2014年8月30日土曜日

ブラック企業

イメージが大切なはずのビューティーサロンや、おとぎの国であるはずの遊園地の運営会社までその過酷な労働実態が明るみに出て、いつの時代もこうしたことはなくならないものだと感じた。このビューティーサロンの経営者はテレビのバラエティ番組でその金満ぶりを披露していたが、資本主義の世の中ではいかにうまく搾取の構造を築くかが金持ちになるコツだったりするので、驚くには値しないだろう。一方、ブラックといわれる居酒屋チェーンの経営者は、コメンテーターとしてテレビ出演したり、国会議員選挙に出たりしていたが、このあたりもブラックな実態とは異なるイメージを作る意図があったのかもしれない。かつてはブラック企業という言葉すらなかったが、そうした言葉ができたおかげで労働者への極端な搾取に歯止めがかかるようであれば好ましいことといえよう。

2014年8月24日日曜日

シングルマザー

「昨夜東京に着いたんだけど、明日会えない?」大学院時代のアメリカ人(女性)クラスメートからの突然のメール。翌日は東京にいてアポイントも入っていなかったため、ランチを一緒することになった。7年前に彼女の地元シアトルで会ったときに「親は誰でもいいから早く結婚してほしいと思っている」と話していたが、その後別のクラスメートから彼女が人工授精で子供を産んだと聞いた。今回会った際には二人目の子の話を始めて、同じ方法でもう一人子供をもうけていたことを知った。昨年は別のアメリカ人クラスメートも結婚することなく同様の方法で子供を産んだと聞き、こうしたことがアメリカではそれほど特異なことではなくなっていると知った。しかし彼女たちも40歳代のいい歳だ。本邦では夫が子育てを手伝わないと批判を受ける時代になっているが、彼女たちは夫の助けもなく一人で子育てをしているのだから、大したパワーだと感心する…。

2014年8月17日日曜日

ハリポタ

「今年の夏休みはディズニーランドが空いているらしいですよ。」とバイトの女の子がいった。何でも大阪のユニバーサルスタジオで始まったハリーポッターのアトラクションが大人気で、その煽りを受けているそうだ。そのせいか来週の大阪出張のホテルがとれない…。昨年来、大阪のホテルの予約が取りにくくなり、料金も急騰したのは京都に来る外国人観光客が増えたためだと聞いていたが、これにハリーポッターが加わったとなるとどうしようもない。それにしても遊園地の一アトラクションが大阪ほどの大都市のホテルを満室にしてしまうほどの集客力があるのには驚かされる。コアなファン層を獲得した人気小説を映画化し、その後DVDとして売り出すところまではよくあることだが、それを遊園地のアトラクションにするというのは三度ならず四度美味しい、魅力的なビジネスといえよう。行列が嫌いな私は遊園地のアトラクションで2時間並ぶなど想像できず、夏の蒸し暑いさなか家族サービスに励む親たちには頭が下がる。

2014年8月9日土曜日

ねぶた

「ほんと思いつきなんだけど…」突然電話をかけてきた幼馴染がこう切り出した。何かのお誘いと直感したところ、「ヒロシのところに行かない?」と続けた。ヒロシといえば青森に移り住んだ幼馴染で、市内で人気のカラオケ店を営んでいる。聞けば青春18切符の広告を見て、無性に自由旅行がしてみたくなったのだという。大企業に勤め、前の週には家族旅行でグアムに行った模範的人生を送る同級生が、一人でインドにバックパッキング旅行をした20代の頃の気持ちを残しているのが微笑ましい。世界自然遺産の白神山地に行き、その後青森でなぶたを見るということだったが、私は月曜日と火曜日の2日しかあいていなかったため、青森のねぶただけ合流することになった。人の家に泊まるのも気づまりなのでネットでホテルを探したところ、唯一空いていた部屋が狭いと評判のチェーンホテルが一泊2万円もして驚いた。ヒロシの店の前がねぶたの運行コースになっていて、最前列の特等席から見事なねぶたを間近に見ることができた。今年はまとまった休みが取れず、旅行も諦めていたが、幼馴染の思いつきのおかげで短いながらも思いもかけず楽しい夏休みを過ごすことができた。

2014年8月2日土曜日

英語で夢を見る楽しみ

長年ソニー創業者の故・井深大氏に仕え、今は翻訳家をされている浦出善文氏から最新の著書を頂戴した。ベストセラーとなった「英語屋さん」をはじめとする数々の著書をもつ浦出氏は小生の大学のゼミの先輩で、氏にOB訪問したのがきっかけでソニーに入社することとなった。本書は財界誌に連載された「英楽通法」を抜粋・編集したもので、楽しく読ませて頂いたが、とりわけ共感したのは某公共放送も平気で垂れ流す変な和製英語に関する記述だった。“パワーハラスメント”のように一見それらしくて正しい英語と勘違いしそうなものは特にたちが悪く、多少なりとも英語に親しんできた私も恥ずかしながらこれが和製英語とは知らなかった。しかし子ども時代をアメリカで過ごした私が最初に違和感を覚えた和製英語はほかでもない、ソニーの大ヒット商品の“ウォークマン”だった。だがこの言葉は私と同じように違和感を感じていたであろう欧米の人々の間でも商品名としてすっかり定着したのだから、その商品力を物語っているといえよう。