2017年8月13日日曜日

企業文化

10年余り前に完成した、元いた電機メーカーの新本社ビル。それ以前の借りビルの本社に比べて見るからに立派な建物だが、メーカーの倹約カルチャーは変わらないらしく、夏場の室内の温度設定は28度だという。どんなに立派で近代的なビルで働いていても28度の高温の中で仕事をさせられては生産性もあがらないだろう。本社ビルの中で涼しいのは役員フロアだけという話を聞き、そうしたカルチャーも相変わらずと思った。私が高輪のオフィスにいたときに、役員は火事の際にはしご車が届かない11階より上の階にはおかないと聞き、「将来ある若手社員が火事の犠牲になっても先の長くない役員は守りたいんだ」と失望した記憶がある。最近ゴルフをご一緒した某大手石油会社の元監査役は国際線のファーストクラスで隣り合わせた同電機メーカーの社長のところにエコノミークラスに座っていた部下がやってきて跪いて指示をメモするのを見て「ずいぶんひどい会社」と思ったそうだ。元同僚たちとそのような話をしながら、好きな温度設定で仕事ができる今の幸せを感じた。