2018年8月19日日曜日

ポツダム宣言

ポツダム宣言について取り上げた池上彰氏のテレビ番組は実に興味深かった。日本で教育を受けているとポツダム会談のおもな議題が欧州の戦後処理だったことや、ソ連が参戦して日本に攻撃を加えるという密約を米英と交わし、欧州に派遣されていた日本陸軍の大使館員(諜報員)がその情報を得て本部に報告していたにもかかわらず、本部がこれを無視した事実を知ることはないだろう。当時の日本政府はポツダム宣言の趣旨を正確に理解しなかったばかりか、中立条約を破棄する意図を知られないように署名しなかっただけのソ連が米英との間を仲介してくれると思い、回答をしない間に広島と長崎に原爆が落とされ、ソ連が満州に侵攻した。指導部がまともな判断ができていたらどれだけの人の命が救われただろうか。ただでさえ「世間知らず」になりがちな島国だが、あれから73年、日本は外交面で少しはまともになっているのだろうか。対ロ政策含め、ことごとく失敗しているとしか思えない現政権を見ると何とも心もとない。