2009年12月18日金曜日

ザンベジ川の夕日


成田から香港とヨハネスブルグで飛行機を乗り継いで24時間余り、ようやくジンバブエにたどり着いた。これほど長い時間飛行機に乗り続けるのはアルゼンチンのブエノスアイレスに行ったとき以来だ。目的はビクトリアの滝を見ること。一生に一度行ってみたいと思っていたところだが、日本から余りに遠くアクセスも悪そうなので、実現性が低いと思っていた。しかし年をとって体力がなくなっていくとますます実現性が低くなると思い、欧米の顧客がメインのわが社のビジネスがスローダウンする年末に思い切って行ってみることにしたのだ。

旅行代理店に勤める中学時代の同級生はその特典を生かして世界中を旅行し、“世界三大瀑布”と呼ばれる北米のナイアガラの滝、南米のイグアスの滝、そしてアフリカのビクトリアの滝をすべて制覇した。彼は1にビクトリア、2にイグアス、3にナイアガラとランク付けしていたが、今年イグアスの滝を見てその大きさと迫力、そして美しさに感動した私にはその上をいく滝というのが想像できず、見てみたいという思いがさらに募った。

ビクトリアの滝はジンバブエとザンビアの国境にまたがるが、その大半はジンバブエ側から見ることができ、その名もビクトリアフォールズという小さな町が観光の拠点だ。空港から町に向かっていくと、平原の彼方に大きな水煙が上がっているのが見えてきた。空高く巨大な水しぶきが上がるというのは相当なことで、滝を見るのがますます楽しみになった。

その日はホテルにチェックインした後、人に勧められたザンベジ川のサンセットクルーズに参加した。大滝の上流でありながら川の流れはゆるやかで、野生のかばの一家が悠然と泳いでいたり、中洲の川べりで野生のワニの子どもが昼寝をしたりしていた。川面を流れる風が心地よく、長旅の疲れを癒すことができた。