2018年10月28日日曜日

個人情報

個人情報保護が厳しくなる一方でゆるゆるなのがオンラインでの情報収集。生活する上で必需品になりつつあるスマホやソーシャルメディア、アプリ等に登録する場合、否応なしにアクセスしているサイトやアドレス帳に保存している連絡先の情報、果ては居場所やメールなどのメッセージへのアクセスを許可するよう要求される。それこそ個人情報保護法がカバーしているのとは比較にならないくらいセンシティブな情報ばかりだが、よくハッキングにあって情報が流出しているにもかかわらず、行政指導を受けたのはフェイスブックが一回のみ。ほとんどは個人データの価値をよく認識している外国の企業が収集・利用しているものだが、個人情報を保護したいのであれば、むしろ彼らが日々政府要人を含む日本国民の一挙手一投足の情報を収集するのをしっかりと規制すべきだろう。

2018年10月21日日曜日

軽減税率

IMFの専務理事にダメ出しされるまでもなく我々日本人が理解すべき、たかだか2%の「軽減税率」の馬鹿さ加減。何ちゃらノミクスで貧富の格差が広がる中、費用対効果を理解できない人々を強固な支持基盤にもつ少数与党に配慮しての選挙対策と思われるが、こうしたバカげたことをやり続ける国の先行きが心配になる。これまで日本のメーカーのものを使い続けていたノートパソコンとスマホ。最近図らずもアメリカと中国のメーカーのものに買い替えたが、それらの性能の高さに驚かされた。未だに「モノづくり日本」などと世間知らずなことをいい続けている我が国の公共放送を見ていると危機感がわきづらいが、ガラパゴスの日本市場の中で守られながら競ってきた企業ではついていかれないくらい変化が速い時代になってしまったようだ。企業も国も合理的な判断ができるところが勝ち、できないところが負けるのは自明。民主主義やその根幹を成す報道の自由も微妙になってきたこの国がG7にいる資格のない国に転落するのも時間の問題のように思えてくる。

2018年10月14日日曜日

築地ねずみ問題

築地に巣食うねずみが外に出ないようにと外壁を作ったというニュースを聞いて、山口県で行方不明になった2歳児を探すために山林の上空にヘリコプターを飛ばしたという話を思い出した。木の陰に隠れてしまう小さな2歳児を上空から見つけようとするなど何て無意味なことにお金を使っているのだろうと思っていたら、自分の足で山を探しに行ったボランティアの人が30分で見つけてしまった。築地の壁もごく一時的な効果はあっても排水溝を徘徊するねずみが「地下ルート」で出てしまうのを防ぐことはできない。これも何かやっている感を出すために東京都が考えたことなのだろう(小学生の甥っ子が誰から聞いてきたのか都知事のことを「緑のたぬき」というのを聞いて思わず笑ってしまった)。明治時代にペストが流行したとき、淡路島で野良猫を退治した村では多くの人が犠牲となり、しなかった村では感染者が出なかったという話を聞いたことがある。どうせ壁を作るのなら野良猫を中に放てばいいのではないだろうか。その後都心に野良猫が戻れば、ねずみが火事を起こすだの、病気を媒介するなどと大騒ぎする必要もなくなるかもしれない。猫を迷惑に思う人もいるかもしれないが、ねずみとどちらを取るかといえば答は明らかだろう。

2018年10月6日土曜日

ポピュリスト

自分に対する批判に感情的に反応する幼稚さ。そのときどきの都合でいうことをコロコロ変える軽さ。総裁選で何人もの議員にカツカレーを食い逃げされる人望のなさ。どこかの国の大統領と共通点が多いように見えるが、決定的に違うのはかの国の大統領が就任から2年経たないうちに(その良し悪しは別として)公約を実現しているのに対して、就任して6年経っても必ず解決するといっていた北方領土問題は相手にいいとこ取りされただけ、拉致問題に至っては完全に蚊帳の外に置かれるなど、進展どころか後退している始末。頼み綱の経済政策は安定運用が大原則の国民の年金を株式に投じる禁じ手を使い、日銀が並み居る上場企業の大株主になるまでお金をつっこんで「景気回復感」を演出したのももはや限界。人口が減り、経済の活性化を阻む不合理な規制を緩和しない(政権与党が既得権益を支持基盤としていることからすれば当然)中で経済成長など望むべくもなく、インバウンド頼み、ギャンブル頼みに走ってしまった。外交面では国会をさぼって外遊を繰り返して「頑張っている感」を出そうとしているように見えるが成果が見えず、旧来の見返りなきバラマキ外交の負担を負わされるのが国民であるのはいうまでもない。国防面ではポピュリストの本領を発揮して威勢のいいことをいっているが、経済力なくして国防は成り立たず、OECDの基調演説で「これからは基礎研究ではなく実践的研究の人材育成に力を入れていく」などと経済力の源泉の何たるかを理解していない発言をして出席者をのけぞらせたくらいなので、彼の長期政権のつけは必ずや次の世代にまわってくることだろう。何年か前に彼を評して「自分が政権にある間さえよければいいという考えの人」と評していた元銀行マンの評は実に的を得ていたと今さらながら思う。