2019年3月2日土曜日

ちゃぶ台返し

日朝交渉でアメリカ側の「ちゃぶ台返し」の引き金になったといわれる大統領の元顧問弁護士の議会証言。与党共和党の議員が証言の内容について質問するのではなく、同氏の人格を攻撃することで証言の信ぴょう性を疑わせようとする姿が印象的だったが、同じ日のニュースで我が国の国際的信用を落としかねない厚労省の統計不正問題を追及する野党議員を嬉々として「パフォーマンス」と片付ける与党議員の姿と重なった。どの国にも国家の利益より自らが「勝ち馬に乗る」ことが優先する議員がいるものだと思った。人徳がない実は臆病な人間ほどわかりやすいくらいに飴と鞭を使うが、飴をもらおうとそれにたかる輩が増えれば分け前も減り、使い捨てにされるのがオチ。少し脳のある人間であればそれくらいのことはわかりそうなものだが...。それにしても自国内でもあまり注目されていないことがわかったとたん、ちゃぶ台返しをやってのけたアメリカはさすがとしかいいようがない。注目されていない上に「安易な妥協」と批判されるのはマイナスでしかない。日本の政治家や官僚であればメンツのためといって国益に反する妥協をしてでも「成果」を演出するところだが、そこが勝負に勝てる国と勝てない国の違いだろう。ただし北朝鮮と「歴史的な合意」に達してあわよくばノーベル平和賞をもらおうと思っていたならそれはさすがにないだろう。選考委員が賞の価値を損ねることなどしないし、彼が受賞でもしたら今後もらって喜ぶ人がいなくなってしまう。首相が「国民を代表して」推薦してしまう世間知らずな東洋の島国に追随する国もいないだろう。