2018年5月19日土曜日

危機管理

答弁と矛盾する事実が次々に明るみに出てついに国会で前言を訂正した経済産業審議官。ただ、なおも覚えていないはずがないことを記憶にないといい続け、新たな嘘までついたことで愛媛県の反発を招いた。前国税庁長官のときと同様、与党が国会招致をしぶる間に政権側が当人たちと口裏を合わせたものと想像するが、国のトップエリートがたちの悪い世襲議員の下僕と化し、みっともない姿を衆目に晒す(本人にどれほど羞恥心があるかはわからないが)のは見るも哀れな光景だ。現政権は証拠が出ない限り嘘をつき通すというスタンスを貫いたことが裏目に出た形だが、アメフト部員の危険なプレイで窮地に立たされた日大は映像や試合後の監督の発言等の動かぬ証拠がありながら、すぐに事実関係を認めて引責すべきを引責させなかったために傷口を広げてしまったといえよう。いずれもトップに立つ人間を守ろうとしておかしなことになってしまった点が共通するが、国の民主主義の根幹に関わる点で事の重大性は大きく異なり、国権の最高機関であり、唯一の立法機関である国会がないがしろにされるようになってしまった国の先行きが気になる。