2017年3月25日土曜日

忖度

森友問題の異常さに、この国は大丈夫だろうかと心配になる。幼い子供たちが集団で意味もわからず教育勅語を暗唱させられている北朝鮮的光景を見てすばらしいと述べる国会議員の感覚。問題の発覚後、手のひらを返すようにそれまでほめていた相手を批判し始める節操のなさ。そして一国の首相が国会の場で自らの妻が深く関わった一私人を攻撃する異常さ。シロを主張しながら真相の究明を徹底的に妨害し、野党の追及に緊張感のないヤジで応える与党。そしてもっとも国民が憂慮すべきは国有地の大幅値引きに至る経緯を知らないはずがない近畿財務局が学園との交渉記録を破棄するというあからさまな証拠隠滅をし、理財局長が国会の場でシラを切り通して逃げ切れてしまうことだろう。(実際には破棄していない可能性もあり、都合が悪い内容でなければ早々に開示して疑惑を晴らしているだろう。)とても「先進国」と呼べる国のありようではない。それにしても財務省の官僚といえば我が国ではエリート中のエリートだ。国会の場で説得力のない強弁を繰り返す理財局長を見て、トップエリートがこんなことをやっている国に明るい未来はあるのだろうか、と思った。

2017年3月19日日曜日

空港名

機内アナウンスで「出雲縁結び空港」と聞き、独身女性の集客のために空港名(俗称)に「縁結び」をつけたものと想像したのは何年前のことだっただろうか。今では機内誌で国内線の路線図を見ると「たんちょう釧路」、「岩国錦帯橋」、「徳島阿波おどり」、「富士山静岡」など、その土地の観光資源を空港名に入れているところが多いことに気づく。「鳥取砂丘コナン」に至っては欲張って?二つも入れている。「オホーツク紋別」、「宮崎ブーゲンビリア」や「南ぬ島(ぱいぬしま)石垣」はイメージ的にしっくりくるが、中には「のと里山」や「五島つばさ」のように狙っている効果が不明のものや、「富山きときと」のように訪れてほしいであろう他の地域の人には意味がわからないものまである。「対馬やまねこ」などは動物の呼び名そのものだ。また、「おいしい庄内」といわれると何が美味しいのかが知りたくなる。以前、佐賀銀行から佐賀空港に出向した人に、福岡県の有明湾沿岸から集客するために有明をつけて佐賀有明空港としたという話を聞いたが、LCCの国際線が就航した途端、早々に有明を切り捨てて「九州佐賀国際空港」を名乗り始めた現金さ?が面白い。

2017年3月11日土曜日

DNA検査

昨年、留学中にお世話になったアメリカ人の養子に久しぶりに会ってびっくりした。グアテマラ人を母親にもち、赤ん坊の頃は先住民っぽい顔つきをしていたのが、成長してすっかり中東人の顔に変わっていたからだ。DNA検査をしたところ、エジプト人の血が半分入っていることがわかったと聞き、納得した。DNAを調べることでルーツがわかるという話はテレビ番組で聞いてはいたが、それほど手軽に検査ができるようになっているとは知らなかった。私の父は台湾人、妹はシンガポール人と間違われ、私はタイに行くと100%現地の華人と間違われるくらい潮州人の顔つきをしているらしいが、父方は江戸と岡山、母方は北関東と、辿れる範囲では大陸の血は入っていない。DNA検査を受ければ意外な事実がわかるかもしれない。

2017年3月4日土曜日

電力会社

今週ビッグサイトで開催されていた再生可能エネルギー関連のイベントで、スマートメーターの会社の社長と立ち話をした。この社長によると太陽光と風力で家庭で使われる電力はまかないきれるので、蓄電技術が発達し、ご近所で電力を融通し合う仕組みができれば電力会社は必要なくなるという。そうなると電力会社が供給する先は企業のみになり、発電所の数も今よりずっと少なくて済むだろう。しかし既得権益が幅をきかせ、電力会社が全国各地の経済団体の長を務めているような我が国が他国に先だってこうした取り組みを進めるとは思えない。先月は電線の地中化を達成したシンガポールを見て、東京23区内でさえそれができていない日本は果たして先進国と呼べるのだろうかと思ったが、発送電の分野でも他国の後塵を拝することが想像される…。