2013年12月28日土曜日

靖国

この問題が報じられる度に思う。国と国との関係では日本が加害者であったとしても、一般国民の大半は自分たちの意思に関係なく戦争に引きずり込まれた被害者。靖国に祀られている人々の多くもそうだろう。では、いわゆる戦犯と呼ばれる人たちの中にそのような不幸な戦争を引き起こした責任者がいたのかいなかったのか。いたとすれば、そうした人と「合祀」されることを大多数の罪のない被害者が良しとするだろうか。英霊に敬意を表するのであれば、東京裁判の是非とは別に、こうした視点からそのあり方を考えるべきではないだろうか。

2013年12月21日土曜日

都知事

過去最高得票に得意満面の笑みを浮かべた都知事の姿を見て「この人は本当に我々が思うような人なのだろうか」とかすかな疑念を抱いたのが一年前。オリンピック招致の際、我が国にとって貴重な友好国との関係を損ないかねないイスラム教徒に関する発言をしたことで、その疑念が確信に変わった。それにしても都民の高い支持を得て政権基盤も盤石と思われた知事が、当選からわずか一年後に与党からも見放されて「四面楚歌」に陥り、額に汗し、しどろもどろになりながら説得力のない答弁を繰り返すことになろうとは、都民の誰も想像しえなかっただろう。報酬返上で切り抜けるなど到底無理な話で、もっと早く辞任していたら、ここまで傷口は深くならなかっただろうにと思う。頭脳明晰でも、そうした判断力には欠けていたのか、それともどうしても続けたい理由があったのか…。

2013年12月15日日曜日

過剰警備

今月初めのある夜、乗っていた車が首相官邸の前に差しかかると信号が赤に変わり、いつまでたっても青にならない。しばらくすると官邸のゲートが開き、黒塗りの大型バンのようなまったく同じ車が次から次へと出てきた。それを見た運転手がいずれも防弾車だといい、ようやく来日中のアメリカのバイデン副大統領を乗せた車列であることに気づいた。その直後、首相の一行を乗せていると思しきリムジンが3台、猛スピードで出てきた(明らかにスピード違反)。その後アメリカの大統領や副大統領が外国を訪問するときにはこうした防弾車を輸送機で運ぶのだと聞いたが、同じ日の夜に東京で行われた欧州某国の首相のレセプションでは荷物検査もなく、首相のまわりをSPが囲んでいることもなかったのは実に対照的だった。仕事で必要があるときのみ訪れる米国大使館の警備も半端でなく、皆に好かれる国であればここまでやらなくてもすむだろうに、と思う。

2013年12月8日日曜日

産地偽装

伊勢えびの需要の増加で価格が上がっているという話を聞き、価格を左右するほど多くの業者がロブスターを使っていた事実に驚いた。確かに結婚式などで出される加熱調理され、グラタン状になった「伊勢えび」がたとえロブスターであったとしても区別がつかない。本物の伊勢えびを食べたければ、やはり産地に行って生のものを食べるに限るだろう。しかし実は産地偽装というのは以前から横行している。オリーブ業界でよく知られているのがイタリアでは国内の消費をまかなう以上のオリーブが採れないことだ。ではなぜ日本全国津々浦々に「イタリア産」オリーブオイルが流通しているのか。それはチュニジアやトルコ産のオリーブやオリーブ以外の種を使ったり混ぜてたりしているからだ。しかし原料が何で、それがどこから来ていようと、イタリアで瓶詰めをされて出荷されてしまうと確かめようもない。イタリア産というだけで喜んで買う人たちがいる限り、こうした産地偽装はなくならないだろう。

2013年11月30日土曜日

神田

千代田区の三崎町と猿楽町の住所表示に、かつて冠していた「神田」をつけるかどうかが議論になっていると聞き、内神田で寿司屋をやっている親戚から聞いた話を思い出した。神田はもともと今よりも多くの町名が存在していたが、郵便の効率化のために内神田、外神田といった住所表示に変えることに同意した町と、それを拒否して旧町名が残ったところがあるということだった。内神田になったところも隔年で行われる神田祭では昔の町ごとに神輿が出る(うちの親戚が住んでいるところは確か旭町)。区内には「神田神保町」や「神田小川町」など神田のついた町名が残るので、自分たちも神田ブランドの恩恵に預かりたいということのようだが、三崎町と猿楽町はいずれも戦後まで神田はついていなかったというし、猿楽町などは元々神社に供える供物を作る田畑の意味の『神田』とは相いれない武家屋敷だったそうだ。今回もめているのはかつて町名の廃止に反対した町の人たちで、住民の気質が当時のまま受け継がれていると思うと面白い。ただ、子どもの頃から神田に慣れ親しんでいる私の感覚からいうと、失礼ながらそもそもそれほどブランド力がある地名とは思えず、住所表示に神田をつけたからといって実質的に何も変わらない気がする。

2013年11月24日日曜日

公共工事

商用で筑豊の直方に行くようになってから2年近くが経つだろうか。JR直方駅前の一角に工事用のフェンスが立てられているのをはじめて見たのは去年のことだった。建物を建てているわけでもなく、囲いの中から工事をしている音が聞こえるわけでもなく、1年以上が過ぎた。今週何カ月ぶりかで直方を訪れ、さすがにフェンスは外れているだろうと思ったら、まだ残っていた。地元のタクシー運転手の話では、当地に高速道路を通すのにも20年以上の歳月がかかったという。サラリーマン時代に友人が、地元の三陸の町を天皇皇后両陛下が訪問されることになった途端、いつもはてれてれやっている工事が突然急ピッチで進んだという話を聞いたことがあるが、工期を延ばすことで収入を得られているのだとすればインセンティブの与え方が間違っているだろう。国も地方も財政がひっ迫する中、もっと生産的な労働にお金が使われるような方法はないものかと思う。

2013年11月16日土曜日

上海

久しぶりの上海。今年の夏は40度を超える暑さだったと聞くが、今は涼しくて気持ちがいい。政府系の仕事に関わるようになった10年前は、アジア地域の集まりといえば東京で行うのが定番だったが、今は完全に中国にお株を奪われてしまった。こうしたことがないと積極的に中国に行くことのない私にとっては、行く度に変わる北京や上海の様子を見る、ある意味貴重な機会にはなっている。商用で来るとたいていいいホテルをとってくれるのでそこは何の不満もないのだが、そうしたホテルで食事をしていてもだんだんと胃が固くなっていくのを感じる。果物は水っぽくて味が薄く、ソーセージも何の肉を使っているのだろうという味がするから、考えだしたらきりがない。日本で問題になった食材偽装は甚だけしからん話だが、中国だと安全でさえあればいいという気になってしまう…。

2013年11月8日金曜日

うなぎ

埼玉の取引先にいかにも高そうな老舗の鰻屋に招待してもらったとき、重箱の中にご飯の量に比してかなり貧弱な鰻が3枚入っているのを見て、鰻が高価な食材になってしまったことを実感した。勘定のときに社長が4人分のランチ代として店員さんに1万円札を2枚渡そうとしたところ、それでは足りないとわかり、ますます驚いた。その後大阪の取引先に博労町にある老舗の鰻屋に連れて行ってもらった。こちらは庶民的な雰囲気の店だったが、ふつうサイズの鰻がのったランチで2,000円。しかも埼玉の高級店のものよりも香ばしく肉厚で美味しかった。関東で食べる鰻と食感が違うのは、大阪では鰻を蒸さずに焼くからとのこと。不思議なもので、値段が高くなると以前にも増して食べたくなるが、これで大阪に行く楽しみが一つ増えた。

2013年11月1日金曜日

景気

景気の回復が実感できないという話をよく耳にする。私もビジネス面、私生活面とも実感することはないが、昨年から確実に変わっていると感じるのがホテルの稼働率と宿泊費だ。西日本への出張が多いが、昨年まで間際でも問題なくとれていた予約が満室でとれなかったり、稼働率の高さを反映してか、宿泊料が昨年より明らかに高くなっていると感じる。いつもぎりぎりで旅程を確定する私にとってはあまり有難い話ではない。これが経済活動の活発化を示唆し、わが社の増収につながるようであればいいのだが、それがないと景気の回復が実感できないばかりか、逆にマイナスである…。

2013年10月26日土曜日

誘眠トーク

最近、午後一の面談で私が話している間に相手が寝てしまうことが多いことに気づいた。相手と会話している場合はそれほどでもないが、こちらがプレゼンをするような場合、かなり高い確率で相手が寝てしまうのだ。内容が退屈なはずはない(と思う)が、私が話し始めてしばらくたつと、気持ち良さげにうとうとし始めるのだ。午後一は食後なので眠くなるのもわかるが、接客中に眠ったなどという話はあまり聞いたことがない。そんなある日、同僚が生後7か月の赤ちゃんを連れて事務所にやって来て、ほかの同僚とお昼を食べに行く間、私が預かることになった。その子を抱っこしながら話しかけたり、鼻歌を歌ったりしていると、程なくして熟睡してしまい、帰ってきた同僚に驚かれた。そして、自分の声と話し方が睡魔を誘うのだと気づいた(人によく「落ち着いている」といわれるが、私自身はテンションが低さが単調なしゃべり方に現れている気がする)。しかしこうした才能もベビーシッターをやるにはいいが、営業にはマイナスだ。しかも投資銀行時代の習慣で、一日にいくつも面談をスケジューリングしてしまう私にとって午後一は外せない時間帯。性格は変えられないにしても、せめて話し方は変えられないものだろうかと思う。

2013年10月19日土曜日

ブラックタイ

タキシードを着る習慣がない国で生活する者にとってブラックタイ・イベントというのは厄介なものだが、イギリスで行われるカンファレンスでブラックタイの晩さん会に参加することになった。私が持っているタキシードはアメリカに留学する前に作ったもので、当時の体形に合わせているためサイズが気になったが、作り直す時間もないし、イギリスで借りられるかもわからなかったので、そのまま持って行った。(思えば留学先でのブラックタイ・イベントと帰国後の友人の結婚式で何度か着ただけだ。)どれだけきつくても頑張れば着られるだろうと高を括っていたが、いざズボンをはいてみるとウェストだけでなく太もももかなりきつく、一生懸命お腹をひっこめてようやく腰のボタンとフックを締めることができた。奮発して仕立てのいいものを買っていたが、晩さん会の間にズボンが破れでもしたら笑えない。いったん脱いで出発間際まで待ち、着席するときはゆっくり腰をおろすように心がけた。幸い大きな「事故」は起きず、無事に終えることができたが、今度という今度こそ腰回りをしぼろうと固く心に誓った。

2013年10月13日日曜日

ロンドン

ロンドン郊外の顧客との打ち合わせを終え、市内に戻るために駅に戻ったところ、列車が3分ほど遅れているとのアナウンス。ところが3分経っても列車は来ず、アナウンスされる遅れが3分から5分、5分から7分へと増えた挙句に突然、運休するとのアナウンスが流れた。「遅延ではなく最初っから運転していないんじゃないか!」と文句をいいたいところだったが、駅で待つ人たちは慣れた感じで表情一つ変えない。ところがようやくやって来た次の列車もパディントン駅への到着が遅れ、さらにパディントン駅から乗ったタクシーが渋滞に巻き込まれ、午後の面談に20分も遅れるという失態を演じてしまった。ホテルに戻るタクシーの中で運転手が「ロンドンの鉄道会社は客に切符を買わせてホームに入れておきながら何の前ぶれもなく突然運休する」というので「それでも客は怒らないのか」と聞くと、文句をいっても何も変わらないのでいうだけ無駄とのことだった。日本は遅延が日常化しているJR東でも突然の運休というのはあまり聞いたことがなく、日中であればまず予定した時間に目的地に着く。今回はロンドンということでだいぶ時間に余裕をもたせたつもりだが、それでも足りないとなると行動範囲を狭めるか、面談の数を減らすしかない。ロンドンにあまり長く滞在したくない私としては実に有難くない話だ。

2013年10月5日土曜日

役人天国?

「一時は事業仕分けでえらい目にあったが今はようやく落ち着いた。」ゴルフコンペでご一緒した天下り組の元高級官僚がいった。事業仕分け自体を「まったくくだらない」と一刀両断に切り捨てる様に、もはや同じようなことは起きないとの自信がうかがえた。そんな折、羽田空港の国際線発着枠の拡大で民主党政権時代に経営破たんし、再建が行われた日本航空を冷遇する便数の割当が行われたことをニュースで知った。経営破たんした日本航空が税金面で優遇され、全日空よりも大きな利益をあげたからという理由が報じられていたが、全日空は税引き前の利益からして日本航空より少なく、社員の給与水準が同じで、日本航空と同等の経営努力をしていない限り文句を言うべきではない。そもそも経営破綻した企業に対する税金の優遇措置という一時的なものと空港の発着枠という長期的に続くものをごっちゃにするのはどう考えても理にかなわず、そうしたことが明確な基準もないまま国交省の一存で決まるというのも釈然としない。私も民主党に失望した国民の一人だが、羽田空港の国際化や、中途半端に終わってはしまったものの、税金の無駄遣いの排除といった実績が過小評価されているような気もする。自民党の政権に戻ったことで「もとのもくあみ」になることは覚悟しなければならなそうだ。

2013年9月29日日曜日

WiMAX

長年EモバイルのWiFiルーターを愛用してきたが、事務所用にもう一台買うために量販店に足を運び、すぐにWiMAXにすることに決めた。何せ端末の厚さも重さもEモバイルのものの半分以下、利用料金は同じでありながら、Eモバイルのような速度制限がかからず、さらにサービスの加入者は端末を持っていないときでも公衆無線LANを利用できるというから、こちらにしない手はない。さっそく事務所に持ち帰って使っているが、速度も速く、きわめて快適。かたやEモバイルは端末切り替えの案内が来て店に足を運ぶと、以前のものよりも大きくて重いものを渡され、しかもつながりが悪くなった。さらにたちが悪い?ことに、端末の月額補償料と称してそれまでかかっていなかった料金を追加しようとする。これでは実質的な値上げにほかならないが、店員に尋ねると端末切り替えの案内はがきに「小さく」書かれているとのこと。テレビCMなどで安さを強調しながら、実際には何やかんやいって課金し、結局は安くないという携帯電話会社に買収されたときからこのようなことが起きるのではないかと半ば予想していたが、値上げをするならもっと堂々とやった上で消費者の選択に任せるべきだろう。

2013年9月21日土曜日

クールビズ

5年ぶりに日本を訪れたというアイルランド人の来客。日本のビジネスマンがネクタイをしなくなったのはすばらしいという。かつて日本で働いていたことがあり、夏場でもネクタイをして顧客訪問をしていたときのことを思い出したのだろう。私はサラリーマン時代からネクタイをするのが嫌いで、今でも必要がないときはしないようにしている。日本よりも過ごしやすい気候のハワイですらビジネスウェアの基本はアロハで(といっても日本で売られているようなけばけばしい色のものではない)、カリフォルニアも特定の業種を除いてネクタイをしないのに、高温多湿な日本でなぜヨーロッパ人の服装を真似しなければならないのか。おそらく西洋化が始まった明治に始めたことをなかなかやめられず今日に至ってしまったものと想像するが、そのあたりもまじめな日本人らしく、『エコ』という大義のもと、政府が旗振り役になって推進するまでノーネクタイに移行しなかったのもまた日本人らしい。いずれにしてもネクタイなしでも相手に失礼にならないくらいクールビズが普及したのは実に喜ばしいことだ。

2013年9月15日日曜日

東京2020

久しぶりの海外出張から戻った夜、テレビをつけるとリオデジャネイロで行われているIOC総会の様子が生中継されていた。そうか、いよいよ2020年のオリンピック開催地が決まるのか…。しばらくつけっぱなしにしていると日本の誘致団の最終プレゼンが始まり、最初に登壇した高円宮妃の英語に思わず聞きほれてしまった。新幹線の英語アナウンスが超オーストラリア訛りなほど英語のアクセントに無頓着な日本では、英語が流暢といえばたいがいアメリカ訛りで、これほどきれいなイギリス英語を話す日本人はあまり見たことがない。IOC委員の多くを占める欧州人はアメリカ訛りを下に見る傾向があるので(私もたまにいじられる…)、妃殿下のスピーチはそのアクセントも都知事の残念な英語力を補って余りあったのではないかと思う。(滝川女史もよくがんばったと思うが、合掌はやや意味不明。)当初オリンピックの誘致にあまり賛成ではなかった私も、2回の招致活動にどれだけの税金が使われているかを知って今回こそ元をとってもらいたいと思うようになっていたが、今週出張した西日本の会社の人たちも一様に開催を楽しみにしていることを知り、地元開催という我々以降の世代にとってはおそらく一生に一度となる経験を前向きにとらえることにした。

2013年9月7日土曜日

お土産

1週間以上の海外出張でも持ち運びに便利な小さ目のスーツケースで済ませようとする私は、なかなか土産物を持って行くことができない。しかし今週はこちらから面談の申し入れをしたベトナムの企業7社に会うことになっていたので手ぶらというわけにはいかない。そこで成田空港の売店で手提げ袋一つに収まる量の土産物を買い、機内持ち込み用の荷物として持って行くことにした。一時的に手提げ袋が一つ増えるものの、お土産を渡しきれば元の荷物の量に戻るだろうと安易に考えていたが、ベトナムもアジアの国だけあって、逆にお土産をもらったりして結局それを持ち帰ることになった。さらにベトナムの帰りに寄ることになった台湾でも知人何人かに会うことになり、ベトナムで土産を買い足すことになった。そして台湾でも訪ねた先で自分が持参したお土産が恥ずかしくなるような立派なお土産をもらい、結局荷物は減らなかった。考えてみれば荷物を減らすためにお土産を買い控えるというのは本末転倒で、今度からスーツケースが大きめになってでも土産物はしっかり持って行こうと反省した。

2013年8月31日土曜日

外税表記

最近地元で人気のスペイン風バール。週末は混んでいてなかなか入れないので、平日の仕事帰りに行ってみた。確かに評判の小エビのアヒージョも魚介のパエリアもふつうに美味しく値段もリーズナブル。しかし会計の際にメニューにはない端数の金額を請求された。聞くとメニューは消費税を含まない、いわゆる税抜の価格が表記されているとのことだった。たまにこうした店を見かけるが、国税庁が総額表示を義務付けているのだから明らかにルール違反だ。また、どのような主義主張があってやっているのかわからないが、総額表示が当たり前になっている以上、結果的にはお客に実際の値段よりも安いかのような誤解を与えていることは間違いない。金額が大したことなくとも、こうしたことをしていること自体がせこさを感じさせ、私などはその店に行く気をなくしてしまうのだが、それでも繁盛しているということは、私がくだらないことを気にしすぎているということなのだろうか…。

2013年8月25日日曜日

異常気象

先日大手航空会社のパイロットとゴルフをご一緒した。私と同じ年なのだが、大学を出ていったん銀行に就職した後、航空会社のパイロット募集の広告に応募したという。パイロットといえば私も子どもの頃に憧れた職業。私も求人広告をきちんとチェックしていれば別の道が開けたかも知れないなどとくだらないことを考えてしまった。それはさておき、このパイロット氏によると最近は異常気象で操縦も大変になったそうだ。(いわれてみれば先週乗った飛行機も何の前触れもなく突然機体が大きく上下動を始めてひやっとさせられた。)私はてっきり飛行中は機械が勝手に操縦してくれ、パイロットは離着陸のときのみが「実働」と思っていたが、決してそのようなことはないらしい。私と同年代のベテランパイロットをしても操縦が難しいといわしめる気象条件だと経験の浅いパイロットはどうなってしまうのだろうか。また、機体が大きく揺れたときなどに客室乗務員が決まって「飛行の安全上問題ない」とアナウンスするのは果たして本当に信じていいのだろうか。考えすぎると飛行機での出張がしづらくなってしまいそうだ…。

2013年8月18日日曜日

白物家電

何でも壊れないと買い替えない私の家にはだいぶガタがきている家電品が多いが、会社の真ん前に大手家電量販店ができ、さらに夏の間家電マニアの大学生インターンが来たことで、そんな生活が一変しそうだ。空気清浄機能付きのエアコンの存在についてはCMなどで知っていたが、インターン君によると業務用エアコンで知られるダイキンの製品はきわめて強力で、部屋干しした衣類に一切臭いがつかないという。これは助かる。もう一つ彼に勧められて買うことにしたのがシャープの洗濯機。タテ型なのに乾燥機能がついていて、洗うことができない衣類もプラズマクラスターで除菌・消毒できるという。こうした宣伝文句は往々にして誇大広告であることがあるが、実際に使っているインターン君によると居酒屋でジャケットについたたばこの臭いもきれいに消えるという。さらに風呂の残り湯を勝手にくみ上げてくれるので水不足の折、助かる。証券会社時代に当時のシャープのCFOをパリの機関投資家のところに連れて行った際に、なぜ白物家電のようなもうからないものを続けているのだと質問されたが、今となっては「続けてくれてありがとう」といいたい。

2013年8月10日土曜日

尖閣問題

先日北京に住む中国系アメリカ人の知人が来日し、東京で会った。精華大学出のエリートで、中国政府の高級官僚となっている同窓生も多いのだが、彼自身はアメリカに留学し、そのままアメリカ国籍を取得した。昨年日本が尖閣諸島を国有化したとき、そんな彼が急に電話をかけてきて、これは大変なことになるといった。そして彼がいった通り大規模な反日デモが起きた。日本では中国が海底資源目当てに領有権を主張しているという向きがあるが、彼によると中国人は純粋に釣魚島が中国の領土と思っており(彼自身は領有権を主張する根拠があるとすれば中国ではなく台湾との考え)、日本の占有を認めるのは政府の沽券に関わるとのことだった。そして彼がわざわざ電話をかけてきたのは軍が武力で島を奪おうと真剣に考えているからとのことだった。彼は今回も尖閣の問題に触れ、全面戦争になれば中国は日本に勝てるが、そんなことはできず、海での戦闘となると経験の少ない中国軍は不利だと語った。日本では尖閣問題の報道が減り、事態が収束しつつあるような印象を受けがちだが、彼があえて尖閣を話題にしたことから、中国では決して収束していないことが窺えた。

2013年8月2日金曜日

ナンバープレート

東京で育った私は自然と車のナンバープレートを見る癖がついている。東京23区の西の端の西荻窪にはたまに西隣の多摩ナンバーの車が“国境”を超えてやってくるのだが、子どもの頃多摩ナンバーの車は柄が悪いので気をつけるようにいわれていた(根拠は不明)。都心でタクシーを拾う場合、目的地に早く着きたいのであれば運転が乱暴ながらやたらと速い足立ナンバーを選び、急いでいないときは安全運転の練馬ナンバーを選ぶ。実際に練馬ナンバーのタクシーの運転手は足立ナンバーの車は運転が乱暴で危険な割り込みをするといい、足立ナンバーのタクシーの運転手からは練馬ナンバーは運転がとろいと聞く。何年か前に西大井でスピードを出し過ぎたタクシーが横須賀線の線路に転落する事故があったが、テレビの映像を見ると案の定、足立ナンバーだった。世田谷ナンバーの導入をめぐる議論を見て、世田谷も出世したものだと思った。品川ナンバーのままがいいという区民と世田谷ナンバーにしたい区民の違いはどこにあるのかと考えると、世田谷が東京の中の田舎だった時代を知る人と、有名人が住むようになり、イメージがよくなった後しか知らない人の違いではないかと思う。しかしこうした議論が起きるのも品川か世田谷かの選択だからで、私の地元の杉並では練馬ナンバーから杉並ナンバーに変わるのに反対する人はまずいないだろう。(ちなみに私は練馬の高校を出ているので、個人的には練馬にもなじみがある。)

2013年7月27日土曜日

朝鮮半島情勢

久しぶりに参加した大学OBの昼食会。毎回各界で活躍する著名人がゲストスピーカーとして招かれるが、今回は朝鮮半島情勢の専門家の重村教授がニュースの裏側を知る上で興味深い内容の講演をされた。経済制裁で油の供給が途絶えている北朝鮮にはもはや戦争をする力はなく、我々がニュースで耳にする米韓軍事演習は北朝鮮の脅威に対抗するというよりは、北朝鮮に対抗措置として軍事演習をさせ、油を枯渇させる戦略とのこと。中国が金融制裁に加わったことで金の流れも止まり、ミサイルを提供する見返りとして北朝鮮に米を送っていたミャンマーもアメリカの圧力で輸出をやめるという。中国の新指導部が北朝鮮のトップより先に韓国の大統領に会うという前代未聞のことが起きたが、これは中国が会談の条件としているミサイルの発射や核実験の中止を北朝鮮が受け入れられないためだという。拉致問題に関しては北朝鮮が死亡しているとした被害者の相当数がまだ生存している可能性が高いとのこと。また、今の北朝鮮の体制が盤石でなく、一つの重しとなっていた前総書記の妹が余命間もない病状で、そう遠くない将来混乱が起きるかもしれないとのことだった。

2013年7月20日土曜日

選挙応援

参院選を見ていて不思議に思うことがある。明らかに世間のイメージがよくない政治家や民間人が候補者の街頭演説やウェブサイトで応援をしていることだ。こうした行為は票が逃げることはあっても候補者にとってプラスにならないはず。私は今回も期日前投票を済ませたが、あまり好ましいイメージをもっていない民間人が投票しようと思っていた候補のウェブサイト上で大々的に応援しているのを見て、別の候補に投票することにした。党の幹部が党の公認候補を応援するのと違い、民間人が応援する場合、個人的な関係の深さを感じさせる。このため自分が好ましくないと思っている人物と親しいという時点で投票する気がしなくなるのだ。それにしても候補者の側が付き合いのある人物からの応援の申し出を断りづらいのは想像がつくが、応援をする側は果たして自分の世間的なイメージを自覚していないのだろうかと思う。

2013年7月14日日曜日

カウンターのある店

先日米国に留学していたときのクラスメートと西麻布で食事をした。私が知る唯一のルクセンブルグ人で、米系不動産投資会社の日本支社長を務めている。3年前に今のポジションをオファーされて一家で東京に移り、震災の際には大使館から東京を離れるよう勧告があったため家族を本国に戻す一方、社員は福岡の事務所に移した。彼は一人で東京に残り、その際に今回食事をした店によく一人で来ていたという。彼によると日本では店の人がカウンター越しに話し相手になってくれるので一人でも入りやすいという。考えてみればその通りで、私は長年こうした「単身者フレンドリー」な国に住んでいながら、それを十分に活用してこなかったことに気づいた。これまではカウンターのある店に入っても人見知りをしてついついカウンターから離れたテーブル席について、食事が済んだらそそくさと帰っていたが、今後はカウンター席について店の人と会話をしてみようかと思った。

2013年7月6日土曜日

ものの値段

九州で食事をご一緒した地方銀行の役員さんが、大学生のお子さんが頻繁に東京に行っているというので、それではずいぶんとお金もかかるだろうと思いきや、LCCで行けば片道数千円、到着空港は成田になるが、東京駅まで1,000円で乗れるバスがあるという。それでは片道何倍もの運賃を払っているのがばからしくなる。LCCである以上、座席が狭いとか空港に到着した後、ターミナルまでバスで移動しなければならないといった不自由はあるだろうが、大手航空会社の国内線用機材の一般座席も半端でない詰め込み方をしているし、ゲートから到着ロビーまで果てしなく歩かされるのと、バスでロビーにつけてくれるのとどちらがよいかという話もある。成田空港からのリムジンバスは以前は3,000円のしかなかったが、1,000円で採算が合うということは、いかに利用者が暴利をむさぼられていたかがわかる。羽田空港の国際化で独占的な地位を失い、LCCを誘致するために1,000円バスを認めざるを得なくなったというのが実態と想像するが、以前はリムジンバスの営業が一社独占で、成田空港に宅配便業者を入れずに空港公団の天下り会社が荷物の取扱会社を設立し、割高な料金を徴収しているのと同様、国土交通省(旧運輸省)が絡むことには一事が万事、発展途上国並みの腐敗の臭いがする。一部の役人の私利私欲のために移動にかかるコストが高くなり、観光の振興や経済交流の阻害要因になってきたとすれば実に残念な国だと思う。

2013年6月28日金曜日

リサイクルトナー

安物買いの銭失いとはよくいったものだ。お気に入りのNECのレーザープリンターのトナー代を節約するために、ネットのショッピングサイトで売られているリサイクルトナーなるものを使っていたら印刷がシミになり、ローラーが汚れ、しまいには機械が紙詰まりを起こして印刷ができなくなった。メーカーに問い合わせると修理には数万円かかるといわれたが、それでは新しいプリンター買った方がまし。というわけで、買って一年足らずでまた同じモデルのプリンターを新たに買うことになった。リサイクルトナーは値段が純正のものの半分以下だが、明らかに消費が激しく、ネットで謳っている枚数は印刷できない。つまりは純正品に比べてそれほどお得ではない。さらに機械が故障して買い替えなければならないようだとかえって割高になる。こんなことになるなら変なところでケチらず、ずっと純正品を使い続けていればよかった。それにしても大手ショッピングサイトがよくこんないい加減なものを売るものである。商品のレビューには安くてよいといった肯定的なコメントがある一方で、私と同じような経験をしたというコメントは載っていなかったが、このような経験をしているのが私だけとは到底思えない…。

2013年6月22日土曜日

ワールドWave

NHKの「ワールドWave」なる番組で仕事上よく知る北アイルランドが取り上げられることになり、見てみた。NHKの番組表に「今も暴力犯罪が多発する」と書いてあった時点でイヤな予感がしていたが、案の定、15年前に終結した紛争が今も続いているかのような不正確な報道内容にがっかりした。北アイルランドは先進国の中で日本に次ぐ犯罪の発生率の低さで、暴力犯罪もイギリスの中でもっとも少ない。また、番組では紛争時代の遺産である、市内数か所に残る高い壁を映し出して、まだ暴力抑止の役割を果たしているかのようなことをいっていたが、実際に当地を訪れたことがある人であれば、そうした壁も今やダブルデッカー(2階建てバス)の観光コースになっていることを知っているはずだ。奇しくもこの番組が放送された数日後に、イギリスのキャメロン首相と北アイルランドのロビンソン首席大臣がこうした壁を順次撤去していくことで合意したと報じられ、NHKの報道のいい加減さが露呈した。私が知る北アイルランドの政府関係者がこの番組の取材を受けたが、当地が今やイギリスの中でももっとも外資の誘致に成功しているとか、日系企業の雇用数だけでも3千人にのぼるといったポジティブな情報は一切カットされていた。ネガティブなストーリーに仕立て上げた方が報道番組として関心を引くという計算が働いたのか、それともろくな取材もせずにいい加減な思い込みに至ってしまったのか、どちらにしても報道機関としてあるまじきこと。今回は私が身をもってわかっている内容だったからその不正確さに気づいたものの、一事が万事、このようなクオリティの取材・報道内容だとすれば、NHKの報道番組自体を信頼を置いて見ることができない。

2013年6月16日日曜日

腹皮焼き

初めて鹿児島県の枕崎を訪れたのはもう10年近く前になるだろうか。漁港の近くの食堂で「腹皮焼き」なる聞きなれないメニューを見つけ、注文したところ、脂がのっていて実に美味だった。後で調べてみると文字通り当地名産の鰹の腹の部分を焼いたもので、マグロでいえばトロにあたるという(腹周りに脂がのっているのは私も同じ…)。これほど美味しいものなら鹿児島のどこでも食べられるのかと思いきや、実は鹿児島市内で置いている店がなかなか見つからない。今回も宿泊先のホテルで調べてもらったが、やはり置いている店が見つからなかった。しかし季節によっては生の腹皮を置いているという情報を手がかりに中央駅近くの市場に行ってみたところ、何とあっけなく見つかった。しかも弁当が200円…。イートインできる場所があったので、さっそく食べてみたが、枕崎で食べたものには鮮度で及ばないものの、なかなかの美味しさだった。これで鹿児島に来る楽しみが一つ増えた。

2013年6月8日土曜日

気象予報

梅雨とは思えない天気が続いた今週。そもそもなぜ梅雨入りなど宣言するのか不思議に思っていたところ、テレビで気象庁の担当者が「梅雨の時期は災害が多く発生するので注意を喚起するため」とやや説得力にかける説明をしているのを見た。長年日本に住んでいる大半の国民はこの時期に雨が多いことくらいわかっているし、注意喚起はその危険が現実的になったときにしてもらわないと、何週間も警戒感をもって生活することなどできない。気象庁でもう一つ不思議なのが長期予報。梅雨入りは向こう1週間の予報で雨の日が多いときに判断するというが、それが相当な確率で外れ、今回のようなことになっているというのに、どうやってそれよりも長い期間の予想ができるというのか。当る確率が高くない「暖冬」や「猛暑」の予報には何の意味もないだろう。気象庁は、天気予報が外れると苦情が来るので、悪目に予報を出すと聞いたことがあるが、翌日の天気でさえそのような状況であれば、その先は「わからない」といってしまった方がまだましな気がする。

2013年6月1日土曜日

外れ馬券裁判

外れ馬券裁判のニュースを聞いて、研究成果から得られた特許収入の支払いを求めて自らが勤めていた会社を相手に裁判を起こしたエンジニアのことを思い出した。ギャンブルは当たることもあれば当らないこともある確率のゲームで、10回に1回大当たりするとすれば、残り9回分の外れ馬券を買った代金は1回大当たりするための費用と見なすのが妥当だろう。企業の研究開発も同様で、すべての開発活動が成功して商品化に結びつき、企業の収益に寄与するのであればともかく、10回に1回しかリターンが得られないのであれば、残り9つの研究開発活動にかけた費用は1回の成功を得るための費用と見なすべきで、1回の成功からあがる収益をそっくりそのまま開発者に還元してしまっては、企業は立ちいかなくなる。今回は被告が勝訴したが、競馬を生業としていようがいまいが、同じロジックが適用されるべきで、どうしてこうしたことに疑問が呈されるのか、むしろ不思議な気がした。

2013年5月25日土曜日

隔世遺伝

こういう言葉があるということは実際にあることなのだろうと想像はしていたが、先日会食でご一緒した九州の銀行の幹部の話を聞いて確信した。この方は東京の私学を出てこの地銀に就職されたのだが、お父上は東大出の素粒子物理学者で息子さんも今東大で素粒子の研究をしているという。お父上と息子さんは話が合うものの、その会話がご自身にはチンプンカンプンなのだそうだ。家では奥さんがナントカ障害ですぐ絡んでくるそうで、お気の毒に思えたので、「よい遺伝子を後世に引き継ぐ大役を果たされたので、よかったじゃないですか。」などと軽口をたたいてしまったが、黙って聞いていた方がよかっただろうか…。

2013年5月18日土曜日

FDA

「小牧は今後も旅客用に使いますよ。」福岡空港で名古屋行のフライトを待つ間、2年前に愛知県庁の職員がいった言葉を思い出した。羽田からアクセスの悪い成田に国際空港をつくったり、どうみても採算の合わない地方空港をつくったり、我が国の国土交通行政は驚くほど合理性を欠く判断を繰り返して国の借金を膨らませ、国際競争力をそいできたが(ソウルの仁川空港は金浦空港の延長線上にある)、中部国際空港の開業で小牧の民間利用をやめるといった愚かなことが行われずにいることは実に喜ばしい。採算性が疑問視されつつ開港した静岡空港をハブとしていたはずのフジドリームエア(FDA)が小牧に軸足を移しつつあることで、全国の主要都市から名古屋へのアクセスが格段によくなり、東京から福岡に出張した帰りに名古屋に寄ることも容易にできるようになった。これは名古屋の経済にとって間違いなくプラスだろう。1時間余りの短いフライトでも飲み物と抹茶味のウイロウ的茶菓子(さすが静岡&名古屋)まで出る。そして何よりも間際に購入しても運賃が安い。福岡ではメガ航空会社が競合する路線だけ値下げを宣伝していて、そのあまりのわかりやすさにあきれたが、こうした地方発のLCCがますます増え、健全な競争を生み出すことに期待したい。

2013年5月11日土曜日

ロンドンデリー

商用で訪れた北アイルランドのロンドンデリー。「ダニーボーイ(ロンドンデリーの歌)」で知られるこの町を訪れるのは三度目だったが、今回はホストの計らいでガイド付きのツアーに参加したことで、ようやくこの町の複雑な歴史について理解することができた。17世紀前半にフランスなどの外敵の侵略から町を守るために、イングランド王の命でロンドンの商工業者が資金を出して城壁が築かれ、第二次大戦中にはドイツ軍のUボートがやって来たというから、今はのどかなアイルランド北部のこの町が地理的に重要な場所であったことがわかる。紛争時代の1970年代から80年代にかけては町のそこかしこで爆弾が爆発し、城壁の中で被害を受けなかった建物がほとんどなかったというからすさまじい。城壁の砲台では、貴重な戦力である成人男子を暴発事故で失わないために、危険な点火役を子どもにやらせていたという話を聞き、小学生の頃ドキュメンタリー映画で見た1972年の血の日曜日事件が起きた現場では、現キャメロン政権になってようやくカトリック系の若者たちを銃殺したイギリス軍の非を認めたということを知った。ところでロンドンデリーの本来の名前はデリーで(綴りが違うが日本語ではインドのデリーと同じに聞こえてしまうため、私はあえてロンドンデリーといっている)、もともと当地に住んでいたカトリック系の人たちの中にはロンドンデリーと呼ぶことを嫌う人が多い。しかし自らもカトリック教徒のツアーガイドはロンドンとの歴史的なつながりのおかげでイングランドから大勢の観光客が訪れ、アイルランド人の懐を潤してくれるのは喜ぶべきことと冗談めかしていって笑いを誘った。ちなみにこのガイドはTripadvisorでトップの評価を受けている予約待ちの人だそうだが、間際に電話で予約を申し込んできた女性がスーザン・ボイルと知って特別に時間をやりくりしたという。そんなガイドの案内を受けられたのは実に幸運だった。

2013年5月3日金曜日

ライアンエアー

ろくな評判を聞かないアイルランドのLCCライアンエアー。ほかの航空会社が飛んでいないロンドンデリーからロンドンまでのフライトに乗ることになった。片道およそ9ポンド(およそ1,400円)という謳い文句だが、実際には発券手数料、荷物の預け入れ費用、クレジットカード手数料など、ふつうの航空会社であれば航空券代に含まれているものを加えると5,000円を超える。さらに事前にパソコンでチェックインを済ませ、搭乗券を印刷して来ないと空港で70ポンド(およそ1万円)取られるというから驚く。フライト当日、時間通りに飛行機に乗り込んで出発を待ったが、いつまでたっても動き出さない。しばらくして機長から、エンジンをかけるのに必要な部品がなくなっているので、別の方法でエンジンを起動させようとしているという驚くような説明があった。しかしまた長い時間何も起きず、冷房の切れた機内が暑くなってきた頃に「やはりエンジンがかからないので、ほかの空港から技術者を派遣する」との説明。その後しばらくして「別の機体をロンドンから送ることになったのでいったんターミナルビルに戻るように」との指示。結局4時間遅れの真夜中過ぎに代わりの飛行機で出発し、ロンドンのホテルにチェックインできたのは午前4時過ぎだった。いくら安いとはいえ、こんな危なっかしい航空会社は日本では誰も乗りたがらないと思うが、国民性の違いからか乗客の誰もが慣れた感じで文句もいわない。私自身はスケジュールを調整してでも今後は何としても避けようと心に決めた。

2013年4月28日日曜日

昨日の敵は今日の友

何年か前に日本でのパートナー企業探しを手伝ったアメリカのオンライン言語学習会社の社長から、英会話トレーニングソフト大手のロゼッタストーンとの合併を知らせるメールが届いた。文面にはロゼッタストーン社が「世界有数の教育ブランドを築き上げてきた会社で、最先端のテクノロジーを駆使した効果的な語学習得ソリューションを掲げ業界の羨望を集めている」と書かれ、「お客様に最大のサービスをお届けするために培われた私たちの業績と技術を統合し、今後さらに語学学習の世界を飛躍的に進歩させていきます」と締めくくられていた。このロゼッタストーンこそ、かつてこの会社が自社のオンラインサービスのよさをアピールするためにソフト代が高いのなんのといって引き合いに出していた会社。「昨日の敵は今日の友」とはよくいったものだが、今回の買収がロゼッタストーンが競合として台頭してきた同社を取り込むために行ったものだとすれば、当時まだスタートアップだった同社が数年で業界最大手に脅威に感じられるほど成長したということであり、それはそれで大したものといえよう。

2013年4月20日土曜日

あんかけスパゲッティ

先週は出張先の名古屋で初めて当地名物のあんかけスパゲッティ―を食した。そもそもスパゲッティ―のようなお腹にたまらないものは、それ単体だと物足りないので、ランチに積極的に食べることはないのだが、このあんかけスパゲッティは麺が太くボリュームもあるため、女性よりおじさんたちに人気があるという。栄の訪問先の近くにある店に入ると確かに客は男ばかり。そしてソーセージ入りなのになぜかミラネーゼと呼ばれる定番メニューを注文した。スパゲッティの太麺をラードか何かでフライしてから調理するらしく(カロリーなど気にしていてはとても食べられたものではない)、出て来るのに時間がかかったが、なるほどボリュームがあり、味もB級グルメにしては決して悪くない。名古屋に出張するときはいつも味噌煮込みうどんばかり食べていたが、ようやく選択肢が一つ増えた。

2013年4月13日土曜日

北京

黄砂もPM2.5も対岸の火事というくらいに思っていたら、急きょ出張で北京に行くことになった。風向きのせいか、着いた当日の空気は日本のニュースで報じられたほどひどくはなく、日の光も差して快適な陽気だったが、前回来た2年前から交通渋滞がますますひどくなっているようで、空港からホテルに着くまでずいぶんと時間がかかってしまった。北京に来る楽しみはやはり食事で、本場の北京ダックは上海や香港で食べるものとは異なり、粗砂糖で食べるクリスピーな皮は格別だ。今回は2泊3日の短い滞在ながら、二晩連続で食べることができて大いに満足した。帰国当日はまた風向きが変わったのか、テレビのニュースで見たような大気汚染が町全体を覆い、そこから逃げるように朝のフライトで帰国の途についた。北京ダックは捨てがたいが、やはり住むのはちょっときついかもしれない…。

2013年4月6日土曜日

海路

西日本への出張が多い昨今。東京と何度も往復するのは効率が悪いので、3~4日かけて複数の都市をまわるようにしている。福岡・北九州と広島、広島と岡山、岡山と大阪といった具合だ。こうして九州の北部と山陽、関西方面は毎月行っているが、営業効率を考えてどうしても足が遠のいていたのが広島から海を隔てた松山だった。ところが最近広島の宇品にある港から松山港まで高速艇が出ていて、およそ1時間で着けることに気づき、さっそく先週広島に出張した後に松山の取引先候補を訪ねた。夕方広島での面談を終えて高速艇に乗り込むと、なるほど1時間余りで松山の港に着いた。広島も松山も港が市の中心部から比較的近いのでなおさら便利だ。東日本に住んでいると船に乗るという発想があまりないが、離島が多い瀬戸内海を擁し、四国や九州と海を隔てている西日本ではもっと身近な乗り物なのだろう。思えば陸路で京都に近い千葉県の北部が下総で遠い中部が上総と呼ばれるのは、海路が重要な移動手段だった時代に木更津が千葉の玄関口だったから。日本が海洋国家であることを改めて思い起こした。

2013年3月30日土曜日

子育て

私の地元で子どもが認可保育園に入れなかった母親たちが区役所で集団抗議を行って話題になったが、その後自民党の区議が子育ては本来家庭でやるものとブログに書いて批判を浴びた。多くの母親たちが専業主婦をやっていられた時代とは違い、しかも自党の総裁が女性の社会進出を支援するといっている中で、政治家として判断力を欠く発言にも見えるが、私の地元には彼の意見に賛同する人たちが実は多いのではないかという気がする。というのも近所からの苦情で保育園が屋上で子供を遊ばせなくなったり、小学校が路上で声を出して挨拶をせず、黙礼するように生徒に指導するくらい他人の子どもに対する寛容さがないからだ(それにしても文句を言う方も言う方なら、そうした苦情を聞き入れて子どもたちに挨拶もさせない学校側も学校側)。地元に歓迎されない子どもたちもかわいそうなもので、こうした現象が全国的なものでないことを願うばかりだ。

2013年3月24日日曜日

三原

広島での移動中、昼食を食べるために三原に寄った。あまり気のりせずに食べた当地の名物というタコの天ぷらが予想外に美味しかった。三原といえば最近私の地元の駅の構内に頻繁に出店しているクリームパン屋がある町。観光案内所に聞くと歩いてすぐの場所だったので行ってみた。その日は定休日らしくシャッターが閉まっていたが、今や見慣れたロゴを別にするとどう見てもふつうの町の洋菓子屋。東京でブレークするまで広島では特に注目されていなかったと聞くが、今や新大阪の駅の構内にも出店していてその勢いは急速に全国展開を果たしたシュークリーム屋を思い起こさせる。(同社との違いは常設の店をもたず、駅の構内などの仮設店で売っていることだろうか。)2年ほど前に初めて赤坂見附の駅で見かけたときは聞きなれない店名で試食もできなかったので、あえて買おうとも思わなかったのを思い出す。ラーメン屋などはチェーン展開やネット販売を始めると、とたんにクオリティが落ちることが多いが、洋菓子はそうでもないようで、ここのクリームパンもいつどこで買っても味が変わらない。それにしてもこれほど急速に売上が増えていったいどこで生産しているのかが不思議だ。三原の小さな店を見る限り、とても全国に販売するほどの量を作れるようには見えなかった。

2013年3月16日土曜日

煙霧

東京で生まれ育った私も耳にしたことがない煙霧なる現象。黄砂ではないといわれても、汚れた空の色を見るとこの時期飛来しているはずの黄砂やらPM2.5やらが混ざっていないとは思えない。汚染値は計測されているだろうに、なぜ公表されないのか。原発事故直後のことを思い出し、何か気になる。それにしても煙霧に続く強風といい、夏場のいわゆるゲリラ豪雨といい、近年の異常気象は気になる。温暖化によって夏はより暑く、冬はより寒くなり、風が強くなると聞いていたが、まさにその通りになっている。温暖化は世界的な現象かもしれないが、黄砂は中国の風下にある国固有の問題。今週出張した岐阜の人はここ10年ばかりますますひどくなっているといっていたので東京もそうなるのは時間の問題か。逃げ場のない島国。どうしたものかと考えてしまう…。

2013年3月9日土曜日

FOODEX

今週は幕張で開かれていたアジア最大の食の展示会FOODEXに行った。今年は招待状を2枚もらったので、火曜日と木曜日の二日に分けて見たが、相変わらずの見応え(食べ応え?)だった。この展示会はほかと違い、入場者をバイヤーなどに厳しく制限し、招待状と引き換える入場券は当日のみ有効だ。飲み食いだけを目的にやってくる輩を排除するのが目的らしい。連日TPPへの参加問題が大きく取り上げられていたが、アメリカのパビリオンの中に米国産“黒豚”なるものが出展されていて、試食してみると意外においしかった。オーストラリア産の“和牛”は似て非なるもので、あまり脅威にならないと思うが、アメリカ産の黒豚が低価格で大量に出回るようになると国内の業者への影響が出かねないように思われた。ヨーロッパのワイン生産国は軒並みワイン会社のブースを並べていたが、どんな宣伝文句をいわれても、うちの事務所で直接取り寄せているアメリカのブティーク・ワイナリーのものに比べるとボディもなく、物足りなかった。こうした展示会では試食、試飲なくして商談も成立しないのだが、試飲用の極小のプラスチックカップに味もわからないくらいわずかな量しか注がない業者が意外に多く、大事なところでケチっては元も子もなかろうにと思った。招待状をもらえなければ行くこともない展示会だが、行けば行ったで色々な発見があって面白い。果たして来年も招待してもらえるだろうか…。

2013年3月3日日曜日

東大阪

先日取引先の紹介で東大阪の会社の会長にお会いすることになり、初めて当地に足を踏み入れた。東大阪は東京でいえば大田区のような町工場街のイメージだが、大企業しか出入りしていなかった自分がこの地に足を踏み入れる機会が来ようとは思いもよらなかった。同社は最近中東に進出し、アラビア語ができる日本人エンジニアを探していると聞いていたが、そのことに話が及ぶと会長が実にあっさりと、すでにいい人が見つかったといわれたので驚いた。何でもカイロ大学に留学経験のある大阪の大手電機メーカー出身の人を雇えたのだという。アラビア語ができる人材は大手企業といえども希少な存在で重宝されるはず。にもかかわらず会社を辞めてより小さな会社に移るというのは以前であれば考えづらかったことだ。それほど電機業界が苦境に立たされているということなのか。しかし優秀な人材を大勢集めている割にはそれを活かしきれず、国際競争に勝ち抜くには意思決定があまりに遅い大企業から成長市場に積極的に進出しているこうした中小企業に人材が移るのは日本経済にとっては決してマイナスではないのかもしれない。

2013年2月24日日曜日

ハイパーインフレ

今週お会いしたアパレル企業のオーナー社長。海外進出に関心があるとのことだったが、聞けば本業とは関係のない東南アジアの不動産に投資したいとのこと。国内市場の縮小による事業の伸び悩みから海外の市場を視野に入れてはいるが、それよりも海外の資産を買うことで日本で起こりうるハイパーインフレによる資産の目減りをヘッジしたいとのこと。株価は新政権への期待を目いっぱい織り込んでいるが、国の財政赤字は膨らむ一方。もはやハイパーインフレしか解決策がないというのはあながち間違った見方ではないかもしれない。日本では賃貸用の不動産は新築時からどんどんと値を下げて資産価値をなくしていくが、海外ではそのようなことはなく、賃貸料収入だけでなく、売却時の利益も期待できるというのもその通りかもしれない。酷寒が続く昨今、私も東南アジアあたりに物件を買って移住してしまいたくなる話だった…。

2013年2月15日金曜日

華僑顔

「確かに竹内さんは“華僑顔”をしてますよ。」長年バンコクに暮らす日本人の人にいわれた。20代の前半に初めてタイに行ったときから現地の人に必ずタイ語で話しかけられ、日本人と一緒にいて日本語で話していても私だけ現地人と思われた(こうした場合はおそらくタイ人ガイドか日本語が流暢な商談相手に見られているとのこと)。日焼けなどしようものなら航空会社の日本人客室乗務員にまで英語で話しかけられる…。歳をとっても顔は“日本人化”していないらしく、今回バンコクに行ったときも100%タイ語で話かけられ、わからないと身振りで伝えようとしても構わずタイ語で続けられた。食事の席でそんな話をしたところ前述のように華僑顔をしているといわれ、何となく認識していたことが確信に変わった。父も台湾に行くと現地の人に見られたという話を聞いたが、私が知りうる先祖に大陸から来た人はいないから不思議だ。でも老後にタイに移住すれば現地にふつうに溶け込めるということかもしれないし、どれだけ華僑顔をしていても日本で生活する上で不自由はないからよしとしようか…。

2013年2月9日土曜日

JR東

「雪は大丈夫ですか?」水曜日に電話で話した大阪の取引先の人に聞かれた。「都心ではほとんど積もっていませんよ。」その日の午後に乗ったタクシーの運転手はJR東の間引き運転に事故が重なったことで山手線と京浜東北線がストップし、道路が大変なことになっていたという。本当に運行に障害が出るほどの積雪があるかも見極めずに早々に間引き運転を発表する元国営鉄道会社。震災の日も早々に当日の全面運休を発表したことを思い出した。地下鉄や私鉄が一部の区間でも当日中に運行を再開したのとはえらい違いで、東電と同じ独占企業の体質を感じた。前回の大雪を予想できなかった気象庁が汚名返上?とばかりに大雪になるといったからといってどう見ても過剰反応。電車の遅れも日常茶飯事のJR東に「大阪の人たちだったら到底黙っていないと思いますよ。」とひと言つけ加えずにはいられなかった。

2013年2月3日日曜日

バンコク

「成田付近の気温は零下4度…。」着陸態勢に入ったバンコクからの夜行便の機内アナウンスを聞き、寒い国に戻って来たことを実感した。やがて真っ白な霜に覆われた田畑が見えてきた。前回行ったのがいつか思い出せないくらい久しぶりのバンコクだったが、2泊3日、往復とも夜行便という強行軍で戻って来たのがもったいない…。当地に赴任した日本人は日本に帰りたがらないと聞くが、今回お会いした(元)赴任者5人のうちの2人が現地採用に切り替えて当地にいついてしまっていた。思えばかつてはいずれの航空会社も成田から一日一便しか就航していなかったバンコク便も、今は羽田発を含めて毎日複数の便が運行されており、それだけ行き来する人も増えているのだろう。以前は交通渋滞がすさまじく、バンコクに住みたいという発想はなかったが、スカイトレイン(高架鉄道)や地下鉄も整備された今は、交通渋滞に巻き込まれずに目的地まで行きつけるようになった。日本人人口の増加とともに和食屋や和食材店も増えているようで、いずれここに移り住むのも悪くないかと思わせる訪問となった。

2013年1月27日日曜日

テレビ取材

出張からの帰路、岡山空港のチェックインカウンター前にテレビ局のカメラクルーがいた。目を合わせないようにチェックイン機に進んだが、ほかに人がいなかったからか手続きを済ませたところでつかまってしまった。インタビューの内容はボーイング787型機のトラブルによる欠航で、どう思うか、困らないか、怖くないかなどと矢継ぎ早に聞かれた。一昨年の震災の後に事務所に取材に来たアメリカのテレビ局のニュースキャスターも怖くなかったかとしきりに聞いてきたことを思い出した。どうやら私から「死ぬほど怖かった」というくらいのコメントを引き出さないとニュースで出そうとしているトーンに合わなかったようだ。今回もインタビューが長引いてなかなか解放しれもらえなかったのは私が期待したコメントをしなかったからかもしれないが、欠航した787に乗るわけではないので怖くはないし、予約を入れた便が欠航になったわけではないので困りもしない。それより重大事故が起きたわけでもないのにことさら騒ぎ立てるのは、事件や事故を必要以上にネガティブに報じるマスコミの傾向を象徴しているようで、もっと世の中の雰囲気を明るくするニュースに力を入れてもらいたいものだと思った。

2013年1月20日日曜日

オリーブの果汁

先日、翌日の夕食の下ごしらえのために包丁で野菜を切っていたところ、誤って薬指をざっくりやってしまった。ぱっくり開いた傷口から鮮血があふれ出たが、以前医者から教わった通り、傷口を強く抑えて出血が収まるのを待った。それからふと家に消毒液もバンドエイドも置いていないことを思い出した。夜遅いので近くの店も開いていない。どうしたものかと思案したところ、オリーブオイル(といってもうちで使っているのは精製していないオリーブの果汁そのもの)に消毒効果があると聞いたことを思い出し、傷口に垂らしてそのまま寝た。すると翌朝には傷口が小さくなっていて、2、3日でほとんど目立たなくなった。オリーブの果汁の咳止め効果や肌の保湿効果は実際に試して認識していたが、外傷を治すのにも有効というのは新発見。天然のものだし治りも早かったので、消毒液を使うよりもむしろよかったかもしれない。オリーブの果汁には歯茎を丈夫にする効果があり、流水で歯を磨く習慣のないエジプトのベドウィン(砂漠の民)は毎日15分以上オリーブの果汁を口に含んでマウスウォッシュをすることで入れ歯にならないと聞き、最近はこれも試している。しかし15分以上口をゆすぐのは結構大変で、テレビを見ながらでもないとなかなかできない(パソコンをやりながらだと咳き込みでもしたらディザスタラス)。

2013年1月12日土曜日

JAL

JALが黒字化して再上場を果たし、何だかもてはやされているようだが、機体の整備の不行き届きは相変わらずのようだ。東京に急いで戻るために乗った大阪からのフライトがゲートを離れて滑走路に向かう途中で急に止まり、しばらくして機長が「無線機器が故障したので修理している。修理には15分ほどかかる。」とアナウンスした。それからまたしばらくたって再び機長が「ゲートに戻って修理する。」とアナウンス。今回はどれくらい時間がかかるかいわない。そもそもなぜ安全な飛行に必要な機材の動作も確認せずに客を乗せ、ゲートを離れたのか。さらになぜ、すぐにゲートに戻らずいい加減な時間の見積もりをするのか。実は同じことが昨年、小松空港から東京に乗る便でも起きた。最終便で、電車よりも早く東京に戻るために乗ったのに、結局家に着いたのは深夜だった。このときも客を乗せてゲートを離れてから不具合が起きたと言い出した。経営破たん前にはロスの空港で滑走路を走り始めた後に激しい揺れが起き、離陸を途中でやめたこともあった。このときなど長い間客を乗せたまま動かず、ゲートに戻ったときにはほかの航空会社の成田便がすべて出発してしまった後だった。こうしたことがあっても懲りずに乗った私も悪いのだが、財務体質だけでなく経営体質も改善してもらいたいものだと思う。

2013年1月5日土曜日

新型ゲーム機

「年末に新しいゲーム機を出しますから。」昨秋訪問した大手ゲームメーカーの人にいわれていやな予感がした。そして年末、親戚にそのゲーム機を買ってもらった甥っ子から新しいソフトをねだられて予感は的中した。私自身がゲーム機を作っている会社に勤めていたときにある社員が「情操教育に悪いので自分の子どもにはやらせない。」というのを聞き、「自分で売っておきながら…。」と思ったが、自分が親だったら実に悩ましい。情操教育以前にやり始めたらやめられない常習性が気になるが、かといって他の子たちが持っているのに自分の子に持たせないというのはかわいそうな気もする。といいながら親の承諾もなく、甥っ子にソフトを買ってあげる約束をしてしまったことを思い出した。