2016年5月28日土曜日

消費増税

前与党は大いなる公約違反をして叩かれ、選挙で瀕死の敗北を喫したが、現政権の公約違反も目に余るものがある。前与党に解散を迫った際に約束していた選挙制度改革は今日なお達成されていないばかりか、自党の都合で抜本改革をさらに先延ばし、また、夏の参議院選を前に、これ以上遅らせないと断言していた消費増税を再延期する気満々だ。その是非はともかくとして、そもそもできる見通しがない、あるいはそのときの状況で判断しなければならないものを、その場の答弁を切り抜けるために「必ずやる」と約束してしまう軽さが気になる。また、消費増税先延ばしの口実を作るために、今がリーマンショック前に似た状況などと言い出す必死さも気になる。アベノミクスなるものも、そこまで行き詰っているのか。そんな説得力のないことを自国開催のサミットで持ち出して、経済が順調な他の先進国の同意を得られないのもみっともない話だ。この国にはもう少しまともな政治家はいないのだろうか…。

2016年5月21日土曜日

おいしくない牛乳

某乳業メーカーが売っている「おいしい」と名のつく牛乳。値段は高めでも美味しいと思っていたので、先日コンビニで買って飲んだが、その水っぽさにがっかりした。こんなことならコンビニ牛乳を買った方がまだまし。こうしたプレミアム感を打ち出そうとする商品は、まじめに作っていたら物量を出すのが難しいはず。それがどこのコンビニでも置くようになったら、品質が犠牲になるのも無理のないことか。しかし、コンビニやスーパーのオリジナルブランド物よりもクオリティが落ちるとなると「おいしい」という言葉が入る商品名はどう見ても誇大広告、「看板に偽りあり」だ。購入者の味覚がちゃんとしていればいずれ淘汰されると思うので、今後も店頭に並び続けるか観察したい。

2016年5月16日月曜日

強弁

頭脳明晰なはずの東京都知事の全く説得力のない釈明を聞いて見苦しいと思ったのは私だけだろうか。自分の非を認めて謝ればそれで済んだものを、変な突っ張り方をしたことで、どんどんと敵を増やし、墓穴を掘っていったわけで、これほど自身の“危機管理”ができていない人に日本の首都の危機管理などできるのだろうかと思った。今回の件で最も同情すべきは彼の子供たちかも知れない。家族旅行で行った木更津のリゾートホテルで選挙準備のために関係者を呼んで会議をした(ただし、それが誰かは明らかにできない)という父親の説明を聞いて果たしてどう思っただろうか。そのような事実があったかはその場にいた彼の家族が知らないはずがない。父親がそんなでも、子どもには何の罪もないわけで、学校でからかいやいじめの対象にでもなったら気の毒としかいいようがない。

2016年5月14日土曜日

産地偽装

欧州産の羽毛を使っているとして売られている布団の多くが実は中国等のアジア産の疑いがあるとのニュースを聞き、またオリーブオイルのことを思い出してしまった。日本全国津々浦々、どこへ行っても‘イタリア製’を名乗るオリーブオイルが大量に売られている。イタリアのオリーブ生産量はスペイン、ギリシャに次ぐ世界第3位だが、日本の消費をまかなうような量など作られていない。方や、一大オリーブオイル生産地域である中東やアフリカ製を名乗るのものは日本では殆ど流通していない。当然そこには絡繰りがある。チュニジアからタンカーで運ばれたオリーブオイルがイタリアで瓶詰めされて、‘イタリア製’として日本に輸出されているのだ。チュニジア産のものの品質がイタリア産に劣るということはないだろうが、イタリア‘産’と思って買っている人は騙されていることになる。こうした欺瞞がなぜまかり通るのか。一つにはどこの国で生産されたオリーブの実を使っているかを調べる手立てはない(つまりはばれない)こと、もう一つはイタリア製といえば、中身も疑わずに喜んで買う消費者が大勢いるからだ。羽毛布団の場合は、わざわざ欧州を経由して日本に運ぶことはないだろうから、日本の輸入者・販売者が偽装を行っている可能性が高いが、オリーブオイルの場合は「イタリアから来たのでイタリア産と疑わなかった」という言い訳も成り立つ。被害者は思ったものと違うものを買わされている日本の消費者だが、彼らのイタリア産信仰がこうした問題を引き起こしている側面もある。

2016年5月7日土曜日

オリーブオイル・ソムリエ

オリーブオイルでもう一ネタ。日本には「オリーブオイル・ソムリエ」なる資格がある。ワインのソムリエを真似たものであることは容易に想像がつくが、オリーブオイルの味や香りをワインと同じように品評するのはかなりナンセンス。ワインはブドウの出来もさることながら、醸造技術によって差が出るので、味や香りでその技術を評価するというのはアリだが、オリーブオイルは本来はオリーブの実を圧搾して作るオリーブの果汁であり、醸造品ではない。また、日本で流通している、精製品に味や香りづけしているものをいくら評価してもあまり意味がなく、それよりは生産の過程で加水、加熱、濾過などをせず、どれだけオリーブの果汁本来の味や香り、そして栄養価を残しているかの方がよほど重要だ(本来のオリーブオイルの生産工程を知っていれば、小売値で1本1,000円などといった金額で作れないことはわかるはず)。こうした資格が存在すること自体、この世界でいかに欺瞞がまかり通っているかを表しており、まじめに取り組んでいる小規模生産者にとっては嘆かわしい限りだ。