2020年4月12日日曜日

首都封鎖

「なぜ安倍は首都封鎖をやらないのか」二週間ほど前に山陰の知り合いから突然届いたメッセージ。首都封鎖という言葉に少々衝撃を受けたが、その後出張予定だった先の企業から面談のキャンセルやテレビ会議への切り替えの要請が相次ぎ、東京が一大感染地域の扱いを受けていることに気づいた。検査もまともにしていないのだから発表されている数字は氷山の一角で、実際の感染者数が1万人いても驚きはしないが、それでも1000人に一人未満だ。それをふだんは観光に来てほしいといっている自治体の長が手のひらを返したように来るなというのは実に感じが悪い。ICUがないとかベッド数が足りないというのは東京から来る人間が感染している前提で、感染しても症状が出る人は一部、重篤になって集中治療が必要になるのはそのさらに一部なのだから、まっとうな論拠とはいえないだろう。東京に住む地方出身者が感染者扱いされるので地元に帰りづらいというのもひどい話だ。どこの国だって自国民を入れないなどということはしないだろう。なぜ地方の人がそこまでのパニック状態になってしまったかを考えるとテレビの報道の影響という気がする。人通りの少ない銀座や渋谷の映像ばかり流せば、それを見た人は東京が大変なことになっているとしか思わないだろうが、東京の人間にしてみれば店も開いていない銀座や渋谷に行く意味がないだけで、ふつうに近所を出歩いて生活しているのだが、そうしたセンセーショナルさを欠いた映像は流さないのだろう。テレビの討論番組で右寄りのコメンテーターが日本人は自らを犠牲にしても結束して危機を乗り越えられる国民といった趣旨の発言をしていたが、それも今は昔の話で、やたら心配性でパニックに陥りやすく、非科学的、非理性的な方向に走りがちな国民、といった方が当たっている気がする。