2019年3月17日日曜日

人工透析

福生の病院で人工透析の治療をやめた40代の女性が死亡した問題で、他にもこれまで透析治療を選択しなかった20人が死亡していたことが判明したとのニュースを聞き、人工透析を「失われた腎機能は回復しないという西洋医学の常識に基づいた治療法」と呼んだ荻窪の鍼灸師の言葉を思い出した。その先生のところには親族の猛反対を押し切って子どもに腎機能を回復させる施術を受けに来させていた人もいた。今回のニュースで人工透析がいかに精神的苦痛を伴うかが想像されたが、その先生は「いったん腕の動脈と静脈をつなぎ合わせる手術を受けるとそれを元に戻すのは法律違反になる」といっていた。本人が希望しても自分の血管をもとの状態に戻してもらうことすらできず、治療をやめる=死を選択するということになるというのだから日本の医療制度は実に恐ろしい。私も膵炎で入院したとき、どう見ても回復しているのに病院を出してもらえず、点滴の管も外してもらえなかったが、そこに患者の意思は微塵も存在しなかった。西洋医学絶対主義が変わらないにしても、せめて死ぬまで続ける後戻りができない「治療」がどれほどの精神的・肉体的負担をもたらし、どれほどの人がやめて死を選んだかは予め知らせた上で患者に判断させるべきだろう。