2013年8月10日土曜日

尖閣問題

先日北京に住む中国系アメリカ人の知人が来日し、東京で会った。精華大学出のエリートで、中国政府の高級官僚となっている同窓生も多いのだが、彼自身はアメリカに留学し、そのままアメリカ国籍を取得した。昨年日本が尖閣諸島を国有化したとき、そんな彼が急に電話をかけてきて、これは大変なことになるといった。そして彼がいった通り大規模な反日デモが起きた。日本では中国が海底資源目当てに領有権を主張しているという向きがあるが、彼によると中国人は純粋に釣魚島が中国の領土と思っており(彼自身は領有権を主張する根拠があるとすれば中国ではなく台湾との考え)、日本の占有を認めるのは政府の沽券に関わるとのことだった。そして彼がわざわざ電話をかけてきたのは軍が武力で島を奪おうと真剣に考えているからとのことだった。彼は今回も尖閣の問題に触れ、全面戦争になれば中国は日本に勝てるが、そんなことはできず、海での戦闘となると経験の少ない中国軍は不利だと語った。日本では尖閣問題の報道が減り、事態が収束しつつあるような印象を受けがちだが、彼があえて尖閣を話題にしたことから、中国では決して収束していないことが窺えた。