2010年1月21日木曜日

八ツ山通り散策


一昨年神谷町から御殿山の開東閣裏に移転したアメリカンクラブで行われたイベントに参加するため、新入社員時代に通っていた八ツ山通り(通称ソニー通り)を歩いた。私が最初に勤務した昔の本社ビルは跡形もなく取り壊され(写真)、マンションが建設されているようだった。後に勤務した通り向かいにある2つのビルはそのままに残っているが、本社ビルが芝浦に移転したせいかひっそりとしていた。

ソニーの需要に大きく依存していると思われた近隣の飲食店だが、昼食時間に行われる役員会の食事を提供していたそば屋や、本社のお偉方が仕事の後に飲みに行っていた近くの飲み屋はまだ営業しているようだった。この飲み屋では夜な夜な会社の内情に関わる話がされていたので、この店の主人は誰よりもソニーの事情に通じているといわれていた。一方、ソニー需要が減ったためかはわからないが、姿を消した店や看板が掛け変わっている店もあった。よく食べに行っていた本社近くの寿司屋が店名をそのままに定食屋に変わっていたのには驚いた。

10年ひと昔というが、私がこの通りを歩いて会社に通っていたのはもうふた昔も前の話になる。新入社員のときに20年前のソニーを知る人は大先輩といった感覚だったが、私も会社に残っていたら今の若い社員にそのように見られていたのだろうか。留学時代の同級生(といっても年齢は私よりだいぶ上)からの年賀状に、娘さんがソニーに就職したと書かれていたことを思い出した…。

事務所に戻った後、たまたま用事があって私が新入社員時代に同じフロアで働いていた人物(今は同業者)に電話をかけた。昔本社ビルがあった跡地を見て来たなどと話しながら、こんな話ができる相手もすっかり少なくなってしまったと思った。思えば当時から本社ビルが2回変わっている。何年後になるかわからないが、再びこの地を訪れたときにはそびえる高級マンションを前に、ここは昔…なんて話をするようになっているのだろうか。