2017年11月11日土曜日

情報鎖国

世界中の冷ややかな視線が注がれた我が国首相の米国大統領父娘に対する捨て身?の接待。ロシア大統領の温泉接待で待ちぼうけを食わされた上に領土問題で国益を損ねたことを思い起こさせる。日本が最初の訪問国になったとか(地理的に見れば当たり前)、食事のメニューがどうのとか、日本のメディアのあまりに脳天気な報道ぶりにも呆れる。お蔭で日本語のニュースだけ読んだり聞いたりしていては、米国の現大統領がいかに世界中で問題視されているかが十分に伝わってこないし、そんな人物とその娘に国のトップが必死に媚を売ることがどれだけ恥ずかしいことなのかも伝わらない。大統領の娘が「アベノミクスはウーマノミクス」と誰もが首をかしげる講演をした国際会議も、世界中のメディアが空席だらけだったことを報じているのに、日本のテレビは空席が映らないように工夫して撮影しているのだから、真実を伝えるべきマスコミのあるべき姿とは正反対だ。(どうせ媚を売るなら彼女に恥をかかせないようにサクラを仕込んでおくべきで、何ともお粗末。)一方で、日本の首相がどれだけ恥ずかしいことをやってもアメリカではさほど注目されないという面もある。というのも日本の相対的重要度が下がっていることに加えて、今回のアジア歴訪の目玉は30人のアメリカの大手企業のトップが同行した中国だからだ。貿易不均衡を問題視されていることを百も承知の彼の国は大国の風格をもって迎え、2500億ドルを超える契約という手土産を持たせて帰した。ゴルフだのハンバーガーだのピコ太郎だので機嫌を取ろうとする国がアホに見えてしまう。何年か前に中東を旅したときに、湾岸戦争でただひたすらアメリカに追従したことで親日だった当地の人々の心が離れてしまったことを感じた。東南アジアに行けば中国や韓国の陰に隠れて日本のプレゼンスがますます小さくなっていることを感じる。日本のマスコミはもっと真実をしっかりと伝えて我が国の世界的地位が低下の一途をたどっていることや、ジャイアン、もといアメリカに付き従うだけの「スネ夫外交」がもたらす負の影響も国民に知らしめるべきだろう。