2009年3月5日木曜日

イグアスの滝


リオの後は昨年アルゼンチンに行ったときに時間がなくて行かれなかったイグアスの滝を見に行くことにした。ところがカーニバル休暇の最中だったためフライトがとれず、まる一日かけてバスで行くことになった。日本で夜行バスに乗ったのは学生のときにスキーに行ったときのみで、それでも乗っている時間はせいぜい8時間程度だった。果たしてこんな長時間バスに乗っていて大丈夫なのか…。

日に2便しかないイグアス行きのバスはちょっとくたびれているものの、さすがに長距離仕様になっていて、前の座席の背もたれから長方形の板状の足置きを手前に倒せるように設計されていた。単純な構造ながらこの上に脚を乗せているとふくらはぎ全体が支えられてきわめて楽であることに気づいた。さすがに長距離バス大国である。バスは途中で食事や給油の休憩をはさみながらおよそ23時間かけてイグアスに着いた。バスの中では何度となく眠ったため不思議と疲れは感じなかった。ただ、まる一日ほぼ座った状態でいたため、バスを降りたときにはさすがに足元がふらついた。

イグアスの滝はブラジル、アルゼンチン、パラグアイの三国の国境にあり、ブラジル側とアルゼンチン側から眺めることができる。複数の目的地がある場合、遠い方から順番に行くことを鉄則としている私はホテルにチェックインする際にその日のうちにアルゼンチン側の滝を見に行くことができるかと聞いたがもう遅いといわれたのでその日はまずブラジル側を見て、翌朝アルゼンチン側に向かうことにした。

バスで国立公園の入り口まで行き、入園料を払ってさらに園内バスに乗って行くと遊歩道の入り口に着いた。そこから坂道を下っていくと川の向こう側にいくつもの滝が見えてきた。その規模は遠くからでも十分に実感できるものだった。しかしそこで見たものはまだ序の口で、遊歩道を進んでいくとさらに多くの、さらに水量の多い滝が流れ落ちているのが見えてきた。

イグアスは滝が断崖を侵食しながら川上方向に後退を続けているということで、浸食が最も進んでいる一番奥にあるのが“悪魔ののど笛”として知られる大滝だ。流れ落ちる滝の多さそして高さ、さらに華厳の滝であれば中禅寺湖がすぐに空になってしまいそうなその水量に感嘆した。

翌朝は国境越えのバスに乗ってアルゼンチン側に行き、同じように国立公園の入り口で入場料を払って今度は園内を走っている小型列車で悪魔ののど笛を見に行った。アルゼンチン側では遊歩道を渡って水が流れ落ちる滝の上部を間近で見ることができ、その迫力に圧倒されるとともに、しばらくいただけで全身びしょ濡れになった。アルゼンチン側ではこのほかにも大小様々な滝を様々な角度から見ることができるように遊歩道が設置され、川の中州にボートで渡ることもできる。

ブラジル側とアルゼンチン側とでは滝の景色もまったく違って見えるので、せっかくイグアスまで行くのであれば二日かけて両側から見ることをお勧めしたい。ただしブラジルに入国するには予めビザをとっておく必要がある。

世界三大瀑布を制覇した旅行代理店に勤める幼馴染は1にビクトリア、2にイグアス、3にナイアガラとランク付けしていた。今度はイグアスに勝るというビクトリア滝を見てみたいという思いを強くした。