2009年4月4日土曜日

外資の人々

外資から足を洗って早6年余り。当時の同僚たちと会う機会もめっきり減っていたが、ここのところ急にお誘いが増えている。どうしたことかと思っていたが、どうやら景気の低迷で皆時間を持て余し始めているようだ。

人材の流動性が高い外資系金融のこと。当時の同僚たちの多くはすでにほかの会社に移っているが、移る先は金融機関であれ事業会社であれやはり外資系である場合が多い。人件費は変動費扱いの外資系ではビジネスが落ち込めばすぐに人員調整に入る。「前の会社から自分を引き抜いた上司がさっさとほかに転職してしまい、所属している部門が廃止されることになった」とか、「人員の30パーセントカットがすでに発表され、誰がその対象になるか来週知らされることになっている」とか、「間もなく新たな首切りが行われるが、年下の上司に自分がその候補にあがっていることを告げられている」なんて元同僚もいる。何ともシビアな話だ。米系の大手人材コンサルティング会社で金融業界を担当している元上司が“ミーティング稼ぎ”のためにうちの事務所に来るといったときには驚いた。

それでも外資系、特に金融の人たちはまだ恵まれている。変動費扱いされる見返りとしてそれなりの報酬をもらっているし、会社都合でやめるときの退職金も悪くない。外資系に勤めている以上はこうしたことへの覚悟もできていよう。終身雇用と思って入社した日本の会社から突然解雇を告げられるのとは訳が違う。今の仕事をやめた(あるいはやめさせられた)後はNPOをやりたいだとか農業にあこがれるといった夢を語れるのもある意味いい身分といえよう。

古巣のメーカーの元同僚たちの10年後は想像がつきやすいが、会う度に勤務先が変わっているような投資銀行時代の元同僚たちの場合はあまり想像がつかない。今度会うときには皆一体何をしているのだろうか。そして私自身も…。