2010年8月1日日曜日

三洋電機

関西出張で定宿にしている京都駅に直結するホテルで部屋に案内してくれたボーイさんに渡された夕刊紙を見ると一面にSANYOブランド消滅のニュースが出ていた。パナソニックの完全子会社となり、製品群の多くが重複する以上はしかたがないことか。

思えば今日まで続く私の関西出張が始まったのは投資銀行時代のことで、初めての出張で最初に訪問したのが三洋電機だった。このときのことは9年余り経った今でも忘れることができない。というのも飛行機派の私は余裕をもって大阪空港まで飛んだのだが、乗ったタクシーが高速で大渋滞に遭い、30分以上遅刻してしまったのだ。携帯で面談相手に連絡し、事なきをえたが、初めての面談で何たる失態…。

その後三洋電機と松下電器(現パナソニック)がある守口市へは空港からモノレールに乗れば難なく行かれることがわかった。メーカー時代の私であれば間違いなくそうしたはずで、投資銀行に入って身についたすぐにタクシーに乗る癖が裏目に出てしまったわけだ。ただ大阪の高速ではその後もほとんど車が動かないくらいの渋滞に遭い、オリンピックだのAPECだのに立候補する前にインフラを何とかせい!と思ったものだった。

最初の面談での遅刻にも関わらず、同社からはM&A関連の案件を頂けそうなところまで行ったのだが、その後私がいた投資銀行のマネジメントの干渉で三洋の担当者の頭越しに同社の役員にアプローチして出入り禁止状態になってしまった…。こうして三洋さんから商売をもらうことはついぞなかったものの、今の仕事を始めてからは環境関連のビジネスで再びお付き合いが復活した。

かつて私が勤めていた電機メーカーとライバル関係にあったパナソニックも今や海外市場で韓国勢に押され気味の家電製品から環境などの分野に大きく舵をきっている。経営問題でのごたごたばかりが印象に残ってしまった三洋電機だが、地道に環境事業を展開してきたことが統合後の会社にとって大きな資産となるのではないだろうか。今回の完全買収が会社にとっても日本の環境産業にとっても吉と出ることを願いたい。