2019年9月28日土曜日

軽薄

「ああいう頭の軽いのが日本の首相になることをアメリカは望んでいる。」政界通の人物から聞いた矢先、環境大臣に就任して早々、原発の汚染水問題の解決を遅らせかねない見識を欠いた発言をしてポピュリストぶりを発揮したかと思ったら、今度は初めての外国訪問で地球温暖化の問題について勉強不足と「軽さ」を露呈してしまった若き世襲議員。まがりなりにも日本の10倍以上の人口の中から競争を勝ち抜いた指導者が強権的に政治を推し進める彼の隣国と、片や親から地盤を引き継いだだけの二世三世議員があふれる我が国。その時点で勝負あったといわざるを得ない。そう考えるとアメリカが御しやすい頭の軽い首相がいいなりになりつつ、属国として庇護を受けるのもこの国の一つの生き方かもしれない。

2019年9月21日土曜日

落日

「日本製品を信奉して日本のメーカーの製品しか買ってこなかった日本の建設会社が他のアジア諸国で作られている製品も品質にそん色がないことに気づくのは時間の問題。」一時帰国していた日本の足場メーカーの海外駐在員の言葉に、「モノづくり日本」などと自画自賛するのがいかに時代遅れなことかを改めて認識させられた。元女性外務大臣が「バカ息子ども」と称した先見性が見られない現政権の幹部たち。片や国の繁栄の基盤は技術力にあることを理解し、基礎研究に大きな資源を投入し続ける隣国。製造でも勝てなくなったら観光しか活路がないが、集票のために貴重な観光資源である景観を永久に破壊する公共工事を続ける政権と、彼らの思惑のままに投票する多くの国民。役人が自分たちの権益保護のために作った不合理で経済発展を妨げる諸規制ももはや変わることはないだろう。この国がどこまで落ちぶれて行くのか。いい時代を見てきただけに、それを見届けずに済むことを有難く思った方がいいのかもしれない。

2019年9月17日火曜日

人からコンクリートへ

最近よく耳にする廃墟ホテル。景観を著しく損ねるが、所有者と自治体に負担能力がなければ取り壊しもできないという。一方、伊豆の下田の海岸近くで洋上風力の発電施設が建設されるという。驚くことに事業者に解体責任はないというから、いずれ老朽化した施設が景観を著しく損ねる状況がずっと続くということか。「コンクリートから人へ」を謳った民主党政権が短命に終わり、財政規律よりも景気浮揚を目的とした公共投資が再開され、あれほど国民が嫌気がさしていたはずの古い政治に逆戻りしてしまった。国の大切な財産で観光資源でもある美しい景観を破壊する巨大防潮堤の建設など愚の骨頂と思うが、現政権が膨張するインフラの維持や改修、再建に充てるお金もなくなることを知らないはずがなく、自分たちが政権の座にある間さえよければよいという現首相に対する見方はあながち間違っていないように思える。ボロボロになった建物や道路、橋が散在する国の姿を想像できない人が多いのかもしれないが、それを目にすることになる若い世代が今の政治を支持するのであれば仕方のないことか。

2019年9月8日日曜日

国民生活センター

相変わらず盛んにテレビCMを流し続けるエクスペディア。予約操作中に価格を変えてもそれを顧客に知らせずに受け付け、表示していた価格よりも高い金額をチャージするのは詐欺に等しく、また顧客がとっているはずもない最初の価格が表示されていた画面のスクリーンショットを要求し、「証拠がないから返金しない」というのだから悪質きわまりない。という話を知人にしたところ、同社のシステムは大きな欠陥があり、某公共放送と懇意にしている日系の旅行代理店などは、しょっちゅう職員のネット予約で起きた問題の処理にあたらされているとのことだった。これだけ多くの人たちに迷惑をかけておきながらシステムの欠陥を修正せず、テレビCMを流して集客を続けるなど許されるべきではないが、今回の一件でUCカードと国民生活センターは何もしてくれないことを知った。DCカードはいえば必ず調べてくれるが、UCカードは利用者の利益よりも大きな顧客の機嫌を損ねないことの方が優先するらしい(もちろんすぐに解約して別のカード会社に変えた)。国民生活センターはもっと悪質で、電話でエクスペディアの画面操作について根掘り葉掘り質問をした挙句に、スクリーンショットがないなら仕方がないとエクスペディア側の主張を繰り返した。そんな結論ありきだったら最初から長々と電話するなといったところ(仕事をしたと記録に残すためと思われる)、エクスペディアに話してみるので同行者に同意をとるために最初に表示された金額を伝えたメールやエクスペディアとのやり取りのメールの写しを送るようにいわれた。ところが再三リマインドしても決して証拠が残るメールでは結果報告をせず、何度も私の携帯に電話をかけ続けた(もちろん無視したが)。民主党政権も短命に終わり、こうした役人の天下り組織による税金の無駄遣いが問題にされることもなくなったので、独立行政法人の体質が正されることももはやないのだろうと思った。

2019年9月1日日曜日

日韓騒動

九州の地方銀行の人から韓国からの観光客の減少が地元の経済に与える影響について聞かされた。確かに同国は九州の目と鼻の先で、そこかしこで見かける同国からの観光客が地元経済に大きな恩恵をもたらしていたことは間違いないだろう。こんなことをしてよく「地方経済の活性化」などと謳えたものだが、外交成果ゼロの現政権が実はこうした事態も予測できていたかったように見える。軍事転用が可能な品目の管理がずさんだと輸出する側の日本の責任が問われるので、そのことについて抗議するのは当然だし、協議に応じようとしない韓国側の姿勢は大いに問題だが、警告もせずに優遇措置を取り消したことで徴用工問題に対する報復との韓国側の批判に説得力をもたせてしまったのは大失策だろう。経産省の役人が何か月もかけて考えた措置というが、韓国の左翼政権があからさまな報復に折れて態度を改めるとでも思っていたなら相当おめでたいし、徴用工問題と関係のない貿易面での措置をとったことで、韓国側の軍事面での対抗措置を正当化させてしまった。これもまた大失策だろう。韓国側に逃げ道を与えていたらまったく違う結果になっていたかもしれない。外交音痴の現政権もさすがに取り返しのつかないことをやらかしてしまったことに気づいているようだが、彼らがやるべきは静観することではなく、水面下で交渉を行い、徴用工問題の解決と輸出管理の是正と引き換えに優遇措置の再開を約束することだろう。