2017年12月16日土曜日

エルサレム

トランプ政権がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことは、アメリカで少数派のユダヤ人がその豊富な資金力を背景に世界一の大国である同国の政治を動かしている現実を再認識させる出来事だった。アラブ人が住む土地を武力で奪っても国際社会の制裁を受けずに済んだのは、ひとえにユダヤ人ロビーが動かすアメリカ政府がイスラエルに肩入れしてきたからだが、イスラエルが一方的に引き起こした問題でどれだけの人々が犠牲になっているかを考えれば、どちらに理があるかは明らかだ。ところが情けないことに我が国は「中立」を決め込んでしまった。「中立」などというくらいなら何もコメントしない方がまだましで、そんな理不尽な政権が他の国際問題で平和主義だの国際協調だのいっても何の説得力もない。