイツに到着し、ラマダンで会食に参加できない企業幹部に会った。両親がモロッコ出身だが本人はドイツ育ちで、細身だが血色はいい。多少打ち解けたところで、ドイツのように夏至の頃は10時過ぎまで日が沈まない国で絶食するのは大変ではないかと聞いたところ、決してそのようなことはなく、むしろ体調はいいとの意外な答え。水は飲んでいるかと聞いたら日没まで水も飲まないとのこと。これには驚いた。日本の医者であれば体に悪いのでやめろというところだろう。彼によるとラマダン期間中は食事で仕事を中断することもなく、集中力も高まるという。確かに朝食や昼食をとった後は胃に血液をとられてしまうか、あまり頭も冴えないし、効率も上がらない。私の20歳の頃のような細身の体型を見て、自分もやってみようかと思った。

2016年6月9日木曜日

ラマダン

3年ぶりの欧州出張。訪問先の企業幹部がラマダン期間中のため、会食に出られないといわれた。ラマダンでも日没過ぎれば食べていいはずだが、そうか、今の時期の欧州は10時過ぎまで日が暮れず、そのときまで来客を待たせるわけにもいかない。考えてみれば元々イスラム教徒が多く住んでいた地域はそれほど緯度が高くなく、夏至に近い時期でもそれなりの時間には日が暮れる。ところが欧州に移住してしまうとかなり遅い時間まで食事がとれなくなってしまう。日中食事を絶つのはかなりきついと思うが、欧州のような高緯度地域に住むイスラム教徒はよく頑張っているものと思う。きついことが嫌いな私だったら移住を機に、さっさと改宗するか無宗教になっているかもしれない。

第三者委員会

「第三者の厳しい目」で調査するとして、第三者ではわかりえないことの答弁まで拒んだ都知事。本人が選任したとなれば、どこまで第三者なのだろうかと思っていたが、調査結果を公表するとした記者会見を見てその猿芝居ぶりに呆れた。政治資金の使途について「不適切」と断じて都知事の行動を厳しく戒めるように見せつつ、どれも「違法性はない」と結論付けて、知事にその職に留まる道を与えた。まさしく本人が希望した筋書き通りだろう。このことで一連の知事の行動が違法でなかったとの前提で道義的責任のみ問う論調になってしまっているが、実は木更津市のスパホテルでの宿泊が単に家族旅行だったとしたら、収支報告書に会議費用と記したのは政治資金規正法の虚偽記載という立派な違法行為になるそうだ。つまり、違法性があるとすればこの一点であり、それについて宿側に聞き取りをする等、最低限の調査もしていないのだから、この第三者なる弁護士たちは知事の意のままに「無罪」の判断を示したとしかいいようがない。一連の行動を見て知事の人間性は誰の目にも明らかだが、いちばんがっかりなのは調査を行った佐々木善三と森本哲也なる弁護士がいずれも元検事であることだろう。いちばん調べなければならないことを調べもせずに、知事に都合が良い結論を出すなど、検事をやっていた人にはやってほしくないことだ。佐々木氏は元経済産業相の関連団体をめぐる政治資金規正法違反事件でもその無罪放免に尽力したというが、そんなブラック政治家御用達みたいな人が検事をやっていたなんて、この国の司法は大丈夫なのかと心配になる。

2016年6月4日土曜日

Windows 10

「容量の制限を超えたのでスピードを落とす」との無線通信事業者からの突然の通知。容量制限を超えるような使い方はしていないはずなので、コールセンターに問い合わせたところ、私が目を離している隙に、デスクトップとノートパソコンのそれぞれでWindows 10が勝手にダウンロードを始めていたことが原因とわかった。欠陥OSを出し続けて世界中に迷惑をかけてきたマイクロソフトの新製品をあえてダウンロードする気などないので、パソコンを起動するたびに出て来たダウンロードを促すメッセージを無視し続けていたが、ユーザーの意向を無視して勝手にダウンロードを始める暴挙に出るとまでは想像もしていなかった。まだ月半ばでインターネットのスピードを落とされて大迷惑で、つくづくマイクロソフトなる会社のタチの悪さを認識した。ビル・ゲイツがいかに慈善事業に寄付しても説得力がないのは、彼が消費者に支持されるいい商品を世に送って財を成したのではなく、独禁法違反で制裁金を課せられるようなものの売り方をして儲けたからだからだが、創業者のキャラクターというのは企業体質に反映し、いつまでも受け継がれるものだということを改めて認識させられた。