2013年6月1日土曜日

外れ馬券裁判

外れ馬券裁判のニュースを聞いて、研究成果から得られた特許収入の支払いを求めて自らが勤めていた会社を相手に裁判を起こしたエンジニアのことを思い出した。ギャンブルは当たることもあれば当らないこともある確率のゲームで、10回に1回大当たりするとすれば、残り9回分の外れ馬券を買った代金は1回大当たりするための費用と見なすのが妥当だろう。企業の研究開発も同様で、すべての開発活動が成功して商品化に結びつき、企業の収益に寄与するのであればともかく、10回に1回しかリターンが得られないのであれば、残り9つの研究開発活動にかけた費用は1回の成功を得るための費用と見なすべきで、1回の成功からあがる収益をそっくりそのまま開発者に還元してしまっては、企業は立ちいかなくなる。今回は被告が勝訴したが、競馬を生業としていようがいまいが、同じロジックが適用されるべきで、どうしてこうしたことに疑問が呈されるのか、むしろ不思議な気がした。