2013年8月2日金曜日

ナンバープレート

東京で育った私は自然と車のナンバープレートを見る癖がついている。東京23区の西の端の西荻窪にはたまに西隣の多摩ナンバーの車が“国境”を超えてやってくるのだが、子どもの頃多摩ナンバーの車は柄が悪いので気をつけるようにいわれていた(根拠は不明)。都心でタクシーを拾う場合、目的地に早く着きたいのであれば運転が乱暴ながらやたらと速い足立ナンバーを選び、急いでいないときは安全運転の練馬ナンバーを選ぶ。実際に練馬ナンバーのタクシーの運転手は足立ナンバーの車は運転が乱暴で危険な割り込みをするといい、足立ナンバーのタクシーの運転手からは練馬ナンバーは運転がとろいと聞く。何年か前に西大井でスピードを出し過ぎたタクシーが横須賀線の線路に転落する事故があったが、テレビの映像を見ると案の定、足立ナンバーだった。世田谷ナンバーの導入をめぐる議論を見て、世田谷も出世したものだと思った。品川ナンバーのままがいいという区民と世田谷ナンバーにしたい区民の違いはどこにあるのかと考えると、世田谷が東京の中の田舎だった時代を知る人と、有名人が住むようになり、イメージがよくなった後しか知らない人の違いではないかと思う。しかしこうした議論が起きるのも品川か世田谷かの選択だからで、私の地元の杉並では練馬ナンバーから杉並ナンバーに変わるのに反対する人はまずいないだろう。(ちなみに私は練馬の高校を出ているので、個人的には練馬にもなじみがある。)