2009年12月3日木曜日

エコパラダイス

地元商工会議所主催のゴルフコンペ。せっかく入会したので参加してみることにした。いや、正直に白状すれば参加しなければならない状況を自ら作り出してしまったのだ。

事務所に案内のファックスが届いたとき、人にいえないハンディの私が参加するのはどうかと思ったが、入賞者の景品に私の会社で輸入している商品を使ってもらえないかという下心から会議所の担当者に問い合わせの電話を入れてしまった。結局景品は商品券に決まっているといわれ、その後取り紛れているうちに申込期限が過ぎてしまったのだが、商工会の担当者からリマンドの連絡が入った。ここで断りでもすると下心丸出しの現金な人間になってしまう…。

コンペの会場は今年の日本オープンが開かれた超名門コース。参加費やグリーンフィーなどを合計するとン万円になる。このご時世にどのような人たちが集まるのだろうと思いきや、地元の大地主やビル持ち、建設会社、不動産会社、地元選出の国会議員の事務所長といった顔ぶれで、皆お互いをよく知る仲間たちのような雰囲気。プレイ後の懇親会では初参加ということで挨拶をさせられたが、海外のクライアントを相手に仕事をしている私の会社など明らかに浮いた存在。東京とは名ばかりの地元のビジネス界の超ドメぶりを肌で感じた。

それにしてもこんな不景気でも高額なコンペに参加し、懇親会では不景気な話一つ出て来ないのだから、テナントに困らない東京の不動産業者というのは不況にも強いようだ。私はサラリーマン家庭で育ったので地元にこうしたいわば“エスタブリッシュメント”が存在していたことなど知る由もなく、また接点もなかった。私の会社などはまったく異色の存在でビジネス上の関わりもなく、そもそも私がコンペに参加して歓迎されているのだろうかと思った。

このコンペでもう一人異色の存在だったのが一緒にラウンドしたエコパラダイス溶液なるものを販売している会社の社長。このエコパラダイス溶液というのは何でも還元(酸化の反対)を促進する特殊酵素からできていて、建材に使えば害虫を寄せ付けないだけでなく、冬は湿気を放出して体感温度を温かく、逆に夏は湿気を吸収して室内を快適にするという。後日この建材を使っているという、同社が経営する陶板浴の施設に行って室内の空気のさわやかさを実感した。

社長はラウンド後の懇親会で、ここの陶板浴をやっていれば末期がんの患者でも治ると豪語した。おそらく世のほとんどの人が胡散臭いと思う話だが、酸性に傾いた体をアルカリ性に戻すという話は私が以前読んだ米人作家の本の内容と一致していて、私はすんなり受け入れられた。この陶板浴を試してみると、不快指数100%でばい菌やウイルスの巣窟といわれる岩盤浴と違い、湿気がなく、しばらく横たわっているうちにじわじわと汗が出てくるといった感じだった。ここに通い始めた同僚の奥さんは肌のすべすべ感が3日はもつといっているそうなので、難病治療よりもこちらを売りにした方が女性には受けるかもしれない。

積極的に参加したわけではないコンペだったが、結果的には思わぬ収穫となった。地元商工会だけあって陶板浴の施設は自宅に近いし、ここでエコパラダイス溶液を使った容器(中に入れたものが腐らず、ヨーグルトや果実酒を作ることができる)や、水やご飯をおいしくするというセラミックを買ってきては試している。いちばんほしいのはここの建材を使った家(できれば陶板浴付き)だが、こればかりはすぐには手が出せない…。