2013年5月18日土曜日

FDA

「小牧は今後も旅客用に使いますよ。」福岡空港で名古屋行のフライトを待つ間、2年前に愛知県庁の職員がいった言葉を思い出した。羽田からアクセスの悪い成田に国際空港をつくったり、どうみても採算の合わない地方空港をつくったり、我が国の国土交通行政は驚くほど合理性を欠く判断を繰り返して国の借金を膨らませ、国際競争力をそいできたが(ソウルの仁川空港は金浦空港の延長線上にある)、中部国際空港の開業で小牧の民間利用をやめるといった愚かなことが行われずにいることは実に喜ばしい。採算性が疑問視されつつ開港した静岡空港をハブとしていたはずのフジドリームエア(FDA)が小牧に軸足を移しつつあることで、全国の主要都市から名古屋へのアクセスが格段によくなり、東京から福岡に出張した帰りに名古屋に寄ることも容易にできるようになった。これは名古屋の経済にとって間違いなくプラスだろう。1時間余りの短いフライトでも飲み物と抹茶味のウイロウ的茶菓子(さすが静岡&名古屋)まで出る。そして何よりも間際に購入しても運賃が安い。福岡ではメガ航空会社が競合する路線だけ値下げを宣伝していて、そのあまりのわかりやすさにあきれたが、こうした地方発のLCCがますます増え、健全な競争を生み出すことに期待したい。