2018年11月10日土曜日

ひとかけで美味しい

アイドルグループのメンバーを使って「ひとかけで美味しい」などと宣伝して消費を煽るオリーブオイルのCM。オリーブオイルの品質に関する法規制がないのをいいことに、安いサラダオイルと同等の化学処理品を「エクストラバージン」と呼び、それに感化されて色々な食べ物にかけて食べる人の健康など一切考えない食品メーカーのモラルを疑う。オリーブオイルは種から作るほかの植物性の油と違い、本来は実を圧搾した果汁だ。農作物なのでワインと同様、同じ品種でも年によって味や香りが変わるし、小瓶サイズでも百個単位の実を圧搾しなければできないので、小売値で1本千円などというのは到底不可能(小豆島産の「本物」は小さな瓶でも1本5千円くらい)。化学処理はまだいいほうで、大豆油や菜種油、ひまわり油に本物を少しだけ混ぜて、クロロフィルで着色しただけの粗悪品が堂々と流通し、イタリアンマフィアの資金源になっていることは業界では誰もが知る事実。オリーブオイルを扱っている日本のメーカーがそれを知らないはずはない。最大手級の食品会社が本物を食したことがない消費者の無知につけこんでこうした販売手法をとるのだから、日本のメーカーのものは安全などというのは幻想にすぎない。